西川口「GROW BREW HOUSE」 人的交流の潤滑剤を作る”まちのビール醸造所”
2019年5月現在、3つのブルワリーが存在する埼玉県川口市。その1つ、西川口「GROW BREW HOUSE」には、人的交流の潤滑剤を作る”まちのビール醸造所”という思いがあります。待望の1stビールを2019年5月25日にリリース、ブルワリーの魅力と共にお伝えいたします。
目次
GROW BREW HOUSE
「GROW BREW HOUSE」は、JR京浜東北線の西川口駅から徒歩約5分の距離。ブルワリーまで行く途中の道には、中華料理店やアジア料理店が多数並んでおり、異国情緒がある雰囲気です。ブルワリーのタップルーム入口には、なぜか「近藤材木店」の文字。この建物は、1959年創業した「近藤材木店」の事務所兼倉庫として、1978年に建てられました。材木店閉鎖後には、町会の倉庫として使われた時期もあります。西川口の歴史と共に歩んできた建物1階に「GROW BREW HOUSE」が入っており、内装などに当時の名残を残しています。
タップルーム
店内に入ると、広いカウンターが目に入ります。左手奥には6つのタップと空冷式サーバー、右手奥が調理場。カウンターの上には、当日繋がっている(提供される)ビールやフードを掲載。なお、西川口周辺のお店で買ったフードは持ち込み可能であり、街をフードコートと見立てた感じです。中華料理店が周辺に多いので、中華料理とビールのペアリングをたっぷり楽しめます。2018年12月15日プレオープン、2019年3月29日グランドオープン。
ブルワリー
醸造スペースは、タップルームの右奥から入る扉の先にあります。醸造設備は発酵タンク400L 4基、マッシュタン(糖化釜) 200L、ボイルケトル(煮沸釜) 200L、プレートチラー(熱交換器・冷却装置)、麦芽粉砕機など、醸造の一通りの工程を行える設備です。また、厳格な温度管理を実現するため、冷却装置(グルコールチラー)、グリコールタンク1基とその制御盤を導入。大きなプレハブ冷蔵庫もあり、醸造したビールの保管や熟成も多数可能です。2019年3月20日醸造免許取得。
ブルワリー開設への経緯、1Stビールリリースまで
オーナー「川本将人」氏と、創業以来の目標
「GROW BREW HOUSE」のオーナー「川本 将人」氏は、西川口駅近くのBAR「CASK AND STILL」(1997年創業)のオーナーでもあります。モルト・ウィスキーに魅せられ、かつてスコットランドを旅行。そこで、PUBの面白さ、居心地の良さに心奪われ、西川口駅近くにBAR「CASK AND STILL」をオープン。英国風PUBをモデルとし、人が集う交流の場として、地元に愛されながら営業を続けています。1997年創業以来の目標の1つとして、ブルワリーを近くに作ることがありました。その背景には、将来に向けて、さらに広く多く人が集い交流する場を作りたい、「住む人に愛着を持ってもらえるまちづくり」の新しい拠点としたいという思いがあるためです。「GROW BREW HOUSE」の開設は、目標の実現へ繋がります。
ブルワー「岩立佳泰」氏と、ビールづくりへの思い
「GROW BREW HOUSE」の醸造長「岩立 佳泰」氏は、フランス料理を専攻として学び、結婚式場の調理師などをした経験があり、料理への造詣も深い方です。ワーキングホリデー制度を利用してカナダで働いた際、ビールの多様性や個性豊かさに触れ、その魅力に取りつかれました。埼玉県川口市のブルワリー「川口ブルワリー」にて、ビール醸造などを勉強。また、BAR「CASK AND STILL」の常連でもあり、「川本 将人」氏に、ビールへの思いを語ってきました。そのことが、「GROW BREW HOUSE」でのビールづくりに繋がりました。人とのコミュニケーションが大好きな「岩立 佳泰」氏は、ビール醸造をしつつ、可能な限りタップルームにも立たれます。そのため、ビールの作り手と交流しやすいブルワリーになるでしょう。
ブルワリー名とログマークに込めた思い、目指すもの
ブルワリー名の由来は、”GROW(成長や育てる)”より「ビールを育てる」「まちを育てる」「人を育てる」の3つの意味、”BREW HOUSE(醸造所、BREWERYと同意味)”を合わせたもの。人的交流の潤滑剤を作る「まちのビール醸造所」として、ひとが繋がり、まちに集まる場所にする思いが込められています。
