レフトハンド COO Chris Lennert氏、来日!
ビールに愛された皆さまへ!
アメリカのクラフトビールの草分け的存在である、レフトハンド。
あの、赤い手のマークに見覚えがある方も多いかと思います。
まだあまりご存知ではない方には簡単なご説明を。
レフトハンド・ブルーイング Lefthand Brewing from Longmont, Colorado
1993年創業。操業は1994年からですが、この2年間にアメリカ国内では大変多くのビールの小規模醸造所が設立されました。今、アメリカのクラフトビールの会社で有名どころの多くは、この2年間に設立されています。
レフトハンドの名は、地元コロラド州にいたネイティブアメリカンの部族のChief Niwot(左手という意味)に敬意を表してつけられました。オーナーが左利きだからという理由ではなかったのですね。
レフトハンドで最も有名なビールはMilk Stout Nitro。フルボディのスイートスタウトは、ビアファンであれば一度は目にしたこと、口にしたことがあるのではないでしょうか。
今ではアメリカ国内では44番目に大きいクラフトビールブルワリーであり、40の州とコロンビア特別区、ヨーロッパや日本でファンを増やしています。アメリカでの28の賞やメダルを獲り、世界のビールアワードで11種、ヨーロッパでも9種の賞を獲得している、アメリカが世界に誇る実力派のブルワリーなのです。
今回、レフトハンドブルーイングのCOOであるChris Lennert氏が来日し、ファンや関係者に直接会う機会がありました。
7月12日、インポーターであるAQベボリューションのお招きでDevilCraft五反田にて少しお話しすることができました。
今回の来日の理由を教えてください!
―アルバートに会いにきたんだよ!
※AQベボリューション代表取締役社長 桑野アルバート氏のこと。Chris氏とはとても仲が良さそうで、この日は通訳もしてくださいました。
代わりにAQベボリューションの坂本まどか氏が教えてくださったのは、
―日本にはしばらく来ていなかったし、日本でどのようなお店で、ビールがどのように提供されているのか、また、どんなファンの方たちが飲んでくれているのかを見に来ることが目的です。新しいビールのインポートが始まったこともあります。
( SAISON AU MIELとTRAVELIN’ LIGHT Kolshの2つの銘柄で、どちらも素晴らしいビールでした! )
すぐに韓国、中国とクラフトビールのファンがいる街を回るとのことで、アジアツアーだったわけですね。
逆に質問されました。
―アメリカではすぐに大手企業が小規模醸造所を買収するけど、日本ではそのようなことは無い?大手がクラフトビールを作ることについてはどう思いますか?
買収というはっきりした動きはあまり見たことがありませんが、大手の造るビールは、小規模醸造のクラフトビールメーカーが造るより安価で手に入りやすい利点があり、消費者にとってはおいしいビールが飲めるなら、大手だろうと小規模醸造所だろうとあまり関係がないかもしれません。私はクラフトという名称を大手企業が使うことについて個人的には抵抗を感じています。
―アメリカでも、クラフトビールメーカーが造るビールの原価ほどの価格で、大手メーカーのビールがビアバーで提供されることがあります。そうなると競争することすら出来ません。たとえばレフトハンドのビールが1杯6ドルに対して、大手メーカーのものは4ドル。飲む人は安いほうを選びがちですよね。大手企業は利益より、提供される場所(タップ)を奪いたい。そうすることで消費者が大手のビールを選ぶ機会が増えるわけです。
それと同じようなことが禁酒法(1920~1933年)の直後にも起こりました。禁酒法の期間中、アメリカ国民は口当たりの良い甘いソフトドリンクなどに慣れてしまい、強いお酒や濃い味わいのビールを受け入れられなくなっていたのです。そこで大手企業は、それ以前に醸造されていたビールより、安く、原材料を減らして味を薄めたビールを、「これがビールだ」と信じ込ませて、アメリカに浸透させていったのです。
なんとも恐ろしいお話です。
日本ではアメリカのウエストコースト(西海岸)のIPAが大変な人気ですが、コロラドで頑張っていてどのように感じていますか?
―私たちは、自分たちの飲みたいビールを作り続けています。確かに、アメリカでもウエストコーストのIPAは大変な人気ですが、流行を追いかけるだけではなく、自分たちの造りたいものを続けることでやってきました。ミルクスタウトはあまり人気のないスタイルですが大変高い評価を受けています。
このあたりで時間切れとなってしまいました。
自転車が趣味のChris氏。腕には自転車のギアのモチーフとレフトハンドのマークを組み合わせたタトゥーが。
デビルクラフト五反田では、Chris氏のサインが入口ドアの横に描かれています。
レフトハンドの新しいビールも注目ですので、是非訪れて見て下さい!
LEFT HAND BREWING CO. http://lefthandbrewing.com/
株式会社AQベボリューション www.aqbevolution.com
デビルクラフト www.devilcraft.jp
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。