宅ビアさんの今宵飯(1)~ Fuller’s London Pride ~
ビールを飲む時に「おつまみ」がいる派か、いらない派か…。私はどうしても欲しくなってしまう性分で、根っからの「宅飲み派」でもある。今宵も自愛の一杯を口にしているとこう思ってしまう。
「美味しいおつまみが食べたい。そう、あのお店で食べた○○のような…。」
私と同じ「宅ビアさん」を応援すべく、今宵も美味しいビールと共に小料理をペアリングし、ご紹介する。
一杯目は「 Fuller’s London Pride(フラーズ ロンドン プライド) 」(以下、ロンドン プライド)。
言わずと知れたイギリスにあるFULLER’S(フラーズ)社の代表商品。キンモクセイのような香りに、エステル香や柑橘、蜂蜜にも似た複雑な印象が絡み合う。濃いゴールドの液体を口に含めば、モルトの甘味。喉を難なく通過し、全身の血管を巡るような瑞々しさ。力強くも気品あるホップの苦味と、鼻から抜ける艶やかなフレーバーを感じる頃には、次の一口…体中が虜になっている。
そんなロンドン プライドと今宵食べ合わせるのは「シーチキンのリエット」。
リエットはフランスが発祥。豚肉のバラ肉などをラードと共に煮込み固めたペースト状の保存食だ。今や洋酒のアテの定番だが、肉が崩れるまで煮込むのは手間がかかる上、ラードを常備している家庭は少ないだろう…。ならばと「シーチキン」と「牛脂」で作ってみた。
ニンニクと黒コショウのスパイシーな香りが食欲をそそり、シーチキンを噛みしめるごとに牛脂の芳醇な風味を纏った旨味が広がる。バゲットに付けても良い塩加減。
そこにロンドン プライドを通す。モルトとバゲットの香ばしさが一体となり、引き出された深い甘味とリエットの塩味が良い塩梅。味わうほどにシーチキンの旨味溢れ、ビールの華やかな余韻と喉ごしが油分を流し口内をリセット。いつの間にか、また一口…。
ロンドンの「誇り」は、フランス料理も受け入れる寛容さも持ち合わせていた。
-Beer profile-
商品名 : Fuller’s London Pride
生産国 : イギリス
醸造元 : FULLER’S
アルコール度数 : 5%
原材料 : 麦芽・ホップ
輸入者 : コルドンヴェール株式会社
【レシピはこちら】
シーチキン・リエット
【材料】
シーチキン 70g(1缶)
おろしニンニク 1/2片
オリーブオイル 大1(15cc)
白ワイン 大4(60cc)
牛脂 10g(1袋)
塩 少々
黒コショウ(粗挽き) 適量
※分量は目安です。お好みでご調整ください
【作り方】
1. オリーブオイルとおろしにんにくを弱火で軽く炒め、香りを立てる
2. 油を絞ったシーチキン、白ワイン、塩を入れる。汁気が少なくなったら牛脂を溶かす
3. ココットなどに入れ、あら熱を取り、冷蔵庫で冷やす。黒コショウをお好みで振りかけて
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。