ブルワリーレポート 【山口地ビール編】
鳴滝高原の麓にあるブランド名は山口地ビールで知られているやまぐち鳴滝高原ブルワリー。1997年9月に醸造を開始し、ドイツスタイルのビールを醸造しています。現在はピルスナー、ヴァイツェン、スタウト、ペールエールの4種類をレギュラービールとして醸造。どのビールも過去にモンドセレクションを受賞しており、特にスタウトは最高金賞を受賞しています。
「山口地ビールは美味しくなった!」
昨年、私の周囲からこんな声をたびたび耳にするようになりました。ちょうど同時期に関東のビールイベントで、山口地ビールのブルワーである北條氏にお会いする機会がありました。お話を聴いていくうちにぜひブルワリーを訪問し、その魅力をお伝えしたいと思い、現地を訪ねてきました。
レシピを見直し、ピアパブからの注文も増加
現在、ブルワーは山本氏と北條氏の2名。最近ではヘッドブルワーである山本氏の社内業務が多忙となり、醸造は主に北條氏が担当しています。北條氏はドイツで醸造の修行をした後に国内ビール会社でブルワーの経験を積んできた持ち主です。温和で柔らかな笑顔が親しみやすく、とても接しやすいブルワーさんです。
周囲からの声を北條氏に伝えると「実は僕が入社する少し前にビールのレシピを変えたんです」と教えてくれました。より美味しいビールを造るために試行錯誤してきた結果、「美味しい」と言ってくれる人たちが増えてきているのです。最近では都内のビアパブへの出荷も増加しており、某ビアパブからはヴァイツェンが週に80ℓもの注文があったと言います。
過去にはかなり醸造量が減ってしまった時期があったそうですが、クラフトビール人気が高まっているなか、醸造量に変化が表れているか訊ねてみると、「今年は120㎘ぐらいですかね」と前年比で1.5倍増になったと答えてくれました。
醸造設備を増設と新たなビールの開発
山口地ビールでは生産量を増やしていくために今月にもタンクを増設することが決まっています。これまでは併設のレストランやお土産ビールでの消費が多い状況でしたが、今後はそれに加え、地元のスーパーへの出荷やビールイベントへ積極的に参加していく計画です。
そして、新たなビールの醸造にも力を入れていく計画もあり、「今月下旬に初めて醸造したIPAを出荷する予定です」と北條氏は新ビールを教えてくださいました。このIPAは昨年取得した発泡酒免許に対応するビール第1弾で、原料に蜂蜜を使用したIPAです。一足早く試飲をさせていただきましたが(まだ、炭酸ガスを入れる前なので、リアルエール状態)、花の蜜を感じさせる香りとしっかりとした苦味で、ペールエールとは異なったキャラクターのビールでした。こちらのビールは樽限定ということで、レストランの他はビアパブで提供されるとのことです。
この他にもいくつか新ビールの構想をお伺いしましたが、これらはまだ公開はNGということで、実際にビールが醸造されるのを楽しみにしたいと思います。
ブルワー、営業といったビール事業部が一丸となって躍進していく山口地ビール。今後の展開に目が離せないブルワリーの1つになりそうです。
◆鳴滝高原ブルワリー(山口地ビール株式会社)Data
住所:〒753-0212 山口県山口市大字下小鯖1360-4
電話:083-941-0100
FAX:083-941-0222
E-mail:narutaki@yamaguchi-jibeer.com
Homepage:http://www.yamaguchi-jibeer.com/index.html
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。