【JBJAChannel】トラピストビールってなぁに?
ビールに愛された皆さまへ!
今日公開のJBJAChannelでは、トラピストビールのご紹介をしております。
トラピストビール。ちょっと良く聞く名称ですよね。
キリスト教の修道院で作られている銘柄、というわけでもないのです。
単なる修道院のビールは、「Abby Beer」というような名称になるところですが、
トラピストビールというのは、トラピスト修道会という会派に属していて、
・修道院敷地内で
・修道士が陣頭指揮を取って
・自らの活動のため以外の余計な収益を得ることを目的としない
といった、いろいろなしきたりの中で認められたビールだけが、
「Authentic Trappist Prodact label」を付けることが認めれているのです。
最近のデータでは、下記の12の醸造所(修道院の醸造所)が認められています。
1.Brouwerj der Trappisten van Westmalle (Belgium ウエストマール) (1836~)
2.Brouweji Westvleteren (belgium ウエストフレテレン)(1838~)
3.Bieres de Chimay (Belgium シメイ)(1863~)
4.Brouwerji de Koningshoeven(Neitherland コニングショーヴェン)(1884~)
5.Brasserie de Rochifort(Belgium ロシュフォート)(1899~)
6.Brasserie d’Orval(Belgium オルヴァル)(1931~)
7.Brouweriji der Sint-Benedictusabdiji de Achelse (Belgium アヘル)(1998~)
8.Stift Engelszell (Austra スティフトエンゲルツェル)(2012
9.St.Joseph’s Abbey in Spencer,Massachusetts (America セントジョセフスペンサー)(2013~)
10.Brouwerji Abdji Maria Toevluchi(Neitherlands)(2013~)
11.Tre Fontane Abbey(Italy)(2015~)
12.Mount St.Bernard Abbey(England)(2018~)
13.Mont des Cats(France 1826~)
14.Cervaza Cardena Trappist(Spain )(2016~)
主にベルギーが主醸造所が多いため、ついベルギービールの中の一つのジャンルなのかな?と思いがちなのですが、実はそうではないのです。キリスト教の修道会の会派の一つである、(日本にも布教にきたフランシスコ・ザビエルのイエズス会なんて、聞いたことありますよね?)「厳律シトー会」という一つの会派の方々が作っているビールなのです。
ビールは好きでも、キリスト教には詳しくない方に少しだけ解説致しますと、
キリスト教には宗教に従事する方々がいます。(この場合は、主にカトリックになります。ルターやカルヴィンによる宗教改革については別途お勉強願います)
修道院という、キリスト教の信者の中でも特に「神様に仕えたい!」と熱望する方々が入る(就業する)宗教施設があります。
そこでは何が行われているかといいますと、主に祈りと奉仕の生活です。
お祈りといえば、私たちは「神さま、大好きなあの人と気持ちが通じますように」とか「お金持ちになれますように」とか「子供が無事に就職しますように」などといった願望成就のための気持ちの吐き出し口にするようなイメージがあると思いますが、
どうやらキリスト教のお祈りというのはそういうこととは少し違うようです。世界ために、人々の生活のために、身近な人の病の苦しみを和らげるように、なにより神が望む世界が実現されますように、といったことを日々の生活を捧げて祈るという人生を送るために、修道士・修道女の皆さまは召し出されるのです。
ビールから、かなり話が逸れてしまいました。
トラピスト修道院では、祈りと労働が大きな活動の軸となっています。修道院では、祈りメイン、労働サブメイン、といった中で、ビールやチーズ、お菓子などの対外的に販売できるもののほかに、自らの食糧のための畑など農作物なども生産しています。なにより、神様に捧げるお祈りがメインとなるので、私たちが考えられないような厳しい戒律の中で、その合間にビールなどを作ってくれているのです。
今回はオルヴァルとシメイブルーを頂いたのですが、そのような規律の中で作られるビールと思って飲むと、また一つ、大切なビールという気持ちになれると思います。
ビールって、知れば知るほど楽しくおいしく飲めるものですね。是非皆さまも、ご一緒にお楽しみいただければと存じます。
こんな私たちですが、皆さまによりよい情報を今後もお送りできるように、チャンネル登録と「いいね!」をお待ちしております。また、姉妹チャンネルのCraftBeerEnglishと、JBJA Radioもぜひよろしくお願致します。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。