[コラム]2018.10.31

【ビアライゼ】ビールの旅を計画し満喫しよう、実践例(ドイツ バンベルク)

ビアライゼ、それは美味しいビールを求めて、日本や世界各地をめぐる旅です。ビアライゼの楽しみ方の1つとして、ブルワリーやブリューパブ巡りがあります。筆者はビールを求め、ドイツやベルギーなど欧州をよく旅しています。その経験から、ビールの旅の計画と満喫の仕方、2018年にドイツの都市バンベルクを旅した際の実践例を紹介いたします。

ビアライゼを楽しむ旅行計画~旅立ち~旅行満喫

1.旅行計画を立てよう

1-1.旅の目的を確認しよう
計画を立てる際に、旅の目的、旅の中でやりたいことは何かを意識することが大事です。観光、ブルワリー巡り、バケーション、ビジネス、現地の友人や知人を訪問など、旅の目的を確認しましょう。また、個人旅行、カップル旅行、グループ旅行、家族旅行など旅行のタイプも確認しましょう。
1-2.旅行先を決めよう
旅行する国や都市などを決めましょう。その際、訪問ポイント(ブルワリーや観光名所)を、優先順位をつけてリストアップします。訪問ポイントの営業日時・開館日時などの確認も大事です。また、地図アプリなどを活用し、地図上でチェック(プロット)していくと、現地での移動時に便利です。訪問ポイント間に観光スポットがあれば、あわせて観光するなども検討できます。
1-3.旅行前の情報収集をしよう
大まかな情報は、ネットや旅行ガイドなどである程度は収集できます。また、旅行先の国、都市や訪問ポイントを旅行した方がいれば、その方からお話を聞きましょう。経験者の詳細な情報はとても役立ちますし、どの様に楽しんだのか、どうすればもっと楽しめたかの情報は有益です。もし、現地に友人や知人がいるのなら、実際に生活をしている人の視点で情報を得ることも出来るでしょう。
1-4.制限を確認しよう
旅行の制限といえば、日数と予算です。
・日数
行きたい場所が多数あっても、日数の制限で全て回れないことがあります。その場合は、旅行日数に応じて、行く場所と行かない場所を決めましょう。この時、旅の計画を立てた際の優先順位が役に立ちます。
・予算
旅行予算に応じて、交通費や宿泊費を抑えるように工夫しましょう。特に航空券は時期をずらしたり、早めの予約割引、航空会社の選択などで大幅に料金が変わることがあります。宿泊費はホテル、ドミトリー、短期アパートメントなど選択肢は多数あり、ホテルのランクでも値段がだいぶ変わります。現地で楽しむお金に、なるべく多く回せるようにしましょう。
1-5.計画をまとめよう
①~④で集めた情報・決めたことをまとめましょう。方法はメモ、アプリなどのツールなど色々あります。普段使用している、一番使いやすい方法にまとめましょう。

2.準備から旅立ちへ

2-1.旅行準備を済まそう
計画が出来たら、航空券(もしくは船のチケット)やホテルの確保、荷造りなど行います。ツアーで行く場合は、ツアーの申し込みをします。必要に応じてビザの取得、現地通貨の両替、海外旅行保険の契約なども済ませておきしょう。日本にいる時に可能な限り準備を済ませておけば、現地で楽しむ時間を多くとることが出来ます。また、体調管理に気を付けて、万全の状態で旅行できるように気をつけましょう。
現在の旅行では、スマートフォンは必須だと思います。国際ローミングやWIFI環境であれば、何処の国でもネットを使えるので、現地でのリアルタイム情報収集に役立ちます。現地でスマートフォンを使うための準備もしておきましょう。
2-2.旅立ちへ
海外の場合、パスポートを忘れずに、飛行機なら空港、船では港に行きます。旅行先に応じて移動時間に差異はありますが、目的地までの移動はゆっくり休み、現地で楽しむ体力を温存します。

