[コラム,ブルワー]2020.1.18

【ビアライゼ】ドイツ – WindescheschenbachとNeuhausでZoigl(ツォイグル)を味わおう!

ビアライゼ、それは美味しいビールを求めて、日本や世界各地をめぐる旅。筆者はビールを求め、ドイツやベルギーなど欧州をよく旅しています。2019年末から2020年年始にかけてドイツを旅した際、バイエルン州オーバープファルツ地方のWindischeschenbach(ヴィンディッシェッシェンバッハ)とNeuhaus(ノイハウス)で、Zoigl(ツォイグル、もしくはゾイゲル)というビールをたっぷり楽しみました。その紹介を致します。

Zoiglはついては、下記を参照

【ビアライゼ】ドイツ – オーバープファルツ地方のビール Zoigl(ツォイグル)

WindischeschenbachとNeuhausについて

Windischeschenbach(ヴィンディッシェッシェンバッハ)

Windischeschenbach(ヴィンディッシェッシェンバッハ)は、ドイツ南東部バイエルン州のオーバープファルツ地方ノイシュタットアンデアヴァルトナアブ郡にある町です。オーバープファルツ⾏政管区の区都レーゲンスブルクからは、約100Km北に位置します。人口は約5000人(2019年時点)。歴史は古く、950年にレーゲンスブルクの聖エメラム修道院の修道士によって僧院設立まで遡ります。その後、1455年にZoigl醸造権取得、1605年にマーケットに昇格、1952年には町に昇格しました。長い名称には理由があります。1424年まで、この地域はEschenbach (エッシェンバッハ)と呼ばれていましたが、西にあるEschenbach (エッシェンバッハ)と区別するために、Wendenland (ウェンデンランド)=Böhmen(ボヘミア)に近いので、Windisch (ウィンディッシュ)が追加され、Windischeschenbach(ヴィンディッシェッシェンバッハ)になりました。

(左)聖エメラム教会、(右)Windischeschenbachの共同醸造所Kommunbrauhaus

Neuhaus(ノイハウス)

Neuhaus(ノイハウス)は、現在はWindischeschenbachの地区の一つです。歴史は古く、1300年頃にノイハウス城が建てられ、1393年にマーケットが設立、1415年には町に昇格。また、1415年にZoigl醸造権取得。しかし、1662年に落雷により壊滅、1887年には火災により壊滅しましたが、その後に復興を果たしています。1972年に、Windischeschenbach(ヴィンディッシェッシェンバッハ)に編入、現在に至ります。

(左)ノイハウス城、(右)Neuhausの共同醸造所Kommunbrauhaus

Zoiglを味わおう

1.Zoiglstubenの営業日確認

伝統的なZoigl(ツォイグル)は、Zoiglstuben(ツォイグル醸造者の家、店)で味わうことができます。しかし、Zoiglstubenの営業日は、個々に差異があるので注意が必要。通常は複数あるうち、1~2店舗が週末(金曜日~月曜日)のみ営業します。訪れる前に、Zoiglstubenの営業日を「Zoigltermine」などで確認しましょう。

WindischeschenbachのZoiglstuben [営業日(ドイツ語)]
– Beim Gloser
– Binner
– Fiedlschneider
– Schloßhof
– Zum Roud’n
– Zum weißen Schwan

NeuhausのZoiglstuben [営業日(ドイツ語)]
– Bahler
– Käck’n
– Lingl
– Schafferhof
– Schoilmichl
– Teicher

2020年の営業日カレンダー(店舗にて、紙で配布されているものより抜粋)

同じ週で営業しているZoiglstubenは、Windischeschenbachで1~2店舗、Neuhausで1~2店舗のため、同日に巡れるのは多くても3店舗です。営業中の店舗は、看板や軒先に「印」が吊るされているので、一目で分かります。「印」は、Zoigl Star(ツォイグルスター)の六芒星が多いですが、店舗により差異があります。

営業中のZoiglstubenには、Zoigl Starなど「印」が吊り下げている

2.Windischeschenbachへ向かう

Windischeschenbach駅へ

今回のビアライゼでは、筆者はレーゲンスブルクに滞在しておりました。レーゲンスブルクは、ミュンヘンの北東110Km(RE電車で約1時間30分)、ニュルンベルクの南東100Km(ICE高速鉄道で約55分)の距離にある都市。レーゲンスブルク中央駅からoberpfalzbahn(オーバープファルツ鉄道)に乗り、約1時間10分ほどのWindischeschenbach駅に向かいました。切符はドイツ鉄道(DB)の自動券売機、ドイツ鉄道のWEB Site、スマフォアプリ「DB Navigator」などで購入が可能。なお、旅行日程および時間帯が合えば、Servus-Ticketなど指定日の特定時間帯が乗り放題となるチケットを使い、電車賃を抑えることが出来ます。

(左)DBの自動券売機で購入した切符、(右)Windischeschenbach駅の東側プラットフォームに到着

 Windischeschenbach駅~交差点

Windischeschenbach駅は無人駅。駅舎は封鎖されており、窓口や売店はありません。東側は出口はなく、崖と工場。西側は出口、住宅地と中心部に続く道路があります。

