不思議の国のウェールズからビールがやってきた!
“ウェールズ”って耳にしたことはあっても、実際のところよく知らない方も多いのでは?
ロンドンの西方およそ200kmに位置し、英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)を構成する4つの国のひとつです。
童話「不思議の国のアリス」のモデルになったアリス・リデルはこの地方で、夏を過ごしとことでも知られています。
ケルト文化が色濃く残り、北部では今でもウェール語が話されていて交通標識も英語とウェール語が併記されているんですって。
未だ霧のヴェールに覆い隠されていて、木の陰から妖精が飛び出てきそうな、謎めいた魅力に満ちています。
そんな不思議な国ウェールズのビールの試飲会が6月30日、新御茶ノ水駅近くにあるビアカフェ「Café 104.5」で開催されました。
豪華客船「タイタニック」でも飲まれていたレクサムラガー
今回、日本に初上陸し、注目をあつめたが「レクサムラガー(Wrexham Lager)」
ウェールズの北部、イングランドとの境にあるレクサムで1882年から造られていたラガービールを再現したものです。
ドイツ系移民が故郷を懐かしみ造っていたラガービールは、エールを好んだ当時の英国ではマイナーでしたが、高い品質から国外では人気があり、あの豪華客船「タイタニック号」でも飲まれていたというほど。
2002年に一旦すべての生産が中止されてしまいましたが、2011年に復活。
それが今回、日本にもやってきたのです。
タイタニックの船内でローズとジャックが飲んだであろう(え、あれは映画ですって!?)ビールに、胸を高鳴らせながら飲んでみると…
爽やかなホップの香りの中に蜂蜜を連想させるような甘い香りも。
軽い口当たりですっきり飲めました。
このレクサムラガーを復活させたマーク・ロバーツ氏。
このイベントのために来日。ウェールズの魅力を語ってくださいました。
世界から注目されるビール生産地ウェールズ
四国より少し小さい広さに約300万人の人が暮らすウェールズ。
しかし現在、ビール醸造所の数は80か所以上ですって!
アメリカのクラフトビールの影響を受けた醸造所が次々と設立されています。
すごいのは数だけでなはく、そのクオリティ。
今回紹介された「タイニーラベル(Tiny Rebel)」は2012年に本格始動したばかりの新進気鋭の醸造所ながら、英国のビアコンペティションで上位を取りまくった実力派です。
左から「クッチ」、「ハドーケン」、「ダーティ・ストップ・アウト」、「ザ・フル・ネルソン」
一方の「ブレインズ(BRAINS)」は、1882年創業の老舗。
ブレインズのロゴは街のパブやホテル、あらゆる所で目にすることができます。
ラグビーやサッカーのウェールズ代表のスポンサーでもあり、ウェールズで最も知られた醸造所です。
ウェールズの雄が手掛けるクラフトビールのシリーズはどれも安定したうまさ。
左から「バリーアイランドIPA」、「ブラッジングライツ」、「アトランティックホワイト」、
そしてフラッグシップの「ブレインズSAスムーズ」、「ブレインズブラック」
伝統料理ウェルシュ・レアビット
ウェールズのビールに合わせて、料理が紹介されたこのイベント。
なかでも今回の目玉は、英国菓子研究家の砂古玉緒さんが目の前で調理する「ウェルシュ・レアビット(Welsh Rarebit)」。
18世紀に起源をもつウェールズの伝統的料理で、労働者たちがウサギRabbitの肉にかけていたチーズソースが由来とか。
豊かな自然に恵まれたウェールズは、良質の乳製品が製造されており、チーズは様々な料理に使われているんですって。
作り方はシンプル。
シュレッドチーズ(とろけるタイプ)50gにバター5gをフライパンでゆっくりと溶かし、マスタードパウダー小さじ1/4、そして大切な材料はウェールズ生まれのビール!
これを大さじ1杯振りかけてさらにトロトロになるまでかき混ぜます。
ウスターソースを隠し味に使うことも。
これをトーストの上に乗せてオーブンで軽く焦げ目がつくまで焼きます。
濃厚でとろりと舌に広がるチーズにほんのり焦げた苦味が加わって、これはもうビールが進んじゃいますよ!
英国って食事がおいしくないと言われがちだけど、本物はおいしいのかも。
ウェールズのビールと食を堪能し、文化にも触れたことで、
謎めいたヴェールに包まれたウェールズとちょっとお近づきになれた気になれた試飲会でした。
ウェールズのビールはこれから先、もっと日本でも会えるようになるでしょう。
ウェールズジャパン
レクサムラガー公式サイト(英語)
タイニーラベル公式サイト(英語)/ 日本語サイト
ブレインズ公式サイト(英語)/日本語サイト
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。