[イベント,コラム]2017.11.3

ヤッホーブルーイング・日本政府主催レセプション参加で考える「日本らしさ」<後編>

年9月18日、第72回国連総会にあわせてニューヨークで開かれた日本政府主催のレセプション「Taste of Japan ─ Endless Discovery」で、ヤッホーブルーイングが定番4種類を提供。後編は、ヤッホーブルーイングの海外展開状況を紹介します。<レセプションの様子は前編記事参照

日本では「よなよなエール」、ニューヨークでは「水曜日のネコ」

「今回レセプションに参加した際、ニューヨークで弊社のビールを売っている酒販店を回ってみました」と、「よなよなエール広め隊(広報担当)」の根来桜さん。日本とは異なる販売展開に驚いたといいます。日本では出荷・露出ともども「よなよなエール」が突出しているのに対し、ニューヨークでは「水曜日のネコ」と「東京ブラック」の2種類、または水曜日のネコのみが扱われていたとのこと。

「水曜日のネコは、とりわけイラストのデザインに面白味を感じてくださっているようです。海外消費者の受け取り方が私たちの想定とは異なることがわかったことも、収穫のひとつでした」(根来さん)

ヤッホーブルーイングの定番4銘柄。左から「よなよなエール」「インドの青鬼」「水曜日のネコ」「東京ブラック」

海外展開の鍵は「日本らしさ」の演出

現在、ヤッホーブルーイングは国内での流通に力を入れており、クラフトビールメーカーとしてトップクラスの流通量を誇ります。クラフトビール販売に好意的なローソン、イトーヨーカドーのほか、イオンが全国展開に本腰を入れているとのこと。

では、現状の海外展開はどんな状況でしょうか。よなよなエール広め隊の原謙太郎さんによると、「ディストリビューター経由のため正確な輸出国数は把握しきれていない」とのことですが、特に米国西海岸、台湾を中心にアジアや欧州など十数ヶ国で販売しているといいます。ヤッホーブルーイング全体の出荷量に対し、輸出の割合は1%程度とのこと。

「米国はクラフトビールの先進国なので、日本から持って来た高額なビールを選んでもらうには、強い理由が必要です。味だけに焦点を当てると、現地に安くてクオリティの高いビールがありますから。ですから、我々にはレセプションでも話題になった『日本らしさ』の要素が必要です。

根来が先ほど言ったように、米国では『水曜日のネコ』と『東京ブラック』が人気。特に『東京ブラック』は、パッケージの〝和〟の要素がわかりやすく、弊社がつくるポーターの味わいは欧米の人にも評価が高い。

現地の大手メーカーがつくるフルーツビールが人気を博す台湾では、柑橘類を思わせる香りが特徴の『よなよなエール』と『水曜日のネコ』が売れています。『インドの青鬼』は苦くて、好みに合いにくいようです。気候も大いに関係あるでしょうね」(原さん)

「よなよなエール広め隊」の3人。左から西浦憧子さん、根来桜さん、原謙太郎さん


日本では「よなよなエール」が突出した売り上げを誇っています。「現状は『いつでもどこでも手に入る』を目指し国内流通に力を入れている状態ですので、残念ながら海外市場には十分な手が回っていません。しかし、今回のレセプションへの参加は、『ヤッホーブルーイングが提示する日本らしさ』や、海外への戦略を考えるいい機会になりました」と原さん。

日本が誇る国内産クラフトビールが、今後も海外でより多くの人に飲まれることを願ってやみません。

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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