「ボヘミアンラプソディ」のビール?!
僧侶も忙しくなりすぎて走り出すから師走、そんな季節が近づいて参りました昨今。
いかがお過ごしでしょうか。
久々の投稿ですが、実は今ミュージシャンがビールをリリースするのが静かなブームになっているのはご存知か。
ご存じないか。
ビールと音楽が好きな僕が、
昨今ヒット中のQUEENおよびフレディマーキュリーの映画「ボヘミアンラプソディ」に合わせて少し小話をお送りします。
ビールの話に入るまで長く感じるかもしれませんが、
お手柔らかにお付き合いくださいな。
目次
QUEEN
(以下クイーン)とは言わずと知れた80年代のイギリスを代表するロックバンド。
メンバーはヴォーカルのフレディマーキュリー(後にエイズにより死去)
ギターのブライアンメイ、
ドラムのロジャーテイラー、
ベースのジョンディーコン
から成る4人組。
解散こそしておりませんがフレディ亡き後ジョンは脱退し、実質オリジナルメンバーはブライアンとロジャーとなりましたが、
新たなボーカルを迎えたりしながら現在も活動中です。
特にその歌唱力と目立つルックス&カリスマ性を帯びたフレディは人種を超え世界中に愛されました。
実際現代ではどんなイメージを持たれているのでしょう?
マッチョでアツい昔のバンド?スポーツ観戦でよく流れる人たち?
そんなところでしょうか。
そもそもクイーンはスラングで「オカマ」という意味を含み、
70年にブライアンとロジャーが組んでいたバンドに後から加入したフレディがふざけて名付けた名前でした。
メジャーデビューした当時はレッド・ツェッペリン、ザ・フー、イエスらの名だたるバンドが全盛だった頃。
比較されながらも奇抜なヴィジュアルセンス、ライブパフォーマンスは現地よりも先にここ日本で話題となり、
そこから本国イギリスへ人気が逆輸入、結果有名となった珍しいいきさつがあります。
そのためメンバーは日本のファンにいたく感激しそれ以来親日家となりました。
日本で人気なのはその関係あってこそなのですね!
詳しい流れは映画に譲るとして、
激しい曲展開が多かった初期作品からの成果が結実したのが
4枚目のアルバム「A Night At The Opera(オペラ座の夜)」
収録の超有名曲「Bohemian Rhapsody(ボヘミアンラプソディ)」
で〜ございます!
アルバムの方は世界各地でレコーディングを行ったため、
当時最も制作費がかかった作品だったそうです。
ボヘミアンラプソディは発表されてから9週連続総売上1位、
またさらに91年にフレディ追悼のため再リリースされた際にも1位を獲ったり、
なんと映画公開効果で今現在もチャート100位以内にカムバックしてきているんだとか!
実はあのビートルズの名曲群を押し抜けて「英国史上最高のシングル曲は?」というランキングで1位を獲るほど今では愛されることとなっています。
ん〜すごい。
でも、なんで?
よく耳にする曲なので歌詞にあまり意識がいきませんが、
「ママ。銃で人を殺してしまったよ」
という大変衝撃的な告白がこの有名曲には含まれています。
そんな曲が、
どうしてそこまで支持されることになったの?
…ここからが大事です。
そのためには映画でも主軸となっているフレディマーキュリーの生い立ちにも言及する必要があります。
彼はイギリス人の官吏の父とペルシャ系の母との間に、
アフリカはザンジバル(当時イギリス領、現在はタンザニアに属する地域)にて誕生しました。
10歳でインドの学校へ、その後イギリスへ行きデザイン系の学校へと進学。
どおりでなんとなくイギリス人っぽくない出で立ち!
当時からスポーツもピアノも得意な、才能あふれる子どもだったそう。
卒業後はグラフィックデザイナーとして働く傍ら、しかしバンドへの憧れを捨てきれず、ブライアンとロジャー(ジョンもその後加入)と出会いバンド活動を本格化させていくわけです。
典型的な転勤族の家庭に生まれたこと、
イギリス人でありながらそうは見えないルックス、
そこに付随していく自身のセクシャルマイノリティーとしての苦悩は、
ステージ衣装、歌詞へ大胆に繊細に表現されていくのですが、
85年の感動的なライブエイドでのパフォーマンス後の
翌年86年に、エイズウィルス感染という形へもつながってしまうのです。
ここを踏まえて彼の活動を見直すと、「ボヘミアン」という単語をチョイスした意図が透けてきます。
「ボヘミア」とは元々チェコとドイツ
(ここがビール話的に大事になってくるので忘れないでください笑)
中心にまたがるモルダウ川周辺地域と民族のことを指すのですが、
それと同時に流浪の者、一人孤独に旅路を行くさすらいの旅人のことをも指しています。
「ラプソディ」は日本語では「狂詩曲」と訳されることが多いですが、
つまりはファンタジックに様々な展開がある曲の総称だと思ってください。
幼い頃から見た目でも目立ってしまい、性的にも苦しんだ彼が、
決して癒やすことのできない難病エイズを一人抱える。
その様、まさに独りさすらう者そのもの。
これは現実か幻か
人を殺してきた
ママ、僕の人生は始まったばかりなのに
自分でだめにしてしまった
遅すぎる
最期のときが来た
死にたくない
生まれてこなきゃ良かった
僕を見殺しにしてそれでも愛してると言うつもりか…すべてはたいしたことじゃない
何にしても風は吹くのさ
発表当時は病魔に冒されてはいませんでしたが、
「ボヘミアンラプソディ」の主人公とフレディを重ね合わせると、
オーバーラップする部分が多い。
その姿に世界中で孤独を抱えた人たち、セクシャルマイノリティ、
孤軍奮闘する人たちからの絶大な支持を獲得することができたのです。
気持ちの共感に境界線がないのはビールも同じですからね♪
劇中でも熱を持って描かれていますが、
残りの生を全力で生きようとするその姿にメンバーも呼応し、最期のときまで走り抜けます。
さてお待たせしました。笑
そんな彼らクイーンの最高傑作「オペラ座の夜」を使ったビールが発売されているのです。
クイーンボヘミアンラガー
フィニッシュにモルト独特の臭みがある「きちんとした」ボヘミアンピルスナー。
味わいとしてはパンアロマが鼻孔をくすぐるスッキリクリアテイストで、シャンパンゴールドな色合いと純白な泡の対比がそそります!
度数は4.5%。
こちらのビールは「ボヘミアンラプソディ」リリース40周年を記念し2015年に発売されたもの。
バンドの出身からすればイギリスのビールとなりそうですが、
上記のボヘミアの説明の通り、チェコの伝統スタイルに倣っています!
曲名からのひねりがいい!
(ま、よく見るとラベルは次作のアルバム「華麗なるレース」なのですがご愛嬌ってことで、、笑)
僕が購入したのも数年前なので現在日本で入手するのは難しそうですが、
映画のさらなるヒット次第では再輸入の可能性もあるかも??
他にもミュージシャンがリリースしたビールは存在するのですが、
今回はここまで。
近々また特集しようかな、、笑
これから劇場に足を運ぶ方にとっては、
この記事でクイーンというバンドにさらに興味を持っていただけたら幸いです!
それではまた!
【参考文献】
オペラ座の夜
華麗なるレース
メイドインヘヴン
クイーンインヴィジョン
リターンオブザチャンピオンズ
各アルバム解説ライナーノーツ
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。