[JBJA活動,ブルワー]2017.2.16

【初夏再オープン!】火災から半年を迎えた「八ヶ岳タッチダウンビール」と「ブルーパブレストラン ROCK」の今

昨年8月の火災事故により全焼した山梨県北杜市の「ブルーパブレストラン ROCK」と、同店で醸造されていた「八ヶ岳タッチダウンビール」につきまして、多くの皆さまから温かいご支援とご協力をいただき、誠にありがとうございました。

 

 【復興支援】「八ヶ岳タッチダウンビール」と「ブルーパブレストランROCK」リスタートに向けてのご支援のお願い
※2016年8月15日掲載

 

記事掲載後、飲食店関係者の方から樽詰めビールの注文や問い合わせが八ヶ岳ブルワリー醸造部に相次ぎ、全国各地のビールイベントにおいても、さまざまなブルワリーの自社ブースで「八ヶ岳タッチダウンビール」が提供される様子が見られました。同ビールをご存知の方はもちろん、「飲むことが支援につながるなら」と、初めて味わう方も多かったことと思います。
ビールを愛する皆さまによって、文字通り「飲んで支援」していただいたこと、筆者として、ひとりのビアファンとして、心より感謝申し上げます。

今回は、2月現在の復興状況と今後の見通しについてお知らせいたします。

 

リニューアルオープンに向けて再建中のROCK

 

2月4日、冬晴れの土曜日。
銀世界に囲まれた萌木の村では、再建工事が行われていました。

焼け落ちた建屋は解体され、既に新しい屋根や煙突らしきものが見える

 

玄関前の木組みはトイレ部分の屋根になるそう

現場周辺には工事車両が集い、この日も休憩中の工事業者と熱心に話し合う萌木の村の村長、舩木上次さんの姿が見られました。

駐車場には火災直後から仮設店舗と売店が設置され、ROCKのカレーやタッチダウンビールが楽しめるようになっています。この日は2台の観光バスも並び、寒空の中でも多くの観光客がバスレストランや仮設テントでの食事を楽しんでいました。

通常は萌木の村や大泉、野辺山周辺の観光スポットを巡る観光バスが貸切レストランに(2月5日でピクニックバスの営業は終了)

その日の気温で割引率が決まるという「寒いほどお得フェア(2月28日(火)まで)」。この日は全品30%オフ! 最大で半額になることも

火災から約半年。再起を誓うスタッフや支援を続ける人達との連携で、復旧作業は日夜続けられています。

通常、清里では地表や基礎のセメントが凍る厳冬期は、作業効率が悪くなるために工事を行わないとのこと。しかし、1日でも早くROCKを再開するために、建設業者や電気工事業者、設備関連業者が協力して、朝早くから夜遅くまで再建工事が続けられています。
再オープンの目標は今年のゴールデンウィーク頃
なんと、火災事故からわずか9カ月という異例の復旧スピードです。清里開拓の父、ポール・ラッシュ博士の遺志を受け継ぎ、博士の名言「Do Your Best and It Must Be First Class(最善を尽くせ、しかも一流であれ)」を体現するかのように、清里が一体となってROCKの復旧に取り組んでいます。

 

そして、八ヶ岳ブルワリーの今

レストラン内で「八ヶ岳タッチダウンビール」を醸造していた八ヶ岳ブルワリーでは、地下の醸造プラントの修復作業中。状況をブルワーの松岡さんに伺いました。

 

「消火の放水で地下にも大量の水が入り込み、基盤が破損している恐れがあった仕込み釜は、奇跡的に無事であることがわかりました。しかしまだ動作確認ができない状態です。火災で破損したチラー(冷却水循環装置)のブラインタンク(冷却水の貯蔵槽)の交換工事は3月下旬に終わる予定ですが、現在はプラント周りの天井や壁などの解体作業が行われているので、3月中旬のリフォーム終了後にまずは仕込み釜の動作確認を行い、問題なければチラーの工事終了後、仕込み開始という流れになります。 予定では4月上旬の仕込み開始を目指していますが、各設備の動作状況次第では遅れが生じるかもしれません」。