ロゴマークは、GROWの読み「グロウ」の頭文字「グ」に、山形を組み合わせたデザイン。山形は上昇や成長を意味もあり、末広がりで縁起が良く、日本的な屋号です。そして、元材木店の建物を活用しているので、材木を組み合わせた屋根を連想させるデザインでもあります。
「GROW BREW HOUSE」は、川口市に住まう人々の安らぎの場と、少し自慢できる地場の特産品づくりを、目指しています。また、川口市の農産物をビール作りに生かし、季節感のある地元の味わいを提供。川口市を、ただ寝に帰るだけのベッドタウンではない、「住んで楽しい川口」の一助となれる様、全力で取り組んでいく思いの込められたブルワリーでもあります。
醸造設備の搬入~1stビールリリース
2019年2月23日には、醸造設備を搬入作業を実施。クレーン車を使うなど大掛かりの作業です。この作業は一般公開されており、近隣の方やビール業界関係者などが多数見学に訪れました。また、搬入作業とあわせて、電気・ガス・水道配管などの工事も進められたので、各種作業を行う業者の方は大忙し。「川本将人」氏と「岩立佳泰」氏も奮闘されていました。
2019年3月に醸造設備の整備を続け、2019年4月に1stビールの仕込みに取り掛かりました。麦芽粉砕から発酵、そしての熟成の一連の工程を経て、2019年5月25日、遂にリリース。
1stビール「IPA#1」。外観は、オレンジがかった明るい琥珀色。ホップによる柑橘系の香り、強すぎず控えめの印象。また、モルトの香りも感じられます。口に含むと、その風味が複雑に広がり、そして、はっきりとした苦みを感じます。飲み口は重くなく、程よい炭酸感で、暑い日に良くあうビールです。ホップは、SimcoeとMosaicを使用とのこと。ABV6.5%、IBU40。
GROW BREW HOUSEのビールを楽しもう
1stビール「IPA#1」をリリースした「GROW BREW HOUSE」。リリース日当日は、開店15分経たずにカウンターが埋まり、その後も良い客入りでした。初対面の方とも気軽に打ち解け、一緒にビールを楽しめる良い雰囲気です。客層は近隣の方が中心で、地域に愛されるブルワリーを実現されている印象。今後もオリジナルビールを順次リリースされるので、是非「GROW BREW HOUSE」を訪れ、ビールを楽しんでみてはいかがでしょうか。
また、1stビールのリリース同日、姉妹店BAR「CASK AND STILL」では、2ndビール「Bitter#1」が提供されました。「Bitter#1」の提供方法はハンドポンプであり、英国風のリアルエールでオリジナルビールを楽しめます。「GROW BREW HOUSE」と「CASK AND STILL」は、お互い近い距離。両店とも訪れることをおススメします。
この記事が、素敵なビールとの出逢いに役立てば幸いです。
■GROW BREW HOUSE
営業時間:
[火~金] 17:00~23:00
[土日祝] 15:00~23:00
[定休日] 月曜日
WEBサイト:
http://home.att.ne.jp/alpha/caskandstill/grow_web/index_grow.html
FACEBOOK:
https://www.facebook.com/GROW-BREW-HOUSE-350022952211074/
INSTAGRAM:
https://www.instagram.com/grow_brew_house/
TWITTER:
https://twitter.com/BrewGrow
■CASK AND STILL
営業時間:
[月~金] 18:00~02:00
[土日祝] 18:00~02:00
[定休日] なし
WEBサイト:
http://home.att.ne.jp/alpha/caskandstill/
FACEBOOK:
https://www.facebook.com/CASK-AND-STILL-220010504720098/
※臨時休業や営業時間の変更の可能性もあります。
訪れる際は、事前にご確認をお願いします。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。