Beerに惹かれたものたち 2人目 ビアイラストレーターToa
都内のビアパブやクラフトビールを取り扱う酒屋などで、かわいらしくも幻想的なイラストを目にしたことがないだろうか。今回、注目するのはビアイラストレーターとして活躍するToa氏だ。
絶えず感動を与えてくれるのがビール
「お酒は好きだったのですが、成人した頃はビールって嫌いでした。でも、大学3年生のときにたまたまかわいいラベルに惹かれて買ったVEDETTの味わいに衝撃を受けてから酒屋や通販で飲んだことのない銘柄のビールを見つけては買って飲むようになりました。そこからどんどんハマっていきました」
これがToa氏とのビールの出会いだ。しかし、いきなりはビールを描くということにはならなかった。
「もともと絵を描くことが好きで、芸術学部のある大学に入ったのですが、学ぶことにとても不真面目で、自分が何をしたいのかわからないまま卒業しました。新卒で雑誌の編集会社に入ったもののうまくいかず、結局半年で退職しました」
このことをきっかけに自分のやりたいことについて、真剣に考えるようになった。その答えが「やはり絵を描いて生きていきたい」ということだった。
そこで、好きであったビールをテーマにし、たくさんの人に興味をもってもらうことを目標に活動を始めることになった。
飲んで、考えて、描いてを繰り返すことで作品を創りあげる
作品は依頼を受けるものと自ら発信するもので、イメージの創り方が異なる。
依頼を受けたものはクライアントの希望を叶えるものとわかりやすさを大事にし、個人で発信するものは自分が面白いと思えるかどうかを大切にしている。
しかし、ビールを絵で表現するということは難しいのではないか。このことをぶつけてみると「私もずっと難しいなぁと思いながら描いています(笑)。決めているルールは『ビールラベルのデザインとビールの色を意識しないこと』これは先入観をなくして自分だけの表現をするためですね」
決して、ビールを飲んだらすぐにイメージが浮かんでくるこということではないという。
「まずは飲んでみて。そこから感じたことを文字に起こしていきます。それらを結び付けたり、膨らませてみたり。頭の中にそのビールをぴったりだと思える景色や物語が浮かんでくるまでこの作業を繰り返します。時間にすると30分から1時間くらいはかかっていると思います」
ゆっくりとじっくりと。ピッタリなイメージが浮かんでくるまで、ひたすらビールに向き合う。これが下のイラストのような作品につながるのだ。
これはカラコル醸造所のトゥルブレッドだ。「晴れた天気の日に、芝生に倒れ込んで、もう動きたくないくらい良い心地」というイメージが浮かんで描いた作品だ。
イラストに表現できることは「自分のなかにあるものだけ」自分の中にどれだけたくさんの引き出しを作れるかが今後の課題と考えている。
父の言葉を胸に感性を磨く日々
引き出しを多くしていくために、本屋へ行ったり、美術館へ行ったり、気になったビアパブやカフェに行く。自分が「なぜ」そうすることが好きなのか、興味を惹かれるのかを突き詰めて考えることが大事だとToa氏は思っている。そう考えるのには父親の言葉のある言葉が胸に残っているからだ。
「感動しなくなったら終わり」
感動するためにどうしたらいいのか。「考えるとよくわからなくなりそうですが、私は自分が好きだとか、少しでも興味を惹かれたこと。したいことに素直になることが1番の近道だと思っています」これがToa氏の感動を得るために気をつけていることだ。
今後の目標は自分にしかできない個展の開催
今後の展望について訊ねてみると「文章などの説明を抜きに、第一印象などの直感で絵を選んで、ビールを飲んでいただく個展を開いてみたいです。そして、イラストをたっぷり盛り込んだビール紹介本を作りたいです。どちらとも今年、達成することを目標にしています」ととてもオリジナリティ溢れる企画が飛び出してきた。
「これからもイラストを活かして、ビールと人とをつなぐきっかけになる活動をしていきたいと思っています」最後にアピールをお願いすると力強くこう答えてくれた。
この他にもTシャツ展やペイント講座も検討しているので、期待が高まる一方だ。
★Toa氏へのお仕事の依頼は下記までお願いいたします。
【ガラス・看板・黒板へのペインティング。Tシャツ、ラベル、メニューのデザイン】
e-mail:toa_beerillustrator@gmail.com
【作品集】
Homepage:http://toaworks.tumblr.com/
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。