リニューアルから半年「ザ・プレミアム・モルツ」のその後を聞いてみた!
今年の3月に「ザ・プレミアム・モルツ(以下、プレモル)」を、4月に「ザ・プレミアム・モルツ<香る>エール(以下、<香る>エール)」をリニューアルしたサントリービール株式会社。ビール市場が前年比(1月~8月)98%程度(※1)と推定されるなかで、「プレモル」ブランドは同103%と市場・前年ともに上回る売り上げとなっています。その好調の理由を聞いてみました。
※1 情報元:サントリーホールディングス株式会社
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リニューアルが新たな顧客を呼び込む!
「今回のポイントは『コクと香り』を強化したことです。『深いコク』『華やかな香り』というこれまでご支持いただいている中味特徴を追求しました。おかげさまでリピートもとても多くなっています。今回、新しく『プレモル』を飲んでくださった方、継続的に飲んでくださる方にもご支持いただき、前年を上回る結果になったと思います」と話すのはサントリービール株式会社プレミアム戦略部課長の皆福哲哉氏です。
そして、「プレモル」の好調には「<香る>エール」が関係していました。
「料飲店でのお取り扱いが昨年末までに約7000店でしたが、8月末までに約8000店まで増えてきています。現在、月に約200店のペースで増えています。特に料飲店様向けの樽生が伸びており、イタリアンやバルといった女性が多く集まる業態や食にこだわる若手のオーナー様に支持されています」と人気の高まりが好調の要因となっています。
「ジャパニーズエール」ジャンル確立を目指して
「<香る>エール」について詳しく聞いてみました。
「デザインには鮮やかな『スカイブルー』を採用しました。2014年の発売開始時は紺色で高級感を出し、プレミア感を強調しました。『フルーティーな味わい』と『爽やかな香り』が特徴なので、今回思い切って開放感を感じさせる色を取り入れました。お客様からも料飲店様からもとても好評でした。CMでも『プレモル』をベースに水原希子さんの魅力で違いを表現しています」と同ブランドの位置づけを意識させながらもかろやかさのある「<香る>エール」独自の魅力をしっかりと表現しています。
「『ジャパニーズエール』というカテゴリーを提案したいと考え、つくり上げた商品です。伝統的なエールビールは香りが豊かで個性的なものも多いですが、私たちが考える『ジャパニーズエール』は食事との相性を考えています。日本ならではのエールビールを築いていくにはここが重要と考えています」とブームではなく、カルチャーとして進化させていきたいという想いを教えてくれました。
「でも、まだまだこれからです。これからも進化を続けていきますので、期待していてください」とのこと。
きっかけは趣向の多様化とあのビールの登場
「プレミアムビールやクラフトビールに注目が集まるなど、お客様の味わいに対する嗜好がますます多様化してきました。プレミアムビールのリーディングブランドとして、『プレモル』がもつ個性を活かしながらさらに進化させる必要がありました。前回リニューアルから5年が経過したことやプレミアムビール市場の活性化という目的もありました」とタイミングについて話します。
また、あるビールの登場も影響したといいます。
「2015年に発売を開始した~ザ・プレミアム・モルツ~『マスターズドリーム』です。この商品の開発過程では様々な技術革新がありました。今回、ここで培った技術を取り入れ、香りとコクをより引き立てることができました」ときっかけを語ります。
グラスに注いで、ゆっくりと楽しんでほしい
より美味しく飲むポイントについて聞いてみました。
「ゆっくりとした時間のなかでお楽しみいただきたいので、グラスに注いで飲んでいただきたいですね。泡はうまみを閉じ込める役割があります。香りとコクが特長のビールですので、泡をしっかりつくることで美味しい状態で長く楽しめます」とのこと。また、料飲店では専用のグラスを導入しているところもあります。ぜひ、その違いを確かめてみてほしいと思います。
おススメのペアリングについては「『プレモル』はボディがしっかりとしていますので、お肉料理全般をおススメしています。『<香る>エール』はフルーティーですが、後味がスッキリとしているので、魚料理やパスタをおススメしています。あと、意外に思われるかもしれませんが、お寿司にも合いますよ」と教えてくれました。
「飲んでいただきたいシーンはやはり週末ですね。金曜日の夜の豊かな食卓に添えてゆったりとくつろぎながら楽しんでいただけたらと思います。他には自分へのちょっとしたご褒美として、1週間頑張ったとか仕事がうまくできたとかのときに飲んでいただけたら嬉しいですね」とご褒美ビールとして楽しんでほしいとのこと。
つくり手の思いが届くビールへ
プレミアムビール市場を牽引してきた「プレモル」。今後はどのようなブランドに育てていきたいのかを訊ねました。
「作っている農家さんの顔が見える野菜のようにつくり手のこだわりが伝わるビールにしたいです。日本酒やワインはつくり手を身近に感じやすいですが、ビールはつくり手である醸造家がものすごく手間をかけて開発し製造しています。そのことを知ってほしくて作ったのが、~ザ・プレミアム・モルツ~『マスターズドリーム』です。『プレモル』も同じ考えでつくっています」とつくり手の思いをもっと感じてほしいという願いからCMに醸造家を登場させています。
「『プレモル』は醸造家が世界最高峰のピルスナービールをつくりたいという夢から誕生したので、やはり世界で最も愛されるピルスナーを目指したいです。将来、日本を代表するビールといえば『プレモル』だといわれるようにしたい。それは単に売り上げだけではなく、醸造へのこだわりや美味しさなどブランドとして日本を代表するビールだと評価していただけるよう、さらに品質を高めていきたいと考えています」と展望について語ります。
発売開始から15年目を迎え、プレミアムビールというカテゴリーを牽引してきました。そこには美味しさの追求だけではなく、ビールに対する新たな価値作りへの挑戦がありました。3年後にはオリンピックでは海外から多くの観光客が予想されます。そのとき「プレモル」はどんな評価を得るのでしょうか。いまから楽しみです。
◆ザ・プレミアム・モルツホームページ
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。