[コラム]2015.11.30

「びあけん」1級に受かる?! ビールの「下地」を作るワンツースリー(その1)

今年10月、「びあけん」こと「日本ビール検定」が実施された。第4回となる今回も、前回に引き続き1〜3級までの検定が全国で行われた。
最高峰とされる1級については、第2回からの開催となっており今年で3回目を迎える。合格者は「びあけんマスターズ」と呼ばれ、職場や友人・知人たちからの賛辞を浴びることができる。それもそのはず、1回目、2回目の合格率はわずか5%程度。今回の合格率はわずかに上昇し8%程度となったが、やはり狭き門であることには変わりない。

今回検定の結果は去る11月13日より発送され、筆者は(なんとか)合格。手前味噌ではあるが、1回目の合格に続き2度目の合格を果たした。ちなみに、2度合格しているのは筆者含めて3名のみとのこと。「ビール好き」にお墨付きをもらえたようで嬉しい限りである。

僭越ではあるが、今回「びあけん」1級の試験対策と銘打って「日々のビールとの接し方」を考えてみたい。

びあけん テキストと勉強ノート

1.びあけん1級試験の成分表

1級を受検された方や問題をご覧になった方は、「難しい」、「そんなことまで知らない」という感想を持つ方が大半ではないだろうか。私も3回受検したが毎回同じように思っている。しかし、だからこそ3回も受検しているのだともいえる。挑戦しがいがあるからだ。
まず、1級試験にはどんな問題が出るのかを、筆者にて分析してみたので参考にしていただきたい。

<1級試験の概要>
時間:60分
満点:100点
形式:マークシートと記述。官能試験(テイスティング)はなし。

<1級試験の成分表>
5つのカテゴリーに分解すると、それぞれの配点は()内の通り。(筆者調べ)

1.時事問題(5年以内の出来事で、話題性の強いもの)
2.個々の銘柄と醸造所に関する問題
3.製法・スタイル・原材料・品質にまつわる問題
4.歴史・一般常識・雑学・その他
5.論述

 

カテゴリー 2013年 2014年 2015年
1.時事 8 7 7
2.銘柄・醸造所 20 15 23
3.製法・スタイル・原材料 22 31 30
4.歴史・雑学 30 27 20
5.論述 20 20 20

 

「びあけん」には公式テキストと参考書があり、2級、3級はそれらを丹念に読み込むことで合格が可能といわれる。しかし、1級ではテキストには記載されていない「1.時事問題」や「4.雑学」などが出題される傾向にある。「そんなことまで知らない」と感じるのは、これらの問題が目についてしまうからではないだろうか。
ただ、冷静に上の成分表を見ると、実は「2.個々の銘柄と醸造所」や「3.製法・スタイル・原材料・品質」といったカテゴリーの配点もかなり多いのである。ここ最近の出来事や、ビールのことが書かれた小説の名前などは勉強が難しいが、2と3は勉強しやすいカテゴリーだ。具体的にはどうするのか? 2、3への対策こそ、「日々のビールとの接し方」にある。

(次回へ続く)

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ちょいテク! 年号丸覚え

よく出るビール関係の年号を語呂合わせで覚えておこう!

1516年 「ビール純粋令」発布
→以後いろ(1516)いろ造るとダメよな純粋令

1722年 「ポーター」誕生
→いーな夫婦(1722)でPORTERお揃い

1842年 「ビルスナー」誕生
→一か八か世に(1842)出た黄金のピルスナー

1873年 リンデが「アンモニア冷凍機」を発明
1876年 パスツールがビールの「低温殺菌法」を発明
1883年 ハンゼンが「酵母純粋培養法」を発明
→並(73)の温度じゃない冷凍機、生(76)ビールが飲める低温殺菌、ハッサン?(83) ハンゼン! やみ(83)つきの純粋培養法
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びあけん勉強法試験対策

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

ニシバヤシ タツマ

ビアジャーナリスト/びあけん1級(2013,2015)

大学時代に自転車旅行でビールのうまさを知る。ほどなくしてベルギービールにカルチャーショックを受け、 世界のビールの虜に。ビールは大人の趣味の1つ。その一期一会を記事やビアポエムとして伝えていきたい。

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