ビア女の酒場放浪記(40)沖縄の大自然を感じるビール「南都酒造所 OKINAWA SANGO BEER」
前回の旅では沖縄の海を眺めながらのリゾートビールをご紹介しました。
でも沖縄の魅力ってシーサイドだけじゃない。
鍾乳洞や原始の森も素敵なんです。
おいしいビールと大自然を求めて「おきなわワールド」内にある「南都酒造所」を旅しました。
バスを降りると亜熱帯の森がお出迎え
那覇市内から車で30分。
路線バスなら那覇バスターミナルから83、54番バスで60分の「玉泉洞バス停」下車。
まず向かったのは「おきなわワールド」の向かいにある「ガンガラーの谷」。
鍾乳洞が崩壊してできた谷に広がる亜熱帯の森で、一歩足を踏み入れるとジャングルにいるかのような南国の植物が生い茂り、濃い緑の香りに包まれました。
古くから信仰の対象であった鍾乳洞、森の守り神のような大主(ウフシュ)ガジュマル、2万年以上前の人々の痕跡が残る洞窟など、異世界のよう。
こんな沖縄があるとは知りませんでした。
思いっきり大自然のパワーを浴びて、元気が湧いてきます。
沖縄のサンゴが育んだ水で仕込まれるビール
「ガンガラーの谷」から数分歩くと「おきなわワールド」に到着。
国内最大級の鍾乳洞「玉泉洞」や、琉球王国城下町を再現したエリアや、ハブ博物公園、スーパーエイサー広場など、沖縄の自然と文化が一度に楽しめるテーマパークです。
お目当ては施設の一角にある「南都酒造所」。
ハブ酒やフルーツリキュールでも有名です。仕込み中のハブ酒も見れちゃいます。
ここで造られるビールは「OKINAWA SANGO BEER」。
「南都サンゴ地ビールニヘデビール」が2016年10月にリニューアルしたものなんです。
なぜサンゴビールという名前になったのでしょう?
ブルワーの津波古 貢(つはこ みつぐ)さんにお話を伺いました。
「仕込み水に、珊瑚を主成分とした琉球石灰石でできた鍾乳洞『玉泉洞』の地下100mから汲み上げられたコーラルウォーターを使っているんです。コーラルウォーターは、カルシウムやミネラルが豊富なんですよ」
鍾乳洞は30万年前からの自然の営みによってできたもので、鍾乳石は現在も3年に1mmというスピードで成長中。
太古の昔からの贈り物。ロマンがありますよね。
使用するホップも種類を増やし、製造能力も80klから120klに増量。
ラベルのデザインも一新されました。
シンプルでかすれたようなロゴはクラフト感が出ています。
「前身であるニヘデビールはインターナショナルビアカップやワールドビアカップなどの国際的なビアコンペティションで数々の賞を受賞しており知名度もありましたが、よりグローバルに沖縄の魅力を知ってもらいたいと、“OKINAWA SANGO BEER”にリニューアルしました。これから沖縄以外の方にも知ってもらいたい。ビールのイベントにももっと参加できたらと思います」
リニューアルされた「アルト」は6月に恵比寿ガーデンプレイスで開催されたアジアビアカップ2017で銀賞を受賞しました。
ニヘデビール時代に培った技術をさらにブラシュアップしたビールは、早くも高評価のようです。
夏の渇きを癒す爽快なビールたち
定番ビールは4種類。シーズナルのビールも造られており、醸造所に隣接する「地ビール喫茶」で出来立てのビールが頂けます。
沖縄の古民家風の入り口。青い空が良く似合います。
もう我慢できません。早速テイスティングしてみましょう。
IPA(アイピーエー):柑橘系ホップの苦味。べとつかず軽やかに飲める。
ALT(アルト):カラメルのような麦芽の甘みとホップの苦味が好バランス。
K ÖLSCH(ケルシュ):白ワインを連想させるフルーティーさで軽い口当たり。
BLACK ALE(ブラックエール):ビターチョコレートのような香ばしさ。ホップがキリリと引き締めている。濃色なのに軽い飲み口。
「お客さんはここにクラフトビールがあると知らずにいらっしゃる方がほとんどです。そしてうちのビールを飲んで驚かれる。“ビールとはこんなに味の幅が広いのか”と。海外からのお客さんも多いんですよ」
と南国らしく日に焼けた、人懐っこい笑顔を見せる津波古さん。
カラッカラに晴れた空の下。
遠くにエイサーの掛け声と太鼓の音を聞きながら頂く新鮮なビール。
もう飲む手が止まりません。
締めに、沖縄らしいユニークな軽食を頂きました。
ハブエキスの入った「ハブカレー」
タコス風沖縄そば「まんちゃー麺」
森とサンゴと長い年月が生んだ水によって造られるOKINAWA SANGO BEER。
ダイナミックな自然と、沖縄の文化を感じるビールでした。
ガンガラーの谷
沖縄県南城市玉城字前川202番地
http://www.gangala.com/
おきなわワールド
沖縄県南城市玉城字前川1336番地
http://www.gyokusendo.co.jp/okinawaworld/
南都酒造所 地ビール喫茶
http://www.nantosyuzo.com/
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。