[ブルワー]2018.4.25

「SHIKI BEER」 ~人・暮らし・地域を繋げて、自分たちの街を共に盛り上げる~

志木市は埼玉県南西部に位置し、古くは新河岸川の舟運により商業が栄えた地域です。現在は、都心へのアクセスも良く、東武東上線 志木駅周辺は商業地域、近郊は住宅地として発展しています。また、志木市内には新河岸川と柳瀬川、東には荒川が流れており、水と緑が多い住みやすい街でもあります。その志木市にビール醸造所「SHIKI BEER」が、2018年4月15日に正式オープンしましたので、紹介いたします。

SHIKI BEER

「SHIKI BEER」とは、醸造家「矢野 利治」氏が代表する「株式会社Y.craft」のブランドです。2018年1月に醸造免許を取得、2018年3月2日から試験的な営業を行い、2018年4月15日に正式オープンしました。醸造所の場所は東武東上線 志木駅東口から、バス(志木駅-宗岡循環)で約10分の「上宗岡二丁目」を下車して徒歩1~2分の所にあります。かつては、学習塾として使われていた物件が、現在は醸造所に活用されています。醸造所への改築工事は、元々は建築士やインテリアデザイナーをされていた「矢野 利治」氏自身によるものです。手作りのタップルームの奥には、発酵タンクや煮沸釜など醸造設備が設置され、扉の合間から見ることができます。

発酵タンク設置スペースより、発酵タンクとケグ

SHIKI BEERのビールラインナップ

「SHIKI BEER」の醸造するビールは、ベルギーのビアスタイルが主です。「矢野 利治」氏は以前、ベルギービールの「CHIMAY BLUE」を飲んだ際、とても美味しいと感じ、ベルギービールを好きなりました。それが、ベルギーのビアスタイルを主として醸造するきっかけになったとのことです。ベルギーはビール文化が多種多様な国、そのビールを醸造する「SHIKI BEER」のラインナップも多種多様です。

ラインナップより1つ、「SAISON(セゾン)」を紹介いたします。グラスに注がれた外観は淡い琥珀色、豊かな泡立ちです。鼻を近づけると、酵母由来のフルーティな香りがします。口に含むとフルーティな風味に加え、ドライな酸味を少し感じます。なお、ホップの苦味は少ない印象です。アルコール度数はやや高めですが、非常に飲みやすいビールです。「SAISON」というビアスタイルは、ベルギーの農家が夏の農作業中に喉の渇きを癒すために飲まれたビールが由来です。これから暑くなる季節にぴったりのビールですね。

SHIKI BEER「SAISON」

他にも美味しいビールは多数ありますので、WEBサイトまたはFacebookを確認し、醸造所のタップルームやイベントを訪れ、味わってください。

ビールラインナップ(2018年4月24日現在)、最新はWEBサイトをご確認ください。

・SAISON (準備中)
ABV 6.5%, IBU 20, EBC 10

・ABBEY DOUBLE (準備中)
ABV 6.4%, IBU 26, EBC 24

・DOUBLE BITTER (準備中)
ABV 6.3%, IBU 30, EBC 7

・BLACK SAISON
ABV 5.5%, IBU 46, EBC 154

・BROWN ALE
ABV 5.8%, IBU 63, EBC 95

・PALE STRONG ALE (2018年11月発売予定)
ABV 8.0%, IBU 20, EBC 7

・DARK STRONG ALE (2018年11月発売予定)
ABV 9.0%, IBU 21, EBC 89

用語補足

ABV(Alcohol By Volume):アルコール度数

IBU(International Bitterness Units):国際苦味単位

EBC(European Brewery Convention):ビールや麦芽の色(色度数)

醸造家の想い

醸造家「矢野 利治」氏に「SHIKI BEER」の”想い”を伺いました。

麦酒を通して、共にたべる・暮らす・地域・経済が楽しく循環してゆけること

人・暮らし・地域を繋げて、自分たちの街を「SHIKI BEER」と共に じゃんじゃん盛り上げていく

筆者は数回タップルームに伺い、近隣の住民やビール好きの方が多く訪れ、賑わっている印象を持ちました。手作りのタップルームは、「SHIKI BEER」のビールを飲みつつ、「矢野 利治」氏や地域の人々と楽しくコミュニケーション出来る空間になっています。まさに、人・暮らし・地域を繋げる場の1つです。

「SHIKI BEER」のビールには、オレンジピール(ミカンの皮)が使われており、そのもととなるミカンは自家栽培の甘夏を使っています。無肥料かつ、虫も手で取り除くなど、食の安全に配慮されて栽培された甘夏、皮むきから干す作業も自ら行うなど、手間をかけて作られた原材料です。いずれはビールの原材料全てを、近くで収穫された安全なもので賄いたいとのことです。醸造の工程で発生したモルトカスも、近くの牧場の牛の餌として活用され、地域との循環の一部となっています。

「SHIKI BEER」では、「矢野 利治」氏の”想い”が様々な形で反映されているのを感じますので、醸造所に訪れることをおススメします。

この記事が素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。

SHIKI BEER「BALCK SAISON」とタップルーム壁面 親しみを感じる空間


株式会社Y.craft / SHIKI BEER

埼玉県志木市上宗岡4丁目6-27-133

https://www.facebook.com/ycraft.co.jp/

http://shikibeer.jp/shikibeer/About_Me.html

醸造所タップルームの営業時間はWEBサイトより、「タップルームのご案内」参照

 


《JBJA主催イベント》
世界に伝えたい日本のブルワリー (セカツタ2018)
2018.4.28(sat)@ベルサール高田馬場大ホール
☆チケット購入者にはテーブルとイスがご利用いただけます。
同時開催中の新酒解禁祭りで購入したビール・食事の持ち込み自由。
チケットサイトはこちらから(前売券1,900円・当日券2,000円)

SHIKI BEERタップルームブルワー醸造所

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

Atsushi Taguchi(田口 篤史)

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビール大好き!ビールを求めドイツやベルギーを中心にヨーロッパをよく旅していました。
世界にも日本国内にも、素敵なビールはまだまだたくさんありますので、巡りたいところは尽きません。
ビールの素晴らしさ、楽しさを多くの人に伝えていきたいと思います。
Enjoy!Beer!

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