ゴールデンウィークのレストラン再オープンに、ピルスナーの醸造が間に合うかどうか、という状況だとか。続いて、生まれ変わったROCKと八ヶ岳タッチダウンビールのコンセプトについても伺いました。

 

「仕込み釜の隣に世界初の『サービスタンク』を設置して、そのタンクサーバーから直接ビールを注ぎます。迫力あるビアタワー型のサーバーを設置することで、八ヶ岳タッチダウンがレストランROCKの看板であることをアピールしていきます。季節限定商品も見直して、20周年を迎えるタッチダウンを盛り上げていきたいと思っています」。

これまで地下にあった醸造設備の一部をレストランの客席からも見える構造に変更。これまで以上に「地ビールレストラン」としてのROCKをプッシュしていくそうです。

 

外観の完成予想図

店内の完成予想図

仮設店舗の営業も2月10日で終了となり、ROCKはいよいよ再オープンに向けての本格的な準備に入ります。開拓者精神が息づくこの清里で、今年で20周年の節目を迎える「ブルーパブレストランROCK」と「八ヶ岳タッチダウンビール」がどう生まれ変わるのか?
初夏のリニューアルオープンを、どうぞお楽しみに!

ROCKのオリジナルビーフカレーは、レストラン隣のホテル「ハット・ウォールデン」1階「レストラン ネスト」で味わうことができる

※現在(2月13日時点)タッチダウンビールの樽生が飲めるお店(関東)は、「蔵くら」(神田)、「クラフトビアマーケット虎ノ門店」、「GOOD MEALS SHOP」(渋谷)、「Beer O’clock」(千葉)。詳細は各店舗にお問い合わせを。

 


■醸造に関するお問い合わせ先
八ヶ岳ブルワリー 醸造部
電話:0551-48-2521
FAX:0551-20-7551
Mail:beer-td@moeginomura.co.jp

■オープニングスタッフ募集中
ROCKではNEWオープンに向けて、
20周年の節目を迎えるROCKを盛り上げてくれる仲間を募集しています。
詳細はこちらをチェック
お問い合わせは、萌木の村株式会社 総務部まで。
電話:0551-48-3552


■ブルーパブレストランROCK
(※営業休止中)
住所:山梨県北杜市高根町清里3545 萌木の村
アクセス:JR小海線「清里」駅から徒歩10分
※ROCKは休業中ですが、カレーはレストラン隣のホテル「ハット・ウォールデン」1階「レストラン ネスト」で提供中。

公式HP
http://www.moeginomura.co.jp/ROCK/
公式Facebookhttps://www.facebook.com/restaurant.ROCK/

八ヶ岳タッチダウンビール山梨県萌木の村

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

山口 紗佳

ビアジャーナリスト/ライター

1982年愛知県知多半島出身、大分県大分市在住。中央大学法学部卒業。
名古屋で結婚情報誌制作に携わった後、東京の編集プロダクションで企業広報、教育文化、グルメ、健康美容、アニメなど多媒体の編集制作を経て静岡で10年間フリーライターとして活動。現在は大分拠点に九州のビール事情をお伝えします。

【制作実績】
フリーペーパー『静岡クラフトビアマップ県Ver.』、書籍『世界が憧れる日本酒78』(CCCメディアハウス)、雑誌『ビール王国』(ワイン王国)、グルメ情報サイト『メシ通』(リクルート)、ブルワリーのウェブサイトやPR制作等

【メディア出演】
静岡朝日テレビ「とびっきり!しずおか」
静岡FMラジオ局k-mix「おひるま協同組合」
UTYテレビ山梨「UTYスペシャル ビールは山梨から始まった!?」
静岡新聞「県内地ビール 地図で配信」「こちら女性編集室(こち女)」等

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