お店の扉を開けたら、天井から吊り下げられたJリーグ各チームのカラフルなタオルマフラーが私を出迎えてくれました。

天井から吊り下げられている、Jリーグ各チームのタオルマフラー。

Jリーグ・ファジアーノ岡山を応援するビアバー「CRAFT Rainbow」は、JR岡山駅から徒歩約9分の立地。大通りから少し離れた比較的静かな場所ですが、店内のテレビではサッカーをはじめとする様々なスポーツ中継が放映され、常連客による熱い応援が繰り広げられていることもしばしばあります。

冷蔵庫の上にも、Jリーグ各チームのマスコットキャラクターのぬいぐるみが並んでいます。

岡山でおいしい国産クラフトビールを！

地元のチームを応援できる店を造るべく、井坂成保氏が2016年12月に開店したクラフトビールと趣味の店「CRAFT Rainbow」。
店名は、井坂氏が大好きなロックバンド「the pillows」の代表曲の1つ「ハイブリッド レインボウ」にちなみ、岡山から世界への架け橋のような店になりたいという想いも込めて付けられています。

最も嬉しい瞬間は「お客様の笑顔」という井坂氏。

ビールは5タップ。うち4タップは、国産クラフトビールが樽替わりで提供されます（残りの1タップは常設のサントリー　ザ・プレミアム・モルツ）。

イチオシのおつまみは、オリーブ。井坂氏が以前に働いていた専門店から仕入れているオリーブは、さすがのおいしさです。ほどよい塩気とさわやかな香りで、ビールが進みます。

オリーブが絶品！（写真提供：井坂成保氏）

お店のロゴマークにも、オリーブがあしらわれています。

「CRAFT Rainbow」のロゴマーク。左から順に、オリーブの実、ホップの毬花、そしてサッカーボールが描かれています。

3周年記念のオリジナルビール「ファジーな予感」

2016年12月23日にオープンしたCRAFT Rainbowは、先月3周年を迎えたばかり。
記念のオリジナルビール「ファジーな予感」を飲むことができました（取材日：2019年12月28日）。

オリジナルビール「ファジーな予感」。

「ファジーな予感」は、岡山の特産品である桃と、常連客のみかん農家から取り寄せたみかんが用いられたフルーツヴァイツェンボック。商品名の「ファジー」は、カクテルのファジーネーブル（ピーチリキュール＋オレンジジュース）と、ファジアーノ岡山とをかけた命名です。醸造は山口地ビール。

口に含むと、クローブやフェノールのような、いかにもヴァイツェンらしい香りが広がります。その後、バナナやオレンジ、ピーチなどといったフルーティーなフレーバーが鼻に抜けてきます。飲み込んだ後に口中に残るのは、小麦や酵母の落ち着いた味わい。
桃を用いたヴァイツェンというと、ついつい、箕面ビールの国産桃ヴァイツェンのような、桃の香りがもっとはっきり前面に出たものを想像してしまいますが、こちらは、フルーツの主張は比較的おとなしく、あくまでも少しフルーティーなヴァイツェン、といった方向性です。

このオリジナルビールはもうそろそろ完売となってしまいそうですが、井坂氏は、今後も「岡山の美味しい果物とのコラボレーションビールは創っていきたい」と、早くもオリジナルビール第2弾を構想中。
井坂氏の発想により、どのようなフルーツビールが、そしてどのようなコミュニティが生み出されていくのでしょうか。目が離せません。