[イベント]2011.9.21

北極海経由でベルギービール?

先日、日本の商船会社の貨物船が、ロシアを出発して北極海を通過し、太平洋を経由して日本に到着しました。
最近の北極海は8月から9月にかけて氷で覆われない海域ができ、商船が航行できるようになってきているそうです。

通常、ベルギーから日本への航路は、

●ヨーロッパ→地中海→スエズ運河→インド洋→マラッカ海峡→日本

となります。

今回の北極海(北東航路)だと、

●ヨーロッパ→ノルウェー海→北極海→東シベリア海→ベーリング海峡→日本

となり、距離にして約7000キロ、約4割も短くなることになります。

ということで日本までの輸送日数が短くなるうえに、輸送コストも安くなります。
また赤道付近を通過しないので、もしかしたらリーファーコンテナを使わなくて済むかも。
ベルギービールの価格に直結しますね。

もうひとつ良いことがあります。
ニュース等でもよくご存知のとおり、ソマリア沖・アデン湾では最近海賊が多発、急増しています。
日本の船舶も年間約2000隻がここを通過しています。
ベルギービール輸入の際にももちろんここを通るわけですが、実は海賊対策費として「アデン湾サーチャージ」なんていうコストも支払っているのです。
喜望峰を回る航路もありますが、日数にして6日~10日、燃料費もものすごいことになってしまいます。
しかも最近ではこちらのルートにも海賊が出没するとのこと。。。
海賊の不安から開放されるのも大きいですね。

地球温暖化は問題ですが、せっかく通れるものは何とか利用できるといいと思います。

ベルギービール輸入

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

三輪 一記

一般財団法人 日本ベルギービール・プロフェッショナル協会 代表理事

1967年、名古屋市生まれ。
1990年、関西大学商学部卒業。26歳のときにベルギービールと出会い、以来ベルギービールを愛し、仕事でというよりライフワークとしてベルギービール普及に情熱を傾け、毎年ベルギーを訪れている。
2001年よりベルギービールに関する講座、セミナー活動をスタート。
2008年より愛知大学、愛知淑徳大学等でベルギービール講座開講。
「ベルギービールを通じて日本とベルギーの架け橋に」というコンセプトのもと、
講演やセミナーにも積極的に取り組んでいる。
共著に『ベルギービール大全』(三輪一記+石黒謙吾/アートン)、
『ベルギービール大全<新>』(三輪一記+石黒謙吾/アスペクト)。
一般財団法人 日本ベルギービール・プロフェッショナル協会 代表理事。

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