ところで本当はどーなの?クラフトビールと和食 至高のペアリング 九州・沖縄編@十代目彌左エ門
ビアジャーナリスト木暮亮氏・佐藤翔平氏に続き、藤も【和食ダイニング】まぐろ問屋十代目彌左エ門 アトレ秋葉原2店に潜入して参りました!
目次
すきっ歯坊やが喉ちんこを見せるほど
大口を開けているイラストがバットマンのトレードマークだと思っておりました。黒色に焦点を当てればコウモリと判るところを、恥ずかしながら私は数十年もの間、黄色の部分に気を取られ、真実を知ったのはつい先日。大変ビックリ致しました(よく見たら喉ちんこは二つに分裂していましたしね)。いやはや、思い込みというのは恐ろしいものでございます。(気になる方は「バットマン ロゴ」で画像検索をどうぞどうぞ)。
さて、和食に合うお酒と言えば「日本酒」や「焼酎」と思われるのが一般的ではないでしょうか。でもお待ちください。角度を変えて物事を見たり、実際に試してみないことには真実は判りません。思い込みはいけません。一方向からしか物を見れない人は、コウモリをすきっ歯喉ちんこだと思っている残念な人と変わらないのですから。
そんな残念な私で申し訳ございませんが、藤原ヒロユキ監修のクラフトビールと和食が本当に合うのか?「至高のペアリング」になっているのか?鼻息も荒く、検証しに行って参りました!
JR秋葉原駅の昭和通り口の改札を出てまっすぐ数十歩進み、ヨドバシカメラの手前、左にある建物がアトレ秋葉原2。エレベータに乗り4階で降りると、そこは既にまぐろ問屋十代目 彌左エ門秋葉原アトレ2店の中なのです。
まぐろ問屋の本気を食べる
「当店の母体は三浦三崎にあるまぐろの問屋でございまして、三浦三崎というのは日本中からマグロが集まって参ります。そのマグロを直送して、直営のダイニング店舗として今みなさまにお出ししているという状況でございます。」丁寧に説明してくださるのは、営業本部の石田主任。
メバチマグロの説明などを伺いながら、生唾を飲む音が聞こえないようにするのが必死だった。
熊本クラフトビールのペールエールと、宮崎ひでじビールの宮崎日向夏ラガーは、キンキンに冷えたグラスで提供され、暑い中仕事を頑張ってきて良かったぁ!と思わせる最強のコンディション!和食ダイニングですよね?ビールが美味しすぎるんですがっ!
実食一口目は【三崎まぐろ4種盛り】の赤身から。「なぬっ?!これ普段食べている赤身とレベルが違う!」同伴者と共に何故か険しい顔になってしまった…。
決めた!和食とビールの検証は一先ず置いておく!(←何しに行った?)真剣に味わなければこれは勿体ない!
目鉢の赤身に続き、ハラモも中トロも脂が程よくのっており、本鮪の中トロときたら、嚙まないうちに解けていくような柔らかで良質な身だった。魚の生臭さなど探している暇もない程、圧倒的に美味い刺身だった。
まぐろのカマ焼き
写真でお判り頂けるだろうか、この迫力。香ばしく焼き上げられたカマは、脂の多いインドマグロ。
身・血合・筋の部分で味わいが違う。ほぐしてからそれぞれの部分を一つ一つ味わい、最後は全てをミックスして食べるのも楽しい。ビールをチビリチビリとやりながら、箸で少しずつ解した身を口に運び、飲ん兵衛気分を味わうのも良し。というか…ずるいですよ!超~美味しいんですもん!
恵鯛と塩漬けマグロの握り
この握り。何が凄いって、香りと味が一筋縄ではいかないところである。
まず、塩漬けマグロには、シークワーサーで香りづけをしてあり、マグロなのに薄い膜のように酸味を感じることができるのだ!そして塩漬けされているだけあり、食感はもっちりとしていて舌と上あごに纏わり着くような粘度も持ち合わせている。
次に恵鯛の握り。これには唸った。周りに他のお客様がいなければ「天才かよっ!!!」と大声で叫びたい程だった。鯛の厚みは弾力を楽しむのに丁度よく、また数回噛めば溶けてしまう程の薄さでもある。そして何よりもその味。身の上にほんのりと「甘味」があるのだ。スタッフに聞くと「鯛の甘味だと思います」と言われていたが、後に料理長に伺うと「お出しする直前に、蜂蜜と塩加減の調整で沖縄のぬちまーす(塩)でアレンジした特製のタレをひと塗りしております」とのこと。スタッフすら気が付かない、料理長の愛情のひと手間が感動を作っていたのだ。憎いお人だねぇ、全く。
三崎まぐろとアボカドの一口カツ
これまた大変である。刺身で食べても抜群に美味いマグロに衣を着せてサックリと揚げている。アボカドも箸で切れるような柔らかさである。ここで思い出した!今回のクラフトビールと和食 至高のペアリングは第2回「九州・沖縄編」だ。添えられた柚子こしょうマヨネーズを付けたらさぁ大変!ピリッとした辛さに酸味、そしてサクサクとした食感。宮崎日向夏ラガーをはじめ、香りの良いビールとの相性は抜群ではないか!ちょっと私…涙をぬぐってもいいですか?
