田村酒造場 嘉泉×イサナブルーイング 「吟醸ヴァイツェン -吟ぎんが-」を醸造!2020/4/4以降で提供予定
東京都昭島市のブルワリー「イサナブルーイング」と東京都福生市の酒造会社「田村酒造場(嘉泉蔵元)」がコラボを実施。純米吟醸酒に使用される麹でビールを仕込みました。提供は4月4日(土)以降を予定。その魅力について、紹介いたします。
目次
醸造所紹介
イサナブルーイング(ISANA BREWING)
「苦い飲み物でみんなを笑顔にするFactory & Laboratory」が、コンセプトの東京都昭島市のブルワリー。JR青梅線 昭島駅南口より徒歩3分の距離にあります。名前の由来は、「万葉集」にあるクジラの古語「勇魚(いさな)」からです。昭島市は、200 万年前のクジラの全身骨格が出土しており、クジラとも縁の深い地域、ブルワリーのロゴにもクジラが隠れています。美味しい水に恵まれた昭島市は、東京都の自治体では唯一 地下水のみを水源としており、その昭島の深層地下水を使ったビールづくりを行っています。オーナー兼醸造家「千田 恭弘」氏は、コーヒーにも精通しており、自家焙煎の厳選したコーヒーを味わうことが出来ます。また、自社や他社のビールに窒素を溶け込ませて、NITRO化させたビールを多数提供しています。2018年8月16日醸造免許取得。
田村酒造場(嘉泉蔵元)
東京都福生市に本社と工場を置く酒造会社。JR青梅線 福生駅から徒歩約10分の距離にあります。文政5年(1822年)に創業し、東京で現在も伝統を守っている酒造業者の1つ。酒銘『嘉泉(かせん)』の由来は、九代目勘次郎氏が酒造り開始にあたり、井戸を掘った際、大欅の傍から滾々(こんこん)と清冽な泉が湧き出たことからです。この水を「よき泉」と讃え、酒銘を『嘉泉(かせん)』と命名、現在も約200年前の井戸を仕込み水として使用。明治中期まで総本店として、武州一帯(多摩地区、神奈川県、埼玉県の一部)に24の店蔵をもち、経営面、技術面において各蔵を指導する役割を担ってきました。創業者の勘次郎氏からの家訓より、「丁寧に造って丁寧に売る」の精神を守り、現在も酒造りを続けています。
コラボビール誕生の経緯と仕込について
ビアへるんの「おろち」へのリスペクト
イサナブルーイングの「吟醸ヴァイツェン」は日本酒のような香りを持つジャパニーズスタイルのオリジナルビール。日本酒の香りは、発酵時に米麹を投入することで生み出されます。
麹を使用したビールでは、特に島根県のビアへるんの「おろち」が有名です。「おろち」は毎回異なる島根県内の酒蔵とコラボしてつくられるビール。2019年1月にイサナブルーイングにて、おろちをナイトロで出すイベントを開催。ビアへるんの「矢野 学」社長から、「ビール業界と日本酒業界でお互いに酒文化を盛り上げていこう!」というコンセプトがあると伺った、イサナブルーイングの「千田 恭弘」氏は「なんて素晴らしいだ!」と感動し、いつか東京の酒蔵とコラボをしたいと思うようになりました。
田村酒造場(嘉泉蔵元)とのコラボ実現へ
その後、イサナブルーイングに時々訪れる、田村酒造場の頭役(杜氏の補佐役)がイサナブルーイングのビールに興味を持たれました。特に、麹を使った吟醸ヴァイツェンについて盛り上がり、コラボを行うきっかけになりました。その後、田村酒造場の代表と調整し、コラボが実現しました。
コラボビールの仕込み
田村酒造場の出来立ての米麹を使い「吟醸ヴァイツェン-吟ぎんが-」を仕込みます。コラボビールづくりの初めは、田村酒造場にて米麹づくりから始まります。1日目は岩手県の酒造好適米「吟ぎんが」55%を洗米を実施。
2日目、連続蒸米機で蒸して放冷機に掛けた後、麹菌が散布されます。その後、エアシューターで飛ばされてきた蒸米は、麹室にて予定温度で包み保温され、翌日までねかせます。
3日目、引き込まれた蒸米には、麹の菌糸が伸び始めています。朝、切返しという米をほぐす作業を実施し、製麹機に盛り込みを行い、翌日の出麹まで自動で手入れをします。大吟醸の麹だけは10kg盛の木箱で製麹しますが、その他は製麹機により実施とのこと。
4日目に米麹が出来上がり。東京都福生市の田村酒造場(嘉泉蔵元)から、東京都昭島市のイサナブルーイングへ搬送。
次は、イサナブルーイングでビール醸造を行います。粉砕した麦芽をマッシング(糖化)し、濾過した麦汁を煮沸後、ホップの投入。ワールプールにてホップカスを除去し、冷却した麦汁を発酵タンクへ移送の工程を行います。この後は発酵の工程となります。
当日、麹を駆使したビールがコンセプトのファントムブルワリー「一騎釀造 IKKI BREWING」の「阿久沢」氏が訪れ、麹ビール醸造について支援を受けながら、作業を行いました。発酵の工程前に、出来立ての米麹を投入。その後、発酵タンク内で発酵と熟成の工程を経てリリースとなります。
コラボビール「吟醸ヴァイツェン -吟ぎんが-」
「吟ぎんが」とは
「吟ぎんが」は岩手県の酒造好適米。岩手県遠野の宮守川上流生産組合の方にて栽培し、岩手の紫波で精米したものです。以前、田村酒造場(嘉泉蔵元)に出稼ぎで蔵に入っていた蔵人たちは、岩手県の南部杜氏の方々でした。現在、社員蔵人は岩手県の南部杜氏協会の会員で、そのつながりで「吟ぎんが」にこだわりを持っています。そのため、「吟ぎんが」を全面に出したコラボビールの名称に使用しました。
「吟醸ヴァイツェン -吟ぎんが-」について
・ビール名 : 吟醸ヴァイツェン -吟ぎんが-
・スタイル : Weizen
・提供時期 : