祖師ヶ谷大蔵 RIOT BEER 公開醸造イベントを満喫!
2018年11月23日(金) 祖師ヶ谷大蔵のRIOT BEERにて、公開醸造が行われました。筆者はこのイベントに参加し、楽しみましたので、レポートします。
目次
RIOT BEER
ブルワリー紹介
RIOT BEERは、祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩約6分の住宅地にあるブルワリーです。2018年3月27日に醸造免許取得後、2018年4月5日にタップルームの営業を開始し、2018年5月31日に初醸造のビール「Madness IPA」をリリースしました。その後も、多様なオリジナルビールを醸造してきました。ビールの醸造は、オーナー兼醸造家の「江幡 貴人」氏と醸造支援の「山田 泰一」氏にて行われます。オリジナルビールには、主に音楽にちなんだ名前が付けられ、それぞれにジャケット(絵)があるなど、こだわりを感じます。
店内に入ると、正面と右側にはカウンタータイプの席があり、左側はテーブル席になっています。そして、左右の壁に目を向けると、ローマ風戦士の絵が目を引きます。タップ数は10個あり、オリジナルビールを主として提供。店内からは見えませんが、奥には醸造設備があります。
RIOT(暴動)と聞くと物騒なイメージですが、ブルワリーからのメッセージは下記の通り、優しさを感じます。
フレッシュなクラフトビールを皆様にお届けできるように。ホップのパンチが効いたモルティで新鮮でいて優しく個性豊かなビールを。そんなマイクロブルワリーです。
私達のオリジナルなクラフトビールを片手に、また日本全国のブルワリー仲間のビールと共に、ほっと一息つけるような、そんな居場所にできたらな、と願っています。
タップルーム営業日には、近所の方を主に多くの人が訪れ、このメッセージ通りの場になっています。また、RIOT BEERファンのことを、「ライオッティ」と呼びます。
RIOT BEER「Cherub Rock(ケルブロック)」
オリジナルビールの1つを紹介します。銘柄は「Cherub Rock(ケルブロック)」。ビアスタイルは、ベルジャンブロンド。外観は、透き通った綺麗な濃い金色。蜂蜜を思わす香りがします。口に含むと蜂蜜のような風味、モルトの風味と甘みを感じられ、苦味はあまり感じません。蜂蜜のような香りと風味は、主に酵母由来とのこと。ゆっくり味わって飲みたいビールの印象。ABV6.5%, IBU10。
公開醸造イベント内容
公開醸造イベントでは、実際にビールをつくる工程を間近で見学することが出来ます。この日の公開醸造の担当は「山田 泰一」氏、醸造するビールの銘柄は「Cherub Rock(ケルブロック)」です。「山田 泰一」氏は、RIOT BEERの他にも「永代ブルーイング(移転中)」など複数の醸造所の支援を行い、ビアパブ「ヌトリ(出店準備中)」のオーナーをつとめるなど多方面で活躍中。 「ビールおじさん」とも呼ばれ、親しまれています。
1.麦芽(モルト)~麦芽粉砕(ミリング)
既に粉砕済みの麦芽を使用するので、この工程は省かれています。
2.糖化(マッシング)
ビールは酵母が糖を食べて、アルコールと炭酸ガスをつくるお酒です。麦芽の状態では酵母が食べられないので、糖に変える必要があります。糖化鍋(50ガロン、約200L)にて、粉砕麦芽を煮込むことで、タンパク質を分解し、でんぷんを糖に変えます。公開醸造では、この工程からスタートします。醸造スペースとタップルームに、麦芽の甘い香りが漂ってきました。
3.循環、濾過、スパージング
糖化が終わった後、麦汁を循環させ、濾過します。この時、麦芽の殻が自然のフィルターの役目を果たします。その後、取り出した麦汁を煮沸釜に移しますが、この時の麦汁を「一番麦汁」と呼びます。公開醸造の見学者には、この麦汁が振舞われました。アルコール分は無いので、子供でも安心して飲めます。濁りのある外観、モルトの香りと風味、そしてとても甘いです。
麦汁が減りだしたら、糖化鍋にお湯のシャワーを浴びせて、さらに麦汁を回収します。この工程をスパージングと呼び、ここで採れる麦汁を「二番麦汁」と呼びます。
4.煮沸、ホップ投入、 ワールプール
取り出した麦汁は、煮沸鍋 (50ガロン、約200L)に移送し、殺菌の為に煮沸します。 このタイミングで、ビールに香りと苦みをつけるホップを投入。投入ホップは、ペレット状の乾燥したものを使用しています。
ワールプールにて、トルーブ(ホップ粕など)を除去するため、遠心力で凝固させます。RIOT BEERでは、煮沸釜に残ったホップ粕を、マッシュパドル(櫂)で勢いよくかき回すことで、実現しています。
5.冷却、発酵設備へ移送
ビールの発酵設備として「コニカルタンク(金属製のタンク)」が有名ですが、RIOT BEERでは「石見式」と呼ばれる冷蔵庫発酵の方法で行っています。発酵用冷蔵庫( 100L )が4つあり、今回はその1つへ移送します。煮沸釜を出た麦汁は高温のため、冷却しての移送となります。 温度が下がることで、細菌汚染などがリスクが高まるので、以降は気を使う工程です。
冷却は、 RIOT BEER自家製のカウンターフロー式ウォートチラーにて行われます。中の金属管に熱い麦汁が通り、外部のホース部分に麦汁と逆方向に冷水を通すことで、麦汁を冷ます仕組みです。
6.酵母投入
酵母投入前に、乾燥酵母を煮沸殺菌した水にいれて戻します。この後、発酵用冷蔵庫に投入します。公開醸造の工程は、ここまでです。
7.発酵~熟成
酵母の投入後は発酵が行われ、その後は熟成の期間となります。今回のビールが提供されるのは、約1か月後の予定です。
公開醸造を見学して
公開醸造イベント当日は、近所の方を主に多くの人が訪れ、店内には人が溢れるほどの盛況ぶりでした。RIOT BEERは土地に根ざし、愛されているブルワリーという印象を、強く受けました。公開醸造イベントでは、RIOT BEERのビールがどの様に醸造されているのかを知る良い機会となりました。醸造設備についても、自家製の機材で工夫しているところが多くみられ、職人の現場という感じです。イベントを開催されたRIOT BEERの関係者の方々に感謝いたします。今後も、公開醸造イベントの機会はあるとのことなので、参加されることをおススメします。
この記事が素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。
■RIOT BEER
営業時間:
[水] 15:00~21:00
[木] 15:00~21:00
[金] 15:00~21:00
[土] 13:00~18:00
[日] 13:00~18:00
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※臨時休業や営業時間の変更の可能性もあります。
訪れる際は、事前にご確認をお願いします。
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