“ファミリー”で祝った新生Tapster。ピルスナーウルケル タップスター野々村光太郎誕生イベント参加報告&インタビュー
Pilsner Urquell(ピルスナーウルケル以下PU)ではビールの注ぎ手に関する認定バーテンダーの称号“Tapster”という制度がありますが、新たなTapsterの野々村光太郎氏の誕生を祝うイベントがニユートーキヨー数寄屋橋本店1階「Brau Haus」にて8/10に行われました。
野々村光太郎氏過去インタビュー記事
“ピルスナーウルケルのタップスター第二陣の凱旋!PUの魂を伝える伝道師が未来を照らす”
この誕生イベントにチェコよりアジアパシフィックのヘッドTapsterのAdam Vlĉek (アダム・ブルチェック)氏も駆けつけました。
アダムと謎のゲスト!?がお祝いする新たなTapsterの誕生。
まずは参加者みんなで「Na Zdraví!」(ナズドラヴィー)ご存知チェコ語の乾杯!Tapsterのプログラムでは「Na Zdraví!」の際には相手の目をしっかり見て乾杯するところまで指導されたということで、参加者周りの人と笑顔で相手の顔を見ながらジョッキを合わせました。みなさんゴクゴク飲むので、ハラディンガ、ミルコ、シュニット(本記事の最後 ※PUの注ぎ分け参照)と二人のTapsterから注がれていきます。
乾杯に続いてRoad to Tapsterというプレゼンテーションで野々村氏が経験した2019年6月中旬の怒涛の一週間を振り返りました。(Tapsterプログラムの内容は上段記事(リンク)に詳細)
以下、当日のお話の内容に加えて、イベント後に直接本人から伺ったコメントです。
野々村:(チェコのプログラムでは)注ぎの技術はもちろん習う重要なことで、ただ注ぐ前の品質管理の部分もすごく大切な事だと教えられます。それが出来た上でしっかりとした技術でお客様にビールをお出し出来ます。その後にPUがどういったビールなのかを体現で、言葉でお客様に魅力を伝えていく事がTapsterの仕事の役割なんです。
(Tapster修了後)”責任感”という意味ではPUの看板を背負わせてもらっているので、その部分を感じています。とはいえビールは本来、楽しいものなので、これまで自分が行なってきた日本のレストランの接客やお客様との関係性の形があるんですけど、チェコに行って良い意味でもう一回ゼロスタートになったような、元々持っていた”自分自身が楽しんでいないとお客様が楽しめるわけがない”、という考えがより強まったと感じています。
関わる人全てがファミリー
これだけ美味しいビールをどれだけの言葉と味でお客様に伝えられるか、プログラムでPUが情報を隠さず全てを伝える姿勢は関わる人、注ぎ手、飲み手の皆さんがファミリーという考えに基づいています。昨今のビール離れ、と言われる中で、提供する側のシフトチェンジも理由の一つなのかな、と自分は感じています。提供する側も様々な理由で勧めやすい別の飲み物を提供していて、もっとビールってこんなにいいものなんだよとしっかり伝える努力をしていく必要があると思っています。
近年のクラフトビールブームをSNSから見てみると、ブームを支えているのは若年層の女性など今までとは少し違う文化があり、しっかりとした土台が出来つつあると感じています。それに対して我々(提供する側)がこれまでと同じような動きをするのではなく、この新しい層を巻き込んでファミリーとしてビールを文化として大きくして行くことを意識していきたいし、その意識はチェコのプログラム後により強まったと感じてます。
明日のために今日を楽しむ
僕自身は明日のために今日を真剣に楽しむ意識が元々あって、毎日を一生懸命生きるのも大切でそれを疎かにしてはいませんが、もうちょっと先をみてどれだけ楽しむか、どれだけストーリーを作り上げるか、そして必ずゴール地点を自分の中で決めています。
今日という日は明日のためにあって、何を発信していけるのか。Tapsterの役割の一つとしてSNSなどの活用によるコミュニティの拡大を担っているので、日々いろいろ考えながら積極的に発信していくようにしています。(Instagramアカウント tapster_kotaro_nonomura)
一日に百人以上に知り合うことは他ではなかなか出来ない事ですが、この仕事にはそれが出来る。すごい数の人とすぐに親密になれるし、そこにPUという共通項があるとさらに楽しいにつながっていくと思います。
初対面なのに初対面じゃなくて乾杯だけで仲良くなれる、魔法の液体。僕は乾杯は世界を平和にすると本気で思ってます。(笑)
PUの許容する範囲内で注ぎ手によってこのビールの活かし方は変わると思っています。佐藤氏の味、アダム氏の味、野々村の味…その味わいの違いも是非楽しんでほしいです。
誕生会はファミリー(参加者)が祝福する温かな雰囲気に包まれる中、シークレットゲストの日本人初代Tapsterの佐藤氏が登場。いきなりマイクを渡され祝福、今後の期待についてコメント、最後にみんなで集合の記念撮影を行いました。
関係する全てがファミリーと考えるPU、Tapster、そして野々村氏。ビールを通じたつながりが関係性を作り出す素晴らしい考えに、本当にビールっていいものなんだと心に染み入るイベントでした。
注ぎ手によって個性のあるピルスナーウルケル。まずは「Brau Haus」にて新生Tapsterのハラディンカ、ミルコを味わってみてはいかがでしょうか。
ニユートーキヨー数寄屋橋店1階「Brau Haus」 http://www.newtokyo.co.jp/tempo/newtokyo/sukiyabasi/sukiyabasi_f1.htm
【イベント情報】
祝福に駆けつけてくれたアダム氏も来日予定のチェコフェスティバル 2019が今月下旬に開催されます。会場でもPUとチェコグッズの販売が行われます。
チェコフェスティバル2019
2019年9月27日-9月29日
原宿クエストホール
東京都渋谷区神宮前1-13-14 3階
https://czechrepublic.jp/sneak-peak/czechfestival2019/
※ピルスナーウルケルの注ぎ分け
ハラディンカ(HLADINKA)
PUが推奨するチェコの伝統的な注ぎ方。泡の部分を先に注ぎ、炭酸を抜いた部分からビールの味わいを引き出し、その泡の下に液を注ぎ込みながら泡立てて注ぐ。
「Brau Haus」の通常メニュー。
ミルコ(Mlíko)
PU専用グラスのほとんどが泡、というなんとも贅沢、クリーミーな舌ざわり、ほとんど炭酸を感じさせない柔らかなのど越し、ビールの泡の旨味を堪能できます。泡はどんどん液化していくので注がれたらすぐに飲みましょう。
「Brau Haus」の通常メニュー。
シュニット(Šnyt)
ハラディンカよりも泡の分量が多く、グラスの上部に空間が指1本、そして泡が指三本、液体が指二本分となり、ビールの樽開栓時の品質確認のための注ぎ方といわれています。(メニューにはありませんが、野々村氏にお願いしてみてください)
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。