[ビアバー,ブルワー]2019.3.25

板橋「TOKYO ALEWORKS TAPROOM」オープン!クラフトの進化だけでなく、革命を!

江戸時代、板橋は「板橋宿」と呼ばれた江戸の玄関口の一つであり、中山道六十九次の宿場町の1つとして栄えていた街です。現在は池袋、新宿、渋谷、東京など都内の要所にアクセスしやすい住宅地であり、 飲食店や企業の事務所も多い、商業も盛んな土地です。「TOKYO ALEWORKS TAPROOM」は、クラフト革命を仕掛ける板橋のブルワリー「TOKYO ALEWORKS」併設ブリューパブとして、2019年3月7日にオープンいたしました。その魅力と想いをお伝えします。

TOKYO ALEWORKSのCONCEPT

今回の「TOKYO ALEWORKS TAPROOM」オープンにより、ブルワリーとブリューパブが「TOKYO ALEWORKS」というブランドで統一されました。今後、「TOKYO ALEWORKS」が目指すもの、コンセプトについて伺いましたので、お伝えいたします。

Craft Revolution, not just Evolution.(クラフトの進化だけでなく、革命を)

クラフトビールの進化は、新しいものを追い求めることに囚われず、つねに基本に立ち返ることから始まる。

”Back to the Basics ” 原点を見失わず クラフトビールを創造し続けていく中に、新しい発見と可能性は開かれていく。

そうした挑戦をサポートすることで、”Craftsmanship ” 真のクラフトマンシップの変革を起こし、人と人をつなぐブリューイングの架け橋になる。

それが、「TOKYO ALEWORKS」が目指す「Communal Brewing(コミューナルブリューイング)」です。

From Itabashi To The World(東京の板橋から、ブリューイングで世界の懸け橋に)

かつて江戸の四宿の一つであった板橋。私達「TOKYO ALEWORKS」は、そんな東京の玄関口ともいえる街で、真のクラフト・ビールの醍醐味を伝え、板橋から世界へつなげるブリューイングの懸け橋となるコミュニティーを築いていきます。

TOKYO ALEWORKSのメンバーたち。左から、Beer Engineer「江口 奈々」氏、Chief Beer Engineer「Randy Carncross(ランディ・カーンクロス)」氏、製造・品質・タップルーム責任者「Bob Stockwell(ボブ・ストックウェル)」氏、Director Of Food Design「谷」氏、TAPROOM店長「五月女 裕貴」氏。

TOKYO ALEWORKS TAPROOM

カジュアルな雰囲気、気軽に入れるお店

「TOKYO ALEWORKS TAPROOM」は、JR埼京線「板橋駅」より徒歩3分、都営三田線「新板橋駅」より徒歩5分、東武東上線「下板橋駅」より徒歩3分ほどの住宅地の中にあります。お店の外観はガラス張りになっており、気軽に入れるカジュアルな雰囲気。外にはテラス席が6~8席あり、屋外でもビールを楽しめます。なお、テラス席は犬連れも可能です。

TOKYO ALEWORKS外観。左がTAPROOM入口、右がBREWERY入口。

TOKYO ALEWORKS TAPROOM入口

店内に入ると、その広さを感じるでしょう。店内は50席もあり、ちょっとしたパーティも開ける規模。内装はアメリカ風、ピンボールマシンや星条旗のソファーがあり、良いアクセントになっています。なお、ピンボールマシンは無料でプレイ可能とのことです。

(左)写真提供:TOKYO ALEWORKS 星条旗のソファー、(右)ピンボールマシン

多種多様なビールを、最適な状態で提供

カウンター壁面の木製ボードに描かれているのは、「TOKYO ALEWORKS」のロゴの一部。左から、「板橋~東京~空港~世界へ」という意味が込められています。上部に設置された液晶モニターは、「TOKYO ALEWORKS」からのメッセージやビール紹介などに活用されています。そして、壁面にはビールを提供する、22個のタップがあります。このタップ数は壮観ですね。

カウンター壁面の22タップ、木製ボードのロゴ、ビールなどを紹介する液晶モニター

お店入口方向の道路側を見上げると、液晶モニターが5つ設置されています。当日に繋がれている(提供できる)ビールの銘柄、スタイル、ABV(アルコール度数)、IBU(国際苦味単位)など、ビールに関する情報を表示。表示言語は、日本語と英語が約30秒ごとに切り替わります。ビールは、約半数が「TOKYO ALEWORKS」にて醸造したフレッシュなオリジナルビール、残り半数は国内・海外のブルワリーより厳選したクラフトビールです。ビールの温度管理も徹底しており、海外からはリーファーコンテナ(温度管理が可能なコンテナ)で輸送し、お店では空冷式サーバー(サーバー内にビール樽を入れ、タップへ繋がるホース含めて冷却する方式)から最適の状態で提供されるので、安心して美味しいビールを味わえます。

お店入口方向の道路側の上部より、当日繋がれているビールの情報を表示する液晶モニター

ビールの種類が多すぎて迷いましたら、店長「五月女 裕貴」氏をはじめとした、お店のスタッフに尋ねましょう。きっと、好みの味わい、料理との組み合わせを考慮した、美味しいビールを勧めてもらえます。また、「ボブ・ストックウェル」氏、「ランディ・カーンクロス」氏、「江口 奈々」氏が、ビール醸造の仕事後にお店にいることもあり、その際はビールの作り手とも話せる機会となります。

爽やかな笑顔のTOKYO ALEWORKS TAPROOM店長「五月女 裕貴」氏

ボトルや缶での販売も充実

お店入口の左手には、ガラス張りの大きな冷蔵庫があります。ボトルや缶でのビール販売も行っており、ビールを購入し、持ち帰ることが可能です。ビールの銘柄は、「TOKYO ALEWORKS」のオリジナルビールはもちろん、国内・海外のブルワリーの銘柄を取り揃えております。贈り物ビールとしても、活用できそうですね。なお、開栓料を払えば、店内で味わうことができます。

ボトルや缶のビールを販売、銘柄も充実している

アメリカンテイストのフード

料理は、Director Of Food Design「谷」氏によりデザインされた、アメリカンテイストのフードが提供されます。Food Design(フードデザイン)という、「単なる栄養補給のためではなく、文化としての食生活を豊かにすること」を目的としたプロフェッショナルによる逸品の料理。その一部をご紹介いたします。もちろん、ビールとの相性は抜群、ビールと料理のマリアージュを堪能してください。

写真提供:TOKYO ALEWORKS Director Of Food Design「谷 」氏による逸品の例

・ビアプレッツェル

ビール醸造の過程で発生する、「麦芽粕(モルトカス)」を、プレッツェルの材料として再利用しました。自然に優しいだけでなく、独特の食感と甘みがとても美味しい。プレッツェルの周りの粗塩が良いアクセント。なお、テイクアウト可能です。

(左)お店入口にあるプレッツェルマシン、(右)ビアプレッツェル

・スーパーガーリックケイジャン枝豆

ビールのお供と言えば、枝豆。「TOKYO ALEWORKS」の枝豆は、ガーリックとケイジャンによる味付け。食欲をそそる香り、ビールにとってもあいます。軽いおつまみとしても、おススメ。

ビールによく合うおつまみ、スーパーガーリックケイジャン枝豆

・ピザホットパイ

陶器の上にパイによる蓋がされた料理、ひっくり返すとピザが出てきます。そのままパイがピザの器になり、中には熱々のチーズ、ソースや具材がたくさん。熱々のチーズは、とろーりとのび、とても美味しそう。見栄えも良く、味も美味しい、素敵な料理です。

(左)「谷」氏による、ピザホットパイのお披露目。(右)写真提供:TOKYO ALEWORKS ピザホットパイ

・トーキョーエールワークス モルトチキンウィングス

アメリカ発祥の料理、バッファローチキンウィングス。ビールと相性抜群の料理です。「TOKYO ALEWORKS TAPROOM」では、5種のソース(ハニーマスタード、マイルド、スィートホット、スパイシー、クレイジーホット)、さらにソースに合わせたウィスキーを霧吹きで、チキンウィングスにかけます。香りと風味が格段に良く、もちろん味も素晴らしい逸品。是非、ビールと共に味わってください。

(左)トーキョーエールワークス モルトチキンウィングス、(右)ウィスキーによる風味付けする「谷」氏

・プレッツェルバーガー

ランチタイム限定のハンバーガー。ハンバーガーは複数種類(オープン時8種類、現在も考案中のため、さらに増える見込み)があり、様々な味の組み合わせを楽しめます。パンズには、ビアプレッツェルを使っており、この食感と味わいは「TOKYO ALEWORKS TAPROOM」でしか味わえません。おススメします。

(左)「T.A.W. Crush Burger」、(右)写真提供:TOKYO ALEWORKS「The Mushroom Iberico Mozzarella Burger」

TOKYO ALEWORKS

「TOKYO ALEWORKS」は、ヘッドブリュワーやマスターブリュワーという肩書なく、ビールを愛する全ての人が、ビールを造ることが出来るブルワリーです。様々な分野で活躍する人々とのコラボレーションを通して、ビール造りという創造的な時間を共有する、コミュニアル(Communal)なブルワリーでもあります。

ビールを醸造するという体験を提供

一般の方でも、テクニカル・スタッフのサポートのもとで、安心してクラフトビールの醸造体験が出来ます。出来上がったビールは、ボトル詰めされるので、記念ビールや贈り物としても活用できます。それを実現するのは、アメリカ「SS Brewtech」社製の5ガロン=約20Lの発酵タンクをはじめとした、小規模醸造設備です。

写真提供:TOKYO ALEWORKS 体験醸造を実現する設備たち

醸造設備の大規模な拡張

「TOKYO ALEWORKS」には、全国のビアバーやオリジナルビールやコラボビールなど、様々なニーズに対応したクラフトビールを提供する想いがあります。そのため、醸造所の大規模な設備拡張が行われました。従来の醸造所スペースには、アメリカ「SS Brewtech」社製のホットリカー(熱湯槽)、マッシュタン(糖化槽)、ボイルケトル(煮沸槽)が新調され、1回で発酵タンク1個分(1バレル=約120L)の仕込が出来るようになりました。これまでも、ボトル詰めを自動化する機械も導入など、作業負荷を減らし、より多くの美味しいビールを提供できるよう、良い設備投資を続けている印象です。

新設された醸造設備を説明する「ランディ・カーンクロス」氏

従来の醸造スペースの隣に、新たな醸造スペースが拡張され、2019年3月2日にアメリカ「Portland Kettle Works」社製の7BBL醸造設備が搬入されました。7バレル=217ガロン=約820Lですので、醸造規模は格段に増強されます。規模が大きくなっただけでなく、麦芽破砕からマッシュタン(糖化槽)への移送、マッシュタン(糖化槽)での攪拌や濾過、ボイルケトル(煮沸槽)へ移送、ワールプールなど、醸造工程の大部分を自動化し、作業の効率化も図られています。発酵タンクも6基追加され、立ち並ぶさまは壮観です。ビールの醸造量が大幅に増えますので、今後「TOKYO ALEWORKS」のビールを味わえる機会が増え、飲み手としても嬉しいです。

搬入された「Portland Kettle Works」社製の7BBL醸造設備、インストール(導入整備)は4月以降予定とのこと

コラボレーションによる創造

「TOKYO ALEWORKS」は、様々な分野で活躍する人々とのコラボレーションを通して、ビール造りという創造的な時間を共有する場でもあります。過去にも、多数のコラボレーションを行っており、今後も様々な分野の方と行っていくとのことです。2019年3月現在、最近行われたコラボレーションの例を紹介いたします。

・「秩父蒸留所」のウィスキー樽で熟成した「秩父蒸留所バレルエイジド Imperial IPA」

「イチローズモルト」の銘柄で有名なウィスキー蒸留所「秩父蒸留所」のウィスキー樽に、「TOKYO ALEWORKS」のホップ感が強いImperial IPAを熟成しました。ウィスキー樽の風味と熟成香を感じる贅沢なImperial IPAです。なお、このビールはチャリティボトルになり、売上の一部を「NPOブリッジフォースマイル(B4S)」という、児童養護施設から社会に巣立つ子供たちへの支援活動を行っている団体に寄付されます。

「秩父蒸留所バレルエイジド Imperial IPA」

・「NAPALM DEATH(ナパーム・デス)」とのコラボビール「Continuing War On Hop Monotony」

イギリス出身のハードコア、ヘヴィメタルバンド「NAPALM DEATH(ナパーム・デス)」とのコラボビール。DARK CREAM ALEに、ピリッと辛いCHILIを使ったビールであり、メタルバンドらしい、尖がった味わいを提供してくれるでしょう。なお、このビールもチャリティボトルになります。

写真提供:TOKYO ALEWORKS コラボビール「Continuing War On Hop Monotony」

板橋でビールと料理のマリアージュを楽しもう!

板橋から、クラフト革命を仕掛ける板橋のブルワリー「TOKYO ALEWORKS」、そして、この度オープンした「TOKYO ALEWORKS TAPROOM」。お店の雰囲気はとてもカジュアルで、気軽にビールを楽しめる場所です。また、料理やビールなどの酒類とも各分野のプロが勢ぞろい、ビールと料理のマリアージュを楽しめます。今後がとても楽しみなお店。是非、訪れることをおススメいたします。

この記事が、素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。


■TOKYO ALEWORKS
WEBサイト:
https://tokyoaleworks.com/
FACEBOOK:
https://www.facebook.com/TokyoAleworks/

■TOKYO ALEWORKS TAPROOM
東京都板橋区板橋1-8-4
TEL:03-3961-1196
営業時間:
[火~金、祝前日] 11:30~14:30 (料理L.O. 14:00 ドリンクL.O. 14:00)、17:30~23:00 (料理L.O. 22:00 ドリンクL.O. 22:30)
[土、日、祝]   11:30~23:00 (料理L.O. 22:00 ドリンクL.O. 22:30)
[定休日] 月
※2019年3月31日更新:定休日が、2019年4月1日(月)より、毎週月曜日になることを反映。
WEBサイト:
https://taw.owst.jp/
FACEBOOK:
https://www.facebook.com/TokyoAleworksTaproom/

※臨時休業や営業時間の変更の可能性もあります。
訪れる際は、事前にご確認をお願いします。

taproomTOKYO ALEWORKSタップルームビアバーブリューパブブルワリー板橋醸造所

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

Atsushi Taguchi(田口 篤史)

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビール大好き!ビールを求めドイツやベルギーを中心にヨーロッパをよく旅していました。
世界にも日本国内にも、素敵なビールはまだまだたくさんありますので、巡りたいところは尽きません。
ビールの素晴らしさ、楽しさを多くの人に伝えていきたいと思います。
Enjoy!Beer!

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