大トロユッケ生ウニのせ
本鮪の大トロの引っ掻きと、生のウニと、イクラの3点盛りは、下に敷いてある特製のお醤油で「ウニ醤油」を作るように混ぜて食べるのだ。ワンタンの皮を揚げたトッピングは後半に混ぜて食感も楽しむ。
ヘリオス酒造の星空のポーターとのマッチングは絶妙!濃厚な魚卵祭りが永遠に続いて欲しいと思ったし、痛風になっても魚卵を食べたがっていた実父の気持ちに初めて共感できた瞬間だった。いや…それにしてもビールが最高に美味しいぞ!コンディション良すぎではないか。
本まぐろ中トロステーキ
誰ですか!本まぐろの中トロをサクのまんま表面焼いた最初のおバカさんは!こんなに美味しくなってしまったじゃないですか!と小芝居してしまう程。料理はシンプルで美しいと、こんなに心躍るものかと思いました。たれの生七味は京都・原了郭のもの。細かい拘りに脱帽。
もろこしと枝豆のかき揚げ
SVBのDAY DREAMで頂きました。もろこしの甘味と枝豆独特の青い香り。ゆずや山椒など、和の素材を使ったビールだからでしょうか、枝豆とビールでどんちゃん騒ぎをしている田舎でのお盆を思い出しました。大豆・枝豆の香りとビールは合わないと言われる方がいるかもしれませんが、私が日本で過ごした夏休みの記憶は、確かに枝豆や茹でたトウモロコシを肴に美味い美味いとビールを飲む親戚の日本人の大人たちなのです。ちなみに生まれてこの方、一度もパスポートを取得したことはありません。
熟成塩漬けまぐろ
塩で水分が上手に抜け、脂と共にマッタリとした食感。薬味を包んで食べてもまた楽しい逸品。
まぐろ胃袋ねぎポン酢
コリコリとした食感もいいが、薬味やポン酢の香り酸味が嬉しい。飲みの後半に頼んで正解だった気がする。脂も油も食べたので口の中をサッパリさせてくれた。
SVBのJAZZ BERRYと合わせたのだが同伴者曰く「これはラズベリービネガーになるから合うんだね」と。なるほど!!当会代表藤原の監修でも合わないものがあるのかも?と疑ってかかっていたのだが、ラズベリービネガーでした。美味しかったです!へんへん!ちょっと悔しい。
鰻と揚げたて厚揚げ石焼玉子とじ
かば焼きのタレというよりは、粉山椒とJAZZ BERRYの香りのハーモニーが好きでした。このフワッフワでトロットロの卵の火の通し具合は絶品!鰻の下に隠れているフワンフワンの厚揚げも、トロリントロトロの茄子も、職人の技を感じる絶品でした!
料理長の推しペアリングは?
「(推しは)今回の為に考案したメニューである、宮崎日向夏ラガーに合わせるための二品『恵鯛と塩漬けマグロの握り』と『三崎まぐろとアボカドの一口カツ』です。若い人たちが日向夏、日向夏と言うものでどんなもんかなと試してみたら、なるほど美味しかった(笑) この中では星空のポーターも好きですね」と。
懇切丁寧に料理のことをお話頂き、ありがとうございました。
また石田主任、何から何まで丁寧にご説明頂きまして、ありがとうございました。
検証結果
手間をかけ、愛情をかけてつくられた和食と、最高のコンディションで出されるビールは、味の好みはあるにせよ本当に合うんだ…と判りました。
藤原先生、疑いをかけまして申し訳ございませんでした。
どうぞ皆様も、まぐろ問屋の本気の美味い料理を召し上がりに、「まぐろ問屋十代目 彌左エ門 秋葉原アトレ2店」へ足を運んでみてください。そして、ペアリングシートを眺めつつ、好みのクラフトビールでペアリングをお楽しみくださいませ!
あ!ビールの写真載せてなかった!
ビアジャーナリスト失格でございます。シュン…。
詳細につきましては、ビアジャーナリスト・木暮亮氏と佐藤翔平氏の記事をご参照ください。
<木暮氏の記事>
ビールがもっと楽しくなる至高のペアリングを体験! 【藤原ヒロユキ監修 クラフトビールと和食 至高のペアリング体験レポート】
<佐藤氏の記事>
二人の料理人が本気でベスト3を選んでみた‐至高のペアリング@十代目彌左ヱ門 編‐
*取材当日は門司港地ビール工房の門司港驛ビールが品切れであったため、ペアリング調査することができませんでした。申し訳ございません。
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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。