神戸電鉄の特別列車内で、樽生ビール飲み放題! ~「ビール片手に三田へGO!」に参加してきました~
神戸電鉄の特別列車「ビール片手に三田へGO!」が、2019年8月2日(金)の夜と、3日(土)の夕方に、谷上駅(神戸市北区)~三田駅(兵庫県三田市)間で運行されました。通勤型車両に装飾を施した特別列車の車内で、三田駅からほど近いキリンビール神戸工場で造られたキリン一番搾りの樽生ビールが飲み放題、という魅力的なイベントです。
昨年の初運行時は定員の6倍の応募があったと聞き、私は正直なところ「ダメ元」で申し込んでいたのですが、幸運にも当選し、2日(金)の夜の回に乗車することができました。
谷上駅から、非日常スタート!
当日の受付は、谷上駅の改札外で19:40から。受付の横では、今回の運行ルート沿いに本社を構える株式会社青粒のスタッフが、健康補助食品「飲み方改革 飲み会編」のサンプルを配っていました。
20:00には参加者全員が揃って発車ホームに移動。
普段乗っている通勤電車の車内にビールサーバーが設置され、お弁当が載った長机が並んでいるという非日常的な雰囲気に、参加者のテンションが高まります。
出発&乾杯!
20:10にドアが閉まると、参加者たちはグランドキリンIPLで乾杯! 20:15には電車もゴトゴトと動き始めました。
ビールのおかげか、非日常な空間のおかげか、初対面の参加者同士でも会話が弾みます。神戸電鉄やキリンビールのスタッフと談笑したり、記念写真を撮ったり。楽しい宴会となりました。
ここで意外に感じたのは、電車の揺れ。特にポイント通過時は、ビールがこぼれてしまわないか心配になるくらい、よく揺れました(実際には、こぼれませんでしたが)。
ビールの入ったカップを机の上に置いたとたんに、普段は大して気にしていなかった電車の揺れを、こんなに意識するようになるとは。日頃、いかに惰性で生活しているかを痛感させられた、少々情けないひとコマでした。
キリン一番搾りとおつまみ弁当に舌鼓
グランドキリンIPLを飲み干した後は、近隣のキリンビール神戸工場から届けられた、キリン一番搾りの樽生が飲み放題! 神戸電鉄やキリンビールのスタッフが、サーバーからどんどんお代わりを注いでくれます。今回用意されたビールは、2日間で480リットル! 企画の定員は各回100名なので、なんと1人あたり2.4リットルも飲めてしまう、大盤振る舞いのイベントでした。
おつまみは、三田市の特産品をちりばめた「特製三田おつまみ弁当」。
「特製三田おつまみ弁当」お品書き
・三田の地酒(三田壱)を使った蒸し鶏の新生姜風味
・白身魚のフライ 三田産トマトのエスカベッシュ
・三田米を使った 小さな焼おにぎり
・出し巻卵とおくらの胡麻和え
・夏野菜のカポナータ カレー風味
・煮物3品盛
どの料理も上品な味付けで、ビールとペアリングすると互いのおいしさを引き立てあうようでした。個人的には、蒸し鶏が一番のお気に入り。新生姜の主張しすぎない爽やかな香りが、キリン一番搾りの軽やかな麦の香りと好相性でした。
ちなみにこの特別列車には、「アルコール飲料のお持ち込みはご遠慮ください」という注意事項があります。逆にいえば、アルコール飲料以外は持ち込み自由なのです。私は、お弁当もついていることだし別にいいだろう、と手ぶらで参加したのですが、中には、餃子や寿司を持ち込んで、ビールとともに楽しんでいる方も見受けられました。
ミュージアムトレインがキリンビール仕様に
今回の運行で使用されたのは、通常は「ミュージアムトレイン」として運行されている車両でした。車体に描かれている、神戸電鉄のマスコットキャラクター「しんちゃん&てつくん」のイラストが印象的です。
そんな車両ですが、今回は車内がすっかりキリンビール仕様になっていました。ポスターや提灯が並び、まるでキリンビール直営のビアガーデンのような雰囲気です。
神戸電鉄のスタッフも全員、キリン一番搾りのTシャツを着用。運転席のそばに置かれている「しんちゃん」のぬいぐるみにもおそろいのTシャツを着せるという徹底ぶりでした。
運行ダイヤに苦心の跡が
今回の運行区間には一部、単線区間もありますが(有馬口駅~岡場駅、および田尾寺駅~横山駅)、当然ながら、通常の営業列車の運行に影響を及ぼさないように特別列車を走らせる必要があります。しかも、普通に走らせれば30分強で着いてしまう谷上駅~三田駅間を、ゆっくりと飲食が楽しめるように2時間近くかけて、さらにはトイレ休憩も考慮して運行しなければいけません。
当日の運行ダイヤは、確かに、ご担当者の苦心の跡が垣間見えるものでした。
まずは20:24、単線区間に入る直前の有馬口駅。ここで7分ほど運転停車し、対向列車の待ち合わせが行われました。
岡場駅では、時間調整とトイレ休憩を兼ねて、20:35から21:20まで、実に45分もの長時間停車。ここでお手洗いを済ませておくよう、念押しのアナウンスがありました。
参加者は、そのまま車内で盛り上がっていたり、ホームを散歩したり。中には、おつまみが足りなくなって買い出しに向かう方も見られました。
最も興味深かったのが、田尾寺駅~横山駅の単線区間の真ん中にある道場南口駅で起こった出来事でした。列車は21:30にいったん止まった後、なんとバックし始めたのです!
列車は駅近くにある神戸電鉄の第三車庫(通称・道場車庫)に入って、対向列車の待ち合わせと後続列車の退避が行われました。ホームが1・2番線の2線のみのため、列車交換が行われるこの駅で退避するには、車庫に入ってホームを空けるしかないのです。
普段は入ることのできない線路、見ることのできない光景に、私はもう興味津々。21:39の再出発まで、車外をキョロキョロ見回しつづける様子は、はたから見るとかなり挙動不審だったに違いありません。
道場南口駅付近の地図。駅の南側に神戸電鉄の第三車庫がある。 |
そして21:53、終着の三田駅に到着。酔客100人を降ろさなければならないわけですが、停車時間はわずか3分間!
横山駅~三田駅間は複線区間とはいえ、約7分に1本の列車が走っており、しかも三田駅のホームは2線しかありません。このため、後続の営業列車が定刻に駅へ到着できるよう、速やかに折り返して、ホームを明け渡す必要があるのです。
少々慌ただしく列車から降りて、本日のイベントは無事終了となりました。
<『ビール片手に三田へGO!』開催概要> 日時:2019年8月2日(金)20:10〜22:00、3日(土)15:10~17:00 運行区間:谷上駅→岡場駅(停車・トイレ休憩)→三田駅 主催:神戸電鉄株式会社、兵庫県三田市 協力:キリンビール株式会社神戸工場、キリンビール株式会社神戸支社 http://www.shintetsu.co.jp/release/2019/190531.pdf |
三田ビール検定
今回の特別列車は、11月に行われる「第3回三田ビール検定」のプレイベントとして、神戸電鉄と兵庫県三田市の主催で運行されたものです。実際、参加者の中には「三田市の広報紙で知って応募した」と話す方も。
三田ビール検定は、三田市が実施している、いわゆる「ご当地検定」です。
しかし、なぜ三田市がビールをテーマにしたご当地検定を行っているのでしょうか。
実は、日本人で初めてビールを醸造したとされる幕末の蘭学者・川本幸民(1810年~1871年)の生まれ故郷が三田藩(現・三田市)なのです。
ビール以外にも、種々の洋書の和訳(『化学新書』が最も有名。「化学」という単語を日本で初めて使用)、マッチの試作、銀板写真の撮影など、様々な業績で知られています。
三田市では、そんな川本幸民に敬意を表し、「三田ビール検定」を2017年から年1回実施しています。
検定の出題内容は、ビール文化に関する設問が7割、三田の歴史や文化に関する設問が3割。正答率6割以上で初級合格となり、合格証と認定バッジがもらえます(中級・上級は複数回受検しないと取れません)。そして、満点を取ればなんと、賞状とともに「三田ビール検定特製ビアマグ」も贈呈されます。これは、満点を狙ってみたくなりますね。
ビール文化の街・三田市のユニークなご当地検定。ビール好き・歴史好きの皆さん、腕試しに受検してみてはいかがでしょうか?
<第3回三田ビール検定概要> 日時:2019年11月3日(日・祝)14:00~ 場所:三田市まちづくり協働センター(兵庫県三田市駅前町2-1)など 申込締切:2019年10月11日(金) 主催:兵庫県三田市 協力:キリンビール神戸工場 https://www.city.sanda.lg.jp/citysales/sanda-beer-kentei.html |
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。