[イベント]2018.11.15

監獄でゴクリ! 名建築とビールのマリアージュを秋の古都で(前編)

名建築とビールのマリアージュって?

ビールと料理のマリアージュ

ビールとマリアージュするのは料理だけではない?

 秋刀魚とビールがおいしい季節になりました。肌寒い季節は、ぐびぐび飲むビールではなく、まったり飲みなビールを楽しみたいものです。

 秋の味覚に限らず、料理とビールの味わいを合わせて楽しむことを、ペアリングやマリアージュ(結婚)と呼びます。お互いの味わいがバランスよく調和すると、料理だけ、ビールだけでは感じることができなかった第3の味わいが楽しめるというものです。1+1=3以上。そんな夫婦のような関係ですので、マリアージュと呼ぶわけですね。

 さて、このマリアージュですが、食べ物同士である必要はないじゃないかというのが、今回のテーマです。例えば、気の合う仲間たちと飲むとよりおいしく感じられるということであれば、ビールとコミュニティがマリアージュしていると言えるのではないか。はたまた、ひとり静かにハードボイルド小説を楽しみながらビールを飲むといつも以上にワイルドな味わいが感じられるのであれば、ビールと小説がマリアージュしていると言えなくはないと思うのです。

 その発展系として紹介したいのが、「ビールと名建築のマリアージュ」です。つまり、すばらしい空間の中で飲むビールは、いつもと違うビールの味わいがあるということです。

 例えば、小学校の教室でビールを飲みましょうというと、いつもとは違う非日常感があってワクワクしますよね(もちろん、小学生が飲むのではなく、大人が飲むということです。念のため)。その他にも、時代がかった名建築が過ごしてきた歴史に思いを馳せる「時間旅行」のお供としてビールを楽しんだり、現代的な名建築であればミニマルな構造美とビールのシンプルで爽やかな味わいを重ねて唸ってみたりと、マリアージュの楽しみ方は無限に広がります。

 そんな「名建築とビール」の極めつけを味わうことができるイベントが、この秋に開催されます。その場所とは、ズバリ「監獄」です。

旧奈良監獄とは

旧奈良監獄

明治41年に誕生した日本最古の刑務所でもある旧奈良監獄は、明治五大監獄の一つ。表門の威風堂々たる姿に圧倒される

 監獄でビールを飲む。こんなドキドキするようなイベントが行われるのは、古都・奈良。「旧奈良監獄」と呼ばれるこの建物は、なんと昨年まで実際の監獄として使われていたものです。現在は監獄としての役割は終えており、2020年にホテルへ生まれ変わる予定です。

 監獄を改装したホテルにも興味は沸きますが、改装前の現在の姿を楽しめるのは今だけ。監獄という使命を果たすため、旧奈良監獄には威厳ある姿が求められました。そのため、外観はレンガ造りの分厚い壁で力強さをアピールしています。しかし同時に、欧米の建築様式を取り入れたファサードは、頑強さだけではない厳かな雰囲気を備えています。

 荘厳な監獄の門をくぐり、そこで獄吏の眼を盗みながら、ゴクリとビールを飲む姿を想像してみてください。獄吏、ゴクリ、プハァー。・・・まるで、過酷な人間ドラマを描いた映画のワンシーンのようではないですか。これは、自分の五感で体験するしかないですね。

 次回は、ビールだけではないこのイベントの魅力をさらに紹介したいと思います。

(インフォメーション)

「奈良赤レンガフェスティバル」(旧奈良監獄サイト内)
http://former-nara-prison.com/festival/

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※見学会は日時指定の予約・定員制となりますのでお早めのご購入をオススメします。

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

ニシバヤシ タツマ

ビアジャーナリスト/びあけん1級(2013,2015)

大学時代に自転車旅行でビールのうまさを知る。ほどなくしてベルギービールにカルチャーショックを受け、 世界のビールの虜に。ビールは大人の趣味の1つ。その一期一会を記事やビアポエムとして伝えていきたい。

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