空の上でもビール
ラウンジと呼ばれる飛行機を待つ間に美味しいビールが飲めるスペースがあることは旅慣れている人なら誰でも知っていることかもしれない。特定の料金を支払ったり、何がしかの特別な会員になったりと手段はいろいろである。だが、飛行機の中で美味しいビールを飲むにはどうしたらいいのだろうか?まさかこんな簡単なところに答えが転がっているとは思いもしなかった。それはスカイマーク航空に乗ることである。
少し前、私はベルギービールウィークエンド福岡2016に参戦するため移動手段について悩んでいた。基本的には1円でも多くベルギービールに使いたいので移動も宿も格安で済ませたい。宿は現地の知人に情報をもらい、格安なものを予約できた。しかし、新幹線か飛行機か、はたまた夜行列車かと移動手段についての悩みは尽きない。飛行機は時間が短いので家を空ける時間も短くて済むが値段が高い。夜行列車はビールを持ち込んで呑んだくれた後はそのまま眠れるという夢のような移動時間を過ごせるが、往復で半日ほど余計にかかる。新幹線はその中間といった位置づけか。「そう言えばLCCって使ったことがないな」と検索してみると新幹線とほぼ同じ料金ではないか。移動時間も最短でお財布にも優しいなんて!と感激し、気がついたら予約ボタンをポチッと押していた。
当日、搭乗に際してうっかりいつも通り持ち歩いていたソムリエナイフの機内持ち込みが出来ず、預け入れをするなどベルギービール飲みならではのあるあるを体験したのは愛嬌としておこう。シートベルトのサインが消えてほどなくすると機内販売の案内が聞こえてきた。1時間半のフライトのため、販売されるのは飲み物のみ、とのこと。「…海外でも高い評判を誇る茨城県は木内酒造の常陸野ネストホワイトエール…」
はい???気分はもう離乳食を待ちきれない乳児。テーブルをダンダン叩きたい。CAさんが回ってきたので小学生のように挙手をして注文。350mlで400円は国産大手企業のそれと比べると決して安くはないが、高いと文句を言うほどの値段でもない。しかも、小さなおつまみもついている。「ピーナッツにアレルギーはございませんか?」という心遣いに感謝しつつ、「大丈夫です。ところでプラカップか紙コップも欲しいのですが。」とリクエストするとホットコーヒー用のカップをくれた。
手酌でどんどんご機嫌になっていく。ビールの神様、いつもありがとう!と心の中でつぶやきながらおかわりしようとしたところ、「当機は間もなく着陸態勢に入ります。」とのアナウンス。次回はもう少し長めのフライトでおかわりしちゃうぜ!とホワイトエールに未練を残しつつテーブルを畳んだのだった。ちなみにCAさんに聞いたところ、最近ビールの銘柄を一番搾りから変えたのだという。スカイマークの全便にて販売中というのもうれしい。次回のフライトの機会が待ち遠しくてならない。
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