[コラム,ビアバー]2018.5.19

量り売り専用機で新鮮なビールを自宅で楽しめる! 【TAP&GROWLER-Fresh Craft Beer-】

アメリカでは日常的なビールの量り売り。日本でも少しずつ広まってきています。なんといっても好みのビールを欲しい量だけ購入し、自宅やパーティーで楽しむことができるのが魅力。そんな量り売りのお店「TAP&GROWLER-Fresh Craft Beer-(以下、TAP&GROWLER)が3月22日、下北沢にオープン。どんなお店なのか訪ねてみた。

劣化を防ぐ専用の機械で新鮮なビールを

小田急小田原線、京王井の頭線下北沢駅から徒歩3分。「ビアバーうしとら弐号店」にほど近いところにお店はある。

路地奥ある「TAP&GROWLER」。ちょっと奥まっているところにあるのが、隠れ家っぽくていい。

店内に入って1番目を引くのが量り売り専用のビン詰め機。日本では馴染みがないため、「初めて来店する人はみな興味を示します」とは、代表の金井氏。この機械とっても優れもので、グロウラー(ビールを入れるボトル)の中の空気を入れ替えながらビールを入れていく。「当店では、二酸化炭素と窒素に入れ替えて提供しています。それと圧力をかけながららせん状にビールを入れていくので、泡立ちにくく詰めることができます。そのために幅が広いこのグロウラーを採用しています」。タップから入れると劣化の原因となる酸素に触れてしまうが、この機械を使うことで、酸素に極力触れないで詰めることができるので、新鮮な状態で持ち帰ることが可能だといいます。

ロシア製で、手元のスイッチで充填するビールが変更できるようになっている。

とはいえ、「何回も開けたりしていると炭酸が逃げてしまいますし、酸素にも触れて劣化してしまいます」。美味しく飲むためには購入後、早めに飲みきるようにしてほしい。

二酸化炭素と窒素を混ぜるブレンダー。二酸化炭素と窒素の割合が3種類選べるので、「ビールのスタイルによって配合を変更しています」。

グロウラーは1.8Lと0.9Lの2種類を用意。1人で楽しむのであれば、小さいサイズで十分。ちなみに蓋は「汚れたり、劣化したりするので、別売りにしています」とのこと。

ビール料金は、0.9Lで1,490円(税込)~と1.8Lで2,890円(税込)~。

また、12時間保冷可能な魔法瓶タイプ(1.9L 16,500円 税別)も販売している。

別売りの蓋(8,000円 税別)を購入すれば簡易サーバーにもなる。BBQなど夏のレジャーにもっていけば、注目を集めること間違いなしのアイテムだ。

デイリーな飲み物として気軽に

なぜ、量り売りをしようと思ったのだろうか?

「まず、環境に優しいことですね。それとビールはデイリーな飲み物と考えています。地域の人たちに毎日、美味しいビールを飲んでほしく、缶やボトルにかかる費用がなくなればもっと安く提供できると思いました」。

環境面への配慮やコスト面から価格が割高になるクラフトビールをより飲みやすく提供したいという思いから量り売りというスタイルを取り入れました。

バックパッカーとして世界を巡っていた経験をもつ金井氏。海外での生活に関心のある方は飲みながら話を聞いてみるのも楽しいだろう。【写真提供:TAP&GROWLER】

現在は16Tap(最大20Tap)。金井氏が自ら飲んで、「美味しい」と思ったビールを揃えている。下北沢には「ビアバーうしとら」をはじめ、クラフトビールを飲めるお店もあり、馴染みのあるお客さんが多いのかと思っていたが、「他店から紹介を受けて来られる方もいらっしゃいますが、下北沢にサブカルチャーを体験しにくる海外の方が多いです」。そうした人たちに「海外のビールよりも日本のビールを飲んでもらった方が面白いだろう」と考え、国内のクラフトビールを中心にしています。

いろいろなビールが楽しめるようスタイルは幅広く揃えている。

地域のコミュニティスポットに

オープンして間もないこともあり、まだまだ認知度も低いと話しますが、金井氏の明るい人柄もあり、周囲のお店の方も良く訪れる。どんな風に利用してほしいかを尋ねると「地域のコミュニティスポットとして利用してもらえると嬉しいです。ビールは、気軽に飲めるのが良いところですから自由に楽しんでいってほしいと思います」と語ります。

酒屋なので、フードの提供はない(乾きもの程度はある)。「近くのお店からの持ち込みもOKです」。おススメは、近所にある『EIGHT BURGER’S』。デリバリーも可能なので、好きなハンバーガーとビールで味わうのもいいですね。

下北沢駅北口近くにある「EIGHT BURGER’S」
住所:東京都世田谷区北沢2-24-9
電話:03-5738-8069
営業時間:11:30~24:00【写真提供:TAP&GROWLER】

「まだまだ勉強不足ですが、かわいがっていただけたらと思います。将来の夢ですか? ブルワリーを立ち上げたいですね。そのためにここから実績をつくっていきたいと思います」。

下北沢に誕生したクラフトビール量り売り「TAP&GROWLER」。近隣の方はコミュニティを広げる場として利用するのもいいし、ホームパーティーやアウトドアの際に飲むビールを買いに来てもいい。遠方の方は、サブカルチャーの町を探索し、お店で渇いた喉を潤すのもいいだろう。好みのシーンで気軽に使い分けられるが魅力的です。気になる方は足を運んでみてほしい。

◆TAP&GROWLER-Fresh Craft Beer-

住所:東京都世田谷区北沢2-33-6 飯嶋ビル1F

電話:03-6416-8767

Homepage:https://www.craftbeers.tokyo/

Facebook:https://www.facebook.com/tapgrowler/

営業時間:平日18:00~24:00 /土日祝15:00~21:00 / 月曜日定休

TAP&GROWLER下北沢量り売り金井圭司氏

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

こぐねえ(木暮 亮)

ビールコンシェルジュ

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは4000種類以上(もう数え切れません)。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」「うちの逸品いかがですか?」「Beerに惹かれたものたち」「ビール誕生秘話」「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

●音声配信アプリstand.fmで、ビールに恋するRadioを配信中
PodcastSpotifyでも聞けます。

【メディア出演】
<TV>
●テレビ朝日「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
●テレビ神奈川「News Link」
<ラジオ>
●TBSラジオ「鈴木聖奈LIFE LAB~○○のおじ様たち~」
●JAPAN FM NETWORK系列「OH!HAPPY MORNING」
<雑誌>
●週刊プレイボーイ(2019年2月11日号、2020年12月28日号、2022年12月12日号、2023年10月9日号) ●DIME(2019年4月号)●GetNavi(2020年2月号) ●週刊朝日(2020年6月12日増大号)●食楽(2020 SUMMER No,116)●週刊大衆(2021年4月19日号、2021年7月12日号、2022年6月20日号)●BRUTUS(944号 2021年8月15日号)●東京人(no.463 2023年3月号)●BRUTUS特別編集 増補改訂版 クラフトビールを語らおう!
<Web>
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