3.旅行満喫

3-1.旅行を満喫しよう
旅行計画を元に、旅先の国、都市や訪問ポイント(ブルワリーなど)を満喫します。もし、現地に友人や知人がいる場合、アテンドやガイドをしてもらうとさらに楽しめるでしょう。
筆者がビールの旅で、旅先で特に気を付けていることをお伝えします。

■酔いのコントロール
ビールは、酒類の中では、アルコール度数は弱めのですが、量を飲むと酔ってしまいます。酔ってしまうと、味をしっかり感じられなくなるので、味わう楽しみが減ってしまいます。個人旅行の場合は身の安全に関わりますし、グループ旅行の場合は同行者に迷惑をかけます。そのため、酔いのコントロールは大事です。下記を気をつけましょう。

・自身のアルコール許容量を把握する
・ビールなど、アルコールを飲む量を調整する
・水を一緒に飲む
ビールと一緒に水を飲むと酔い難くなり、チェイサーとしても役立ちます。また、アルコール分解に水は必要ですので、酔いが醒めるのも早くできます。

■トイレのタイミング
アルコールは利尿作用があり、水分を多くとることでトイレが近くなります。国によってはトイレが有料(特定の硬貨が必要など)だったり、初めて訪れる人には分かりにくい場合があります。そのため、レストランや観光施設などトイレに行くタイミングには、注意を払いましょう。
3-2.帰国へ
家に帰るまでが旅行です。帰国への出発前に、飛行機や船の時間の確認、忘れ物がないかの確認をしっかりしましょう。楽しんでいる間は意識していないかもしれませんが、旅の疲れはたまっています。帰りの移動時間は、しっかり休憩し、日本到着から家までの体力を回復しておきましょう。

実践例 ドイツのバンベルク

筆者が2018年夏にドイツ南東部を旅した際、バンベルクという都市を訪れました。筆者は2日間かけて、様々なブルワリーを巡りました。そのうち、1日のルートを実践例としてご紹介します。

1.旅行の計画

■目的:ブルワリー巡り(特に小規模ブルワーで、日本で飲めないビールを楽しむこと優先)
■目的地:バンベルク、ニュルンベルクなどドイツ南東部の都市
■期間:約1週間
■情報収集
行きつけのドイツビールバーにて、情報収集を実施。店主・店員、常連客ともドイツビールに非常に詳しく、バンベルクを訪れた経験者も多いので、有益な情報を多数収集。地図アプリにプロットし、カレンダーツールで、おおよその巡るスケジュールを記入します。それをもとに、旅行計画を立てました。
■バンベルク概要
第二次世界大戦での被害もあまり受けず、昔の街並みが多く残っているドイツの都市。ブルワリーが多くある街でもあり、かつては50軒以上のブルワリーがありました。現在は、多くが閉鎖されてしまい、現在は十数軒ほどになりました。一方で、ここ近年で開業するブルワリーもあり、かつてはブルワリーだった場所を博物館やレストランとして活用されている場所もあります。ビール好きにとっては見所の多い都市であることは変わりません。

2.旅立ちへ

荷造りも早めに済ませ、航空券とホテルの手配、現地通貨を事前準備。体調管理も万全の状態で旅立ちます。ドイツのフランクフルト空港に到着後、ホテルをとっているニュルンベルクに電車で移動しました。移動の際は、ドイツ鉄道のアプリ「DB Navigator」が役立ちました。ルート案内はもちろん、プラットフォームの場所や遅延状況をリアルタイムに確認できます。到着の日はゆっくり休んで、翌日のブルワリー巡りに備えます。

「DB Navigator」フランクフルト空港からニュルンベルクまで例

3.旅行満喫

バンベルク1日のルートとして、筆者が満喫したルートを紹介します。

①Brauerei Spezial
1536年創業の歴史あるブルワリー。バンベルク駅から旧市街への途中にあります。レストラン席と中庭のテラス席があり、テラス席の奥には醸造設備が扉越しに見えます。定番はラオホビール、外観は透明感ある暗褐色、燻製麦芽のスモーキーな香り香り、風味、美味しく頂きました。

