サイドカーのビール版?「サイドカー オレンジペールエール」―ビアレポート(135)
柑橘好きの私です。
最近は柑橘類を副原料に使用したビールを飲むことが多く、以前もこのコラムで書きました。そもそも柑橘好きなので、「オレンジを使ったビールだったら、好みとしてのハズレはないんじゃないか」という意識でビールを買っています。実際、今のところハズレはありません。
今回ご紹介するのは、その記事でも名前を挙げている、アメリカのシエラネバダ「サイドカー オレンジペールエール」です。
このビールも以前のコラムで名前を挙げていますが、実際にオレンジを副原料として使っています。ラベルを見れば一目瞭然ですね。まさにオレンジそのもので、果汁の垂れている感じがまたそそります。
お酒好きの方は、「サイドカー」という名前からカクテルを思い浮かべるのではないでしょうか。カクテルのサイドカーは、ブランデーとホワイト・キュラソー、レモンジュースで作ります。キュラソーはオレンジピールを使用したお酒なので、サイドカーも柑橘感ある味わいになっています。
カクテルのサイドカーという名前の由来は諸説あるのですが、比較的知られているものだと、「女性殺し」というもの。サイドカーが交通事故に遭うと、運転手よりも女性が乗ることの多いサイドカーの方が致死率が高いことから、カクテルのサイドカーもアルコール度数が高くて(30度前後)女性を酔い潰しやすい、ということだそうで。オレンジフレーバーがあって飲みやすいんですね。
そんなカクテルのサイドカーを意識したのではないかと勝手に思っているのが、このビールのサイドカー。
飲んでみると、柑橘系のアロマがすごいのです。よくホップ由来の柑橘香なんて表現がありますが、それとは明らかに違う香り。グラスの中に剥いたばかりのオレンジピールがあるんじゃないか、というほどのピールの香りです。鼻から抜けるフレーバーも同様。甘味や酸味は控えめで、オレンジピールのフレーバーが口の中を支配します。全体的にすっきりとした味わい。オレンジピールは煮沸と発酵の2段階で投入しているそうです。
ビールのサイドカーも非常に飲みやすい味わいですが、アルコール度数5.3%。これなら女性も安心して飲めますね。
【BEER DATA】
サイドカー オレンジペールエール
生産地:アメリカ
醸造所:シエラネバダ
スタイル:アメリカンペールエール
アルコール度数:5.3%
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。