[イベント,コラム]2018.9.14

那須の自然に触れながらゆったりと楽しむビールフェスティバル 【那須地ビール祭り イベントレポート】

今年で5回目となる「那須地ビール祭り2018」。今年も9月1日(土)から2日(日)の日程で開催。秋雨前線の影響で天気が心配されたなかでの開催となった。

少しずつ認知されてきた「那須地ビール祭り」

訪れた9月2日(日)は雲が多い天気。降水確率も50%と、雨が降り出しそうな空模様。会場に到着し、前日の様子をブルワリーの皆さんに聞いてまわると「雨は降ったり止んだり。昨日の客足はゆったりとした感じ」と教えてくれた。

奥に見えるのが会場。周囲を緑に囲まれていて、自然を感じながら過ごすことができる。

お客さんの雰囲気は、例年と同じような感じ。あとは天気が崩れることなく、多くの来場者を期待しているようだった。

主催者である「那須高原ビール」小山田考司社長にも今年の様子聞くと「おかげさまで少しずつ認知がされて、お客さんの数も増えています。今年は天気があまり良くないので、なんとか持ちこたえてほしいですね」と答えてくれた。

那須高原ビールの小山田孝司社長。

幸いにも日が差し込む時間帯もあり、日中は芝生のうえで楽しむ家族連れの姿も多く見られた。

水と緑に触れ、自然のなかでビールを満喫できる環境

会場は「余笹川ふれあい公園」。3年前の第2回から使われている。周囲には、余笹川が流れ、公園は芝生で一面覆われた場所だ。

最寄り駅はJR東北本線の黒田原駅。会場は駅から1.5kmと少し離れたところにあり、徒歩だと15~20分程度かかる。しかし、黒田原駅、黒磯駅の2駅よりシャトルバスが運行されているので、駅からのアクセスを気にする必要はない。

会場のバス乗降場。黒磯駅からの所要時間は約25分。黒田原駅からの所要時間は約10分。

会場には、大きなテントが張られ、その下は椅子・テーブル席となっている。それ以外は芝生の上に座って楽しむのが基本のスタイル。レジャーシートを用意すれば、「Sapporo Craft Beer Forest 」のように寝そべりながら過ごすことが可能だ。

公園の敷地はかなり広い。テント裏にも芝生が広がっているので、静かに過ごしたい人は離れた位置でのんびり過ごすのもいい。

来場者には、2人用テントを持ち込み楽しむ姿もあった。今年は曇天だったので、影響は少なかったと思うが、椅子・テーブル席以外は日中、日を遮る場所がないので、熱中症予防に帽子や日傘を準備しておくといい。

ブルワーとじっくり話せるのも魅力

北は「いわて蔵ビール」、南は「宮崎ひでじビール」までの17ブルワリー。関東では比較的知名度の高い醸造所が出店。

「いわて蔵ビール」の佐藤社長。期間中は仙台、池袋にも出店しており、スタッフが分かれて対応していた。お楽しみ抽選会も行われ、10枚集めると1回抽選に参加できるものであった。

新しいブルワリーでは、昨年12月に醸造免許を交付された「Nikko Brewing」の姿もあった。

「Nikko Brewing」で醸造を担当している細田氏。まだ、県内以外のイベントにはあまり出店していないので、飲むことができて良かった。

「那須地ビール祭り」は、会場が同県の宇都宮のような都市部での開催ではないため、このイベントを目的に来場する人が多い。ふらっと立ち寄る人は少ないので、ゆったりと過ごせるところに良さがある。他にもブルワーとゆっくり対話ができるのも長所の1つだ。

「山口地ビール」の山本氏。このイベントの後は、「けやきひろばビール祭り」のため、埼玉へ移動。長期間の出張、お疲れ様です。

ブルワーもお客さんと対話をしながら好みを聞き、じっくりビールの説明をしている光景が目立った。

「大山Gビール」の岩田氏。夏場のハイシーズンにも関わらず、直接、つくり手と対話できるのは、飲み手としてはとても嬉しい。

売り上げのことをいえば、一概に良いとはいえないが、つくり手と飲み手の距離が近く過ごせるのはクラフトビールイベントの良さである。

ボールパークならぬビアパークに?

「海外に視察に行ったときにビールのイベントも観に行ったことがあるのですが、家族みんなで楽しんでいる光景が印象に残っているのです」と、理想形について聞いてみるとこのように小山田社長は話す。

この話を聞いて頭に浮かんできたのが野球場だ。最近の野球場は、野球以外にも楽しめる場所や催し物が多くある。ビールイベントでも家族連れを多く見かけるし、子供が楽しめる催しを実施しているところもあるが、遊び回れるイベントはほとんどない。

開催地の事情もあるので、すべてを実現することは難しいが、「那須地ビール祭り」を開催している「余笹川ふれあい公園」には芝生も広がり、遊具もある。子供が動き回って遊べる広いスペースがあるのは、「家族で楽しめるビールフェスティバル」を目玉にするには絶好の条件だろう。

飲食店ブースの裏のスペース。

敷地はまだまだ活用できそうなので、諸条件がクリアできればキャンプを取り入れたビールフェスティバルも面白そうだ。泊まりになれば、運転をする人もビールを飲むことが可能になる。

運転手関連でいえば、「ボトル(瓶)では買えないの?」とブースで聞くお客さんが今回もちらほらいた。せっかく全国各地のビールがあるので、お土産ビールのブースを設けて、自宅でも楽しんでもらえる試みはどうだろうか。

そうした意味でも、このイベントは将来性がある。すぐに大きく変えていくことは難しいが、来年以降、どんな展開を見せていくか楽しみにしたい。

「Sapporo Craft Beer Forest 」の雄大な自然のなかで飲むビールは最高だった。しかし、那須の自然を感じながら飲むビールも最高だった。

◆那須地ビール祭り Data ※今年は終了しました

日時:2018年9月1日(土)12時~21時、9月2日(日)11時~17時

会場:余笹川ふれあい公園

主催:那須地ビール祭り実行委員会

Homepage:http://www.nasuzi-beer.com/

小山田孝司氏那須地ビール祭り

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

こぐねえ(木暮 亮)

ビールコンシェルジュ

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは4000種類以上(もう数え切れません)。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」「うちの逸品いかがですか?」「Beerに惹かれたものたち」「ビール誕生秘話」「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

●音声配信アプリstand.fmで、ビールに恋するRadioを配信中
PodcastSpotifyでも聞けます。

【メディア出演】
<TV>
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<雑誌>
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<Web>
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