②Fassla
Brauerei Spezialの向かいにある、1649年創業のブルワリー。店内から中庭に続く廊下の絵画がきれいで、シンボルの樽を転がす小人のラベルも可愛いです。レストラン席、テラス席と宿泊施設があります。ジャーマン・ピルスナーらしい味わいのラガーをいただきました。喉越しも良く、気温があがってきた時間だったので、さらに美味しいかったです。

③(史跡)Sammlung Ludwig Bamber
バンベルクの旧市街中央を通るレグニッツ川。川の中にあるバンベルク旧市庁舎の外壁は観光名所です。美しい外壁も魅力的ですが、内部は博物館になっており、観光と酔い醒ましの休憩に訪れました。空調も聞いており、快適でした。

④Schlenkerla, die historische Rauchbierbrauerei
バンベルクといえはシュレンケルラ、シュレンケルラといえば、ラオホビール と言われるくらい有名なブルワリーの直営店です。伝統的な雰囲気の店内で、ラオホ メルツェンとSchauferla(豚肩肉のロースト)をオーダー。スモーキーなビールとともに、豪快な昼飯を味わいました。

⑤(史跡)Bamberg Cathedral
バンベルクの大聖堂です。訪れた際は、右の塔は補修中でした。内部は差荘厳な雰囲気です。外は日差しが強かったのですが、教会内は温度管理がされており、過ごしやすいです。酔い醒ましなどクールダウンも兼ね、休憩をとります。

⑥Spezial-Keller
Brauerei Spezialのケラーです。旧市街の南西の高台にあります。素晴らしい眺めとともに、ラオホビールを楽しみます。燻製麦芽のスモーキーな香りと風味が美味しいです。旧市街からのアクセスは良くないのですが、この景色、ビール、美味しい料理があるので、バンベルクのおススメのスポットの1つです。

⑦Wilde Rose Keller
旧市街の南西の高台にあるブルワリーのケラー&ビアガーデン。オリジナルのKeller Bier。軽いモルト感があり、苦味は弱め、飲み口は軽く、とても飲みやすいです。森の中のビアガーデンで、美味しく味わいました。

⑧バンベルク旧市街散策
バンベルク南西のWilde Rose Kellerから旧市街に戻り、次の目的地Brauerei Keesmannのあるバンベルク南東へ移動します。距離はかなり離れているので、酔い醒ましも兼ね、バンベルク旧市街やレグニッツ川の風景を見ながら、散策を楽しみました。

⑨Brauerei Keesmann
1867年創業のブルワリー。訪れた際は、通りで祭りが開催されており、非常に混んでいました。ビールはHerren Pils。ジャーマンピルスナーらしい喉越し、暑い日にとてもあい、美味しかったです。
※このブルワリーの近くには、Mahr’s Brauもあります。この日は混んでいたので、後日訪問しました。

この日は、1日で6軒を巡ることが出来ました。事前計画を立てていたおかげで、スムーズに楽しむことが出来ました。美しい旧市街の風景を眺めながら、ビールの楽しむ旅は最高でした。バンベルク以外のドイツの都市も満喫しましたので、充実したビアライゼ(ビールの旅)になりました。

ビアライゼを楽しもう!

ビアライゼ(ビールの旅)は、決してハードルが高いわけではありません。事前の準備をしっかりすれば、旅先をより楽しめます。ブルワリー巡りは、醸造設備の見学したり、出来立てのフレッシュなビールを味わったりとビール好きには至福の一時になります。併設のブリューパブやビアレストランがある場合、その土地の名物料理とペアリングを堪能することもできます。ビアライゼの計画を立ててみてはいかがでしょうか。
この記事が素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。
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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

Atsushi Taguchi(田口 篤史)

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビール大好き!ビールを求めドイツやベルギーを中心にヨーロッパをよく旅していました。
世界にも日本国内にも、素敵なビールはまだまだたくさんありますので、巡りたいところは尽きません。
ビールの素晴らしさ、楽しさを多くの人に伝えていきたいと思います。
Enjoy!Beer!

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