[イベント]2018.4.9

リオ・ブリューイング クラウドファンディング大詰め

 3月13日、品川にほど近い五反田にRIO BREWING & CO. (以下、略称RIO)が東京醸造所をオープンさせた。
その時はまだ免許が下りていなかったため、醸造はまだ始まってはいなかったが、既にその時計は時を刻み始めていた。
オープンしたてのとき、そのTAPはベルギービールで独占されていた。もちろん、一昨年六本木にオープンさせたビストロガーデンと同様、初陣三種―初陣、初陣柚子、初陣柚子ブロンド―が最高の状態で提供されている。平日の15時オープンというのに近隣住民やビール好きで店内はにぎわっている。これはまだ醸造が開始されていないことを考えれば異例ともいえよう。確かにベルギービールは美味しい。しかし、彼らは自分たちで醸造を開始するというクラウドファンディングをスタートさせたばかり。美味しいことで定評のあるベルギービールだけではなく、自分たちの手でビールを醸造し始めようというのだからさぞかし不安なことだろうとスタッフの顔を見る。誰もが明るく輝いている。自信をもって作業に当たっている者、不安げながらも先輩の言葉を細大漏らさず吸収しようとしている者…。その誰もが自分たちが新しい歴史を紡ぎ始めたことが誇らしくあるようだ。
 実は東京醸造所オープンの同日、同じ敷地内にもう一つの店舗が開店した。BUTCHER NYC UNITED だ。17時のオープンに伴いぱらぱらと入店がある。系列店の常連たちに交じってパラパラと近隣住民と思われる人たちが入ってくる。こちらもあっという間に満席だ。こちらの店舗はアメリカンスタイルが発祥ということでアメリカのクラフトビールがTAPで提供されている。各々の肉やビールでペアリングを愉しむさまは見ていても気持ちがいい。ああ、こうやって美味しいビールを飲める店が地域に根差していくのだなぁと実感。
そして、気が付いた。この人たちは今は世界の美味しいビールを愉しんではいるが、東京醸造所の醸造が始まってからは「地元のビール」を飲みに来ようと思っているのではないか。店長兼醸造長の須藤聡(あきら)さんによると5月には醸造を開始して、6月に入ってから提供の予定だという。今からその時を待ち望んでいるファンは来店数よりはるかに多い。

さて、クラウドファンディングのほうはというと、当初のゴール300万円を軽くクリア。ストレッチゴールとして設定した500万円すらもクリアし、当初の目標のダブルスコア目前だ。残りはあと数日だが、2度目のストレッチゴールの750万円をも手中に収められるのではないかという勢いだ。これはRIOへの期待が店舗としての成功ではないことを物語っていることの好例だ。新しいクラフトビールの醸造所として、あるいは地元の新しい自慢の種を作り出してくれる存在としての期待値がダブルスコアの先に見える。
ベルギービールから始まったRIOの船出は醸造という新たな大海をどう進んでゆくのか目が離せない。

■RIO BREWING & CO.東京醸造所
住  所 東京都 品川区西五反田1-15-6
電  話 03-6420-0686
営業時間 月火:15:00-23:00
     水木金:15:00-24:00
     土日祝:15:00-23:00

■RIO BREWING & CO.東京醸造所 クラウドファンディング
世界10ヶ国展開のファントムブルワリー【リオ・ブルーイング】が東京に醸造所開設!

RIOエバーブルーリオ五反田

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

川端 ジェーン

ビアジャーナリスト

ベルギービールをこよなく愛しています。笑顔でビールを酌み交わせば世界平和は実現すると考えています。ビールが好きすぎてたまに他人と知人の境目がなくなってしまいます。ビールの美味しいお店で見ず知らずの人に話しかけていたら、それは私かもしれません。
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