[イベント]2019.9.19

「滋賀にクラフトビールを根差そう!」その大きな一歩となった【びわ湖クラフトビール祭り】イベントレポート

今年初めての試みとなる「びわ湖クラフトビール祭り」。9月8日(日)に滋賀県彦根市で開催された。当日の最高気温は約33度と残暑厳しい中、実行委員の想定を超える来場者で、盛況のうちに終了するイベントとなった。「滋賀にクラフトビールを根差そう!」という想いで企画がスタートした今回のイベント。当日のイベントレポートとともに、実行委員がイベントに込めた想いや今後の展望などをお届けする。

 

■滋賀県内外から10のブルワリーが集結!

2018年に滋賀県内で複数のブルワリーが誕生し、合計5つとなった。開催地彦根市で「さざなみ酒店」を営み、実行委員長でもある安齋氏が、「滋賀のブルワリー、クラフトビールを自信をもってアピールできるようになった。集客も見込めるのでは」と発起人となって企画がスタートした。当日は、県内から5つのブルワリー、県外から関西を中心に5つのブルワリーが参加。どのブルワリーも来場者が途絶えず、イベント終了間際には売切れる銘柄も。新しい銘柄が売り出されると会場内にアナウンスされ、来場者の行列ができていた。

会場は滋賀縣護國神社境内。奉納神事の後、イベントがスタート。

 

「#びわ湖クラフトビール祭り」でSNSにたくさんの投稿が。

 

2018年に滋賀県近江八幡市で醸造をスタートした二兎醸造。実行委員長の安齋氏曰く「心揺さぶられた愛すべきブルワリー。二兎醸造が造るストイックなビールが本イベントの大きなきっかけとなった。」

 

2018年に滋賀県大津市で醸造をスタートした「近江麦酒」。

 

2019年に誕生した和歌山県有田郡のブルワリー「Nomcraft Brewing」。

 

■クラフトビールと美食のペアリング!

2016年度から2018年度にかけて彦根市で実施された『近江「美食都市」推進プロジェクト』。彦根市では、「美食」で市内観光消費の拡大による地域経済の活性化を目指してきた。それを受けて、今回のイベントでも「クオリティの高い店舗を誘致しよう!」と彦根市を中心に実力で活躍する有名店10店舗が出店し、和食、中華、イタリアン、フレンチ、スイーツなど幅広い料理が楽しめた。注目は、事前の抽選で決まったクラフトビールとのペアリング料理で、クラフトビールにベストマッチの自信作を各店舗が提供していた。

イベントに提供された「ベストペアリング20」。【画像は実行委員会facebookより】

 

びわこいいみちビールの「ストロング」(スタイルはアルト)とのベストペアリング料理「とろとろ豚バラ肉とキャロットラペ」。甘みやコクのあるビールと豚バラの脂身の甘さがマッチするのではと「meet kitchen natsu」スタッフがビールを飲んで考案。

 

「meet kitchen natsu」スタッフ。

 

■環境にも配慮した運営

当日の運営は、環境にも配慮し、様々な工夫がなされていた。ゴミの散乱を防ぐために、ゴミ箱は1か所に集結し、スタッフを常駐させ、来場者にも分別の徹底をお願いしていた。また、なるべくプラスチックごみを減らすべく、クラフトビールを提供するプラカップもリユースに。実行委員の手作りのグラスリンサー(洗浄機)が大活躍していた。また、紙皿や紙ストローなど、随所に工夫が見られたイベントだった。

カップの洗浄機「グラスリンサー」。実行委員会設備担当がオランダから部品を仕入れて作った自作品!

