7/25(火)埼玉県飯能市に新ブルワリー本格始動! 【CARVAAN BREWERY編】
昨年9月に委託醸造という形でスタートを切った「CARVAAN BREWERY」がいよいよ7/25(火)に自社醸造所を伴ったブルワリーレストランをオープンします。一足先に現地を訪問させていただき、醸造を担当する伊藤謙二氏にオープンまでの道のりやブルワリーの特徴を聞いてきました。
★前回の記事はこちらから!(https://www.jbja.jp/archives/13958)
目次
これまでの経験を活かし、地元に貢献したい!
「母体会社である『株式会社 FAR EAST』は、都内をはじめ全国に11店舗を展開する『FAR EAST BAZAAR』というブランド名で食品の輸入・製造・販売をしています。本社は埼玉県飯能市にありましたが、これまで地元で活動する機会がなく『地元に貢献したい』という思いが募っていた折に、ちょうど飯能市も町おこしを考えていてこの場所を利用できないかという申し出と重なったことが始まりです。」
名前の由来である「CARVAAN(カールヴァーン)」はペルシャ語で「隊商」を表すKARVAANという語から名付けられたものです。古の隊商は遥か遠くのBAZAAR(バザール)をひたすら目指して命がけの旅を続け、辿り着いた土地には、未知の物、異文化、活気と妖しさに満ち溢れて、限りなく魅力的であったと言います。「CARVAAN BREWERY」もビールを通じて、未知の魅力を伝えていきたいといいます。
ビールを醸造する理由は「当社は元々中近東やアフリカ地域との貿易を得意としており、その活動の中で物事の歴史を遡って行くと、当社の主力商品であるアラビアン・ジェラートや古代小麦を使った焼菓子など、エジプトやメソポタミア文化に辿り着くものが数多くありました。ビールもメソポタミア文化が最古といわれ(※1)、『これは私たちが行うのに相応しい』と考えたからです」
※1 ビール最古の記録は紀元前3000年頃にメソポタミアのシュメール人が残したモニュマン・ブルーという粘土板とされる(日本ビール検定公式テキストより)
「LOCAL」と「GLOBAL」の両立を目指す!
昨年のイベントから約1年が経過しています。コンセプトに変化はあったのでしょうか。
「目標は両極なものがありまして、1つは地元と連携した新しい魅力を提供することです。例えば自社農場におけるホップやハーブ類などの無肥料無農薬栽培や、地元農家さんの手による地場の食材をビールづくりや料理に使うことで、地域経済を活性化したいと思います。ビールを通じて、地元の方たちが誇りに思える場所にできたら最高です。もう1つはアラブ・地中海地方をはじめ世界中から輸入した食材や文化を極東の地である日本で造ったビールとして結実させ、『文化の運び手』として世界に紹介していくことです」と地元と協力して地域の活性化を図る「ローカル」と海外から入手したエッセンスを取り入れ、それを世界に発信していく「グローバル」をコンセプトと考えています。
醸造所の整備やロゴ作成とやることがいっぱい
新規ブルワリーさんに必ず聞く、オープンまで大変だったことを聞いてみました。
「新規ブルワリーさん同じだと思いますが、やっぱり機材関係ですね。タンクは海外から輸入したのですが、醸造ができる環境を整えるまでにとても苦労しました。あとはロゴデザインなどのブランディングに関わるアートディレクション全般を自分がしているので、そちらに時間を費やさなければならなかったことも大変でした。でも、1つずつ形になっていくことはすごくやりがいがありました。」
このように話す伊藤氏からは苦労のなかにも充実感がうかがえました。
あたらしいクラフトビールへのチャレンジ!
オープン時には4種類のビールを予定しています。昨年のお披露目で人気を博したエジプト産のライムを使用したアラビアンライム・エール。2つ目は古代小麦である「スペルト小麦(※2)」を使用したヴァイツェン。3つ目はコロンビア産カカオを使用したアンデスカカオ・スタウトで「非常に香り豊かです」とのこと。4つ目は瀬戸内の豊島(とよしま)で無農薬栽培されているレモンピールを使用したベルジャンホワイトを準備しているとのこと。「スタートはレギュラーの4種類。近々シーズン毎のビールを2種類加える予定です。とにかく未知なものに触れたときのワクワクした気持ちを大事にしていきたいと思っています。ぜひ厳選された原材料で造られたビールを楽しんでください」と話します。
※2 皮が固く、病気に強いと言われる。化学肥料をはじめとする農薬をほとんど用いることなく栽培することが可能なのも特徴の1つ。
現在のアメリカンクラフトビールやドイツの伝統的スタイルではなく、アラブ・地中海の文化を取り入れた「アラビアン・クラフトビール」という新たなスタイルを確立していきたいといいます。「CARVAAN BREWERY」の強みとしては他ではなかなか手に入りづらい原材料を仕入れることができることだといいます。今後は日本にはあまり馴染みのない食材を使ったビールにもチャレンジしていきたいと抱負を語ります。
フードもアラビアン!
レストランで提供される料理もアラブ・地中海地域の料理を中心に提供します。「まだ日本には馴染のないジャンルだと思います。そこで『アラビアン・プレート』というその地方の代表的な料理を一堂に会して楽しめるメニューをご用意しています。メニューには肉や魚料理もありますが、ヘルシーな野菜料理も多いのが特徴ですね。なかなか味わう機会が少ないジャンルですので、ぜひ飯能まで来て食べてほしいです」
すでに地元からは「パーティーに使いたい」といった要望もでているそうですし、結婚式の披露宴などにも使用可能とのことです。
アラブ・地中海料理とクラフトビールの組み合わせは他にはなかなか目にしないもので斬新。どんなメニューが提供されるか期待が膨らみます。
ブルワリーレストランの周辺は木々に囲まれ、目の前には入間川が流れる自然豊かな環境です。近年は、トレイルランニングやロードバイク愛好者も数多く訪れています。飯能までは池袋駅から西武池袋線特急で約40分。駅からは徒歩12分程度とアクセスも良好です。この夏は自然を感じながら新たに誕生したブルワリーレストランで、アラブ・地中海料理とクラフトビールを楽しんでみてはいかがでしょうか。
◆CARVAAN BREWERY Data
店舗名:BREWERY & RESTAURANT <CARVAAN>
住所:〒357-0065埼玉県飯能市大河原 32-1
料理:アラブ・地中海料理
席数:屋内105席/テラス席、CARVAAN CAMP(屋外席)あり
アクセス:西武池袋線飯能駅より徒歩約12分
電話番号:042-973-7000
営業時間:平日 11:30~16:00 18:00〜23:00 土日祝 8:30~23:00
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。