Windischeschenbach駅周辺の地図

駅西側の道路を道なりに北西に進むと、Windischeschenbachの町の中心部に着きます。なお、この道は丘を越えるので、上り坂です。この辺りは丘陵地帯のため、坂道が多い印象。

(左)Windischeschenbach駅西側、奥の道路を右折し北に進む。(右)丘を越えるので、上り坂になっている

丘を越え、下り坂に入って少し行くと、右手に「Brauerei Würth」の醸造所が見えます。この地域にある商用醸造所ですが、Zoiglstuben(ツォイグル醸造者の家、店)ではありません。道なりに進むと交差点があり、直進するとWindischeschenbach、右折するとNeuhausへの分岐点となります。

交差点、直進するとWindischeschenbachへの石畳の道、右折するとNeuhausへの道の分岐点

交差点~Windischeschenbach中心部

丘を下った先の交差点を直進すれば、Windischeschenbach(ヴィンディッシェッシェンバッハ)の中心部のハウプト通りです。ここから先は石畳の道。しばらく進むと左手(西側)に市庁舎が見え、その先を左折(西側)するとKommunbrauhaus(共同醸造所)があります。ハウプト通りに戻り、道なりに進むと右手(東側)には、聖エメラム教会があります。聖エメラム教会付近には、Zoiglstuben(ツォイグル醸造者の家、店)が複数点在。なお、Windischeschenbach駅から聖エメラム教会付近までは、徒歩で約15~20分かかります。

(左)聖エメラム教会、(右)中心部のハウプト通り、聖エメラム教会周辺には、Zoiglを味わえるZoiglstubenが点在

交差点~Neuhaus中心部

丘を下った先の交差点を右折(東側)し、鉄道線路下のトンネルを通り、ヴァルトナープ川を越えた地区がNeuhaus(ノイハウス)。Neuhaus中心部は小高い丘の上にあり、車であれば緩やかな坂の車道を進みます。徒歩であれば近道ができ、車道の右側の道から、少し登って左に行けばNeuhaus中心部へ道、右に行けばノイハウス城への階段となっています。

(左)徒歩での近道、(中)Neuhaus中心への道、(右)ノイハウス城への階段

車道や近道のどちらの道を通っても、聖アガサ教会の近くにたどり着きます。聖アガサ教会付近には、Zoiglstuben(ツォイグル醸造者の家、店)が複数点在。聖アガサ教会前の道を東に行き、右折(南)して少し進むと、Kommunbrauhaus(共同醸造所)があります。聖アガサ教会付近には、Windischeschenbach駅から徒歩で約20~25分かかります。坂道は勾配がきつめなので、歩き慣れていないと、25分以上かかる可能性あり。

(左)聖アガサ教会、(右)聖アガサ教会前の通り、付近にZoiglを味わえるZoiglstubenが点在

ZoiglstubenでZoiglを楽しむ

筆者は、WindischeschenbachとNeuhausに週を変えて2回訪れ、下記の5つのZoiglstuben(ツォイグル醸造者の家、店)でZoigl(ツォイグル)を楽しみました。同じKommunbrauhaus(共同醸造所)でつくられたZoiglでも、Zoiglstubenによって差異があります。しかし、飲みやすく美味しいビールであることは変わりません。値段は500mlで、2EUR前後と非常に安価。また、どのZoiglstubenも、フレンドリーな雰囲気であり、居合わせた地元の方やZoigl醸造家との会話が弾みました。

Neuhaus – Teicher

(左)外観、(右)TeicherのZoigl

Windischeschenbach – Beim Gloser

(左)外観、(中)Beim GloserのZoigl、(右)レバーペースト・ヴルスト

Neuhaus – Bahler

(左)外観、(右)BahlerのZoigl

Neuhaus – Schafferhof

(上)Schafferhofの看板、(下左)Schafferhofの建屋は複数あり、その1つ、(下右)SchafferhofのZoigl

Windischeschenbach – Binner

(上)外観、(下左)木樽から重力によるサービング、(下右)BinnerのZoigl

500年以上の歴史を持つビールZoigl(ツォイグル)。伝統的な醸造方法を守り、無濾過で新鮮で提供される本物は、現地でしか味わうことが出来ません。ドイツのバイエルン州オーバープファルツ地方を訪れる際は、Zoiglstuben(ツォイグル醸造者の家、店)を訪れて、Zoiglを味わうことをおススメします。

この記事が、素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。


Zoigl Bier(ドイツ語)

Web Site:https://zoiglbier.de/

OberpfalzZoiglオーバープファルツツォイグルドイツドイツビールビアライゼ

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

Atsushi Taguchi(田口 篤史)

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビール大好き!ビールを求めドイツやベルギーを中心にヨーロッパをよく旅していました。
世界にも日本国内にも、素敵なビールはまだまだたくさんありますので、巡りたいところは尽きません。
ビールの素晴らしさ、楽しさを多くの人に伝えていきたいと思います。
Enjoy!Beer!

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