 

■「滋賀にクラフトビールを根差そう!」実行委員会の想い

当日の来場者は約2,000名。実行委員の当初の予想を大きく上回るものだった。実行委員長である安齋氏は、地元彦根市で3代続く「さざなみ酒店」の店主。店を継いだ当時は、いわゆる「町の酒屋」だったが、大型スーパーなどに押され、売り上げは振るわない状況だった。約20年前にベルギービール「ヒューガルデン・ホワイト」に出会い、「好きなものを売る商売」がしたいとベルギービールや日本のクラフトビールを扱うようになった。しかし、その頃は周囲にベルギービールに関する話題が通じる人も少なかった。ただ、安齋氏は「流行っているものではなく、本当にいいものを提供したい」という想いで、ブルワリーとの関係性を地道に築き、自身が良いと思えるビールを扱ってきた。ここ数年、日本でブルワリーが増える中、滋賀県でも5つのブルワリーができた。2018年に滋賀県近江八幡市で醸造をスタートした二兎醸造のビールを飲んだ安齋氏は「心を揺さぶられた」と言う。二兎醸造のバト氏と語る中で、そろそろ滋賀県でクラフトビールのイベントを開催しても、ある程度の集客を見込めるのではないかと、今回のイベントのきっかけを掴むことができた。実行委員は、安齋氏が地元商工会議所青年部に所属する企業など地元のメンバーがメイン。地元の人達で盛り上げたいという、安齋氏に賛同するメンバーが集まった。彦根市で広告代理店を営む実行委員北川氏は「実行委員それぞれの仕事が終わった後、21時から集まって、ミーティングが終わるのは深夜1時ということもあった。でも、来場者から『幸せな時間を提供してくれてありがとう』と言われた時は感無量でした。『来週もこのイベントはあんのか?』と言うお客さんもいましたよ(笑)」と笑顔を見せてくれた。「滋賀にクラフトビールを根差したい」「地元を盛り上げたい」という実行委員の想いが結実したイベントとなった。

受付担当の実行委員メンバー。

 

■今後の展望に関して

来年の展望について尋ねた所、安齋氏は「まだ来年のことは考える余裕はないですね(笑)でも、今年ベースができたので、よりお客様に喜んでもらえるようにブラッシュアップしていきたいです。近江商人の『買い手よし 売り手よし 世間よし』の三方よしの精神で、来年にも繋げていきたいです」と語ってくれた。名古屋や神戸など遠方からの参加者も多かった模様で、来年以降どんな発展を遂げるのか非常に期待が持てるイベントとなった。「滋賀にクラフトビールを根差す」大きな一歩となったのではないだろうか。

 

■参加ブルワリー

・滋賀県近江八幡市 二兎醸造(株)TWO RABBITS BREWING COMPANY

・大阪府箕面市 箕面ビール

・滋賀県長浜市 長濱浪漫ビール

・愛知県名古屋市 Y.MARKET BREWING

・滋賀県蒲生郡 HINO BREWING.Co.,LTD

・三重県伊勢市 伊勢角屋麦酒

・滋賀県大津市 近江麦酒

・兵庫県神戸市 六甲ビール醸造所

・和歌山県有田郡 Nomcraft Brewing

・滋賀県甲賀市 びわこいいみちビール

 

■参加飲食店

・イタリア食堂 FUKUMOTO(彦根市小泉町)

・オイスター&スパニッシュイタリアン ジラソーレ(彦根市本町)

・からあげ専門店 福から(彦根市戸賀町)

・串カツ・一品   阿吽(彦根市小泉町)

・Gelateria Azzurro(彦根市銀座町)

・創作和食 花・笑家(彦根市中央町)

・中国料理 招禄(彦根市河原)

・violet ビヲレ(多賀町月之木)

・フランス料理 APPRENTI(彦根市佐和町)

・meet kitchen natsu(彦根市肥田町)

 

■びわ湖クラフトビール祭り データ

日時:2019年9月8日(日)10:00~17:00

場所:滋賀縣護國神社 境内(JR西日本琵琶湖線彦根駅西側下車、彦根城方面徒歩10分)

〒522‐0001  滋賀県 彦根市尾末町1番59号

公式ホームページ:https://peraichi.com/landing_pages/view/biwakocraftbeer

主催:びわ湖クラフトビール祭り実行委員会

後援:彦根市、彦根商工会議所、彦根観光協会、近江ツーリズムボード

 

【連絡先】

Mail:biwakocraftbeer_fes@yahoo.co.jp

Twitter:https://twitter.com/BiwakoCraftBeer

Facebook:https://www.facebook.com/events/2124913184473559/

Instagram:https://www.instagram.com/biwakocraftbeer/

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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