[ビアバー]2018.4.5

板橋「IBU(Itabashi Brewers Unit)」 和の食材とビールのペアリングを楽しもう!

江戸時代、板橋は「板橋宿」と呼ばれた江戸の玄関口の一つであり、中山道六十九次の宿場町の1つとして栄えていた街です。現在は池袋、新宿、渋谷、東京など都内の要所にアクセスしやすい住宅地であり、 飲食店や企業の事務所も多い、商業も盛んな土地です。「IBU(Itabashi Brewers Unit)」は、板橋で2017年12月20日にオープンした醸造所併設のブリューパブです。オリジナルビールを造られるのはもう少し先ですが、ビールと料理のペアリングを楽しめる素晴らしいお店ですので、紹介いたします。

IBU(Itabashi Brewers Unit)外観

ブリューパブ IBU(Itabashi Brewers Unit)

「IBU(Itabashi Brewers Unit)」は、JR埼京線「板橋駅」より徒歩3分、都営三田線「新板橋駅」より徒歩5分、東武東上線「下板橋駅」より徒歩3分ほどの住宅地の中にあります。「Itabashi Cask Village」というブリューパブ、テイスィングルーム、ワインバー、宿泊施設などが集まった建物1階の1店舗が、「IBU(Itabashi Brewers Unit)」です。店内はカウンター席が14席、テーブル席が34席と広々としており、どちらに座っても落ち着いてビールを楽しめるでしょう。外にはテラス席が6~8席あり、暖かい季節であれば外でビールを楽しむこともできます。テラス席のみ犬連れも可能です。

店名の由来

ビール好きの方が「IBU」という言葉を聞くと「国際苦味単位」を思い浮かべるでしょう。店名の由来が気になりましたので、伺いました。「板橋(Itabashi )のビール醸造(Brewing)/醸造家(Brewer)」からIBの2文字、さらにプロやアマ問わず、ビール好きが集まり何かをしたい、みんなで楽しみたいという想いから「ユニット(Unit)」のUの1文字を合わせ、「IBU(Itabashi Brewers Unit)」にしたとのことです。素晴らしい想いの込められた店名ですね。

ビールと料理のプロフェッショナル達

店長の「高野 恭平」氏は10年の修行経験を持つ割烹料理の板前、副店長の「江口 奈々」氏はビアコーディネイター&ビアテイスター&ビール醸造などビールに関するプロフェッショナル、フレンチ&イタリアンで20年以上の経験を持つシェフ「小林 圭介」氏など、ビールと料理に精通したメンバーが揃っているお店です。

(左)店長「高野 恭平」氏 、(右)副店長「江口 奈々」氏

多様かつ多数のビール、最適な状態での提供、そして気配り

ビールのタップは22個。通常は12~14タップを繋ぎ、残りのタップは今後醸造されるオリジナルビールやイベント等で特別に繋ぐことを考慮し、空けているとのことです。繋がれているビールについてはIBUのFacebookをチェックすると良いでしょう。ビールの劣化の要因である温度変化への対応もしっかりしており、海外ビールの輸送にはリーファーコンテナ(温度管理が可能なコンテナ)を使用し、空冷式ビールサーバー(サーバー内にビール樽を入れ、タップへ繋がるホース含めて冷却する方式)を用いて提供するので、最適な状態で品質の良いビールを飲めます。タップの上に設置されたモニタには、繋がれているビール銘柄・スタイル・ブルワリーが表示され、紙のメニューにはさらに料理との組み合わせのアドバイスも記載されています。そのため、ビールに詳しくない方でも安心です。もし、迷いましたら、どのビールがどの料理に合うかを相談すると良いでしょう。

写真提供:IBU(Itabashi Brewers Unit)、22個のタップ

料理とのペアリングを考慮したビール選び

これだけタップ数が多いと、繋ぐビールをどのように選んでいるかが気になりますよね。ビールのスタイルや銘柄は、料理との組み合わせを考慮し、「江口 奈々」氏をはじめとしたビール担当が選んでおります。特に魚料理が素晴らしいお店ですので、新鮮な魚料理とペアリングできるビールが多い傾向にある印象です。その中でおススメしていただいたビールを1つ紹介します。それは、イタリアの「Birrificio del Ducato(ビリフィーチョ・デュカート)」の銘柄「コウジ・リソ」です。黒麹・白麹に加え、米を使った珍しいビールで、弱い炭酸やほのかな酸味と香りが新鮮な魚料理にあいます。「コウジ・リソ」はほぼ定番で繋がっていますので、訪れた際に試してみてはいかがでしょうか。

Birrificio del Ducato 「コウジ・リソ」

和の食材、旬の季節料理

料理のコンセプトは、和の食材を洋風にアレンジした「和食」、ビールに合う旬の季節料理のペアリングを堪能できます。食材についてもこだわっており、魚は神奈川県三浦半島より毎日直送の新鮮なものを仕入れ、野菜は近隣の板橋で育ったものを主とし、お米は「高野 恭平」店長の地元である新潟県南魚沼産コシヒカリを使っています。特に魚については、その日に獲れた魚を使うので、当日にならないと種類は分かりませんが、板前「高野 恭平」氏やシェフ「小林 圭介」氏の料理の腕により、素敵な料理として提供されます。それでは、素敵な料理の一部を紹介いたします。

フィッシュ&チップス

ビールとの定番料理といえば、フィッシュ&チップス。ただし、白身魚のフライとフライドポテトではなく、「IBU(Itabashi Brewers Unit)」の「和」へのこだわりが反映されております。フィッシュは旬の魚、チップスは芋類ですが、里芋や新じゃがなど季節に応じたものが使われます。それを山椒塩、抹茶塩など三種類の塩とあわせて美味しくいただきます。

IBU版フィッシュ&チップス

握り寿司

新鮮な魚の楽しみ方といえば、寿司があります。魚の種類が何になるかはその日の仕入れ次第ですが、一匹丸ごとの単位で仕入れた魚を捌くので、新鮮でネタも大きいです。それを南魚沼産コシヒカリとともに握った寿司は、まさに絶品です。

握り寿司6貫

ビールと食を体験し、楽しめるイベント

通常営業以外にイベントも行われています。筆者は2018年03月04日に開催した「兵庫県 室津 津田宇かき 〜With クラフトビール&ウイスキーの魅惑のマリアージュ〜」に参加する機会がありました。はるばる兵庫県から「津田宇かき」の生産者を招き、津田宇かきの説明や牡蠣剥きの体験会が行われました。生牡蠣以外には津田宇かきを活かした牡蠣料理2種、牡蠣とペアリングするビール4銘柄がイベント用にラインナップされていました。いずれも牡蠣とビールの組み合わせは最高、まさにマリアージュでした。今後も様々なイベントを企画されているので、IBUのFacebookを定期的にチェックすると良いでしょう。

「兵庫県 室津 津田宇かき 〜With クラフトビール&ウイスキーの魅惑のマリアージュ〜」イベントにて

オリジナルビールの醸造へ

オリジナルビールは、併設の醸造所「Tokyo Aleworks」にて今後醸造される予定です。最初にリリースするビールは、和をイメージした茶(緑茶や焙じ茶など)を用いたビールを2つ、スパイスエールを1つの合計3つのスタイルを予定していると伺いました。なお、リリース予定時期は早くても4月末以降とのことで、もう少し先になります。また、一般人向けにもビール醸造体験をできる場を提供する計画もあるそうで、ビール文化を広める面でも、活躍が期待できる醸造所です。

整備中の醸造設備

筆者は今後、併設の醸造所「Tokyo Aleworks」で造られたビールと、「IBU(Itabashi Brewers Unit)」の料理とのペアリングを堪能することを楽しみにしております。「IBU(Itabashi Brewers Unit)」は和の食材をテーマとした料理へのこだわり、そして最高のペアリングを提供するビールへのこだわりも素晴らしいお店です。是非、訪れることをおススメします。

この記事が素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。


IBU(Itabashi Brewers Unit)

東京都板橋区板橋1-8-4

月~金・土日 11:30-23:00 (定休日なし)

http://ibu.itabashibrewing.com/

https://www.facebook.com/IBU.ItabashiBrewersUnit/

ビアバーブリューパブペアリング醸造所

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

Atsushi Taguchi(田口 篤史)

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビール大好き!ビールを求めドイツやベルギーを中心にヨーロッパをよく旅していました。
世界にも日本国内にも、素敵なビールはまだまだたくさんありますので、巡りたいところは尽きません。
ビールの素晴らしさ、楽しさを多くの人に伝えていきたいと思います。
Enjoy!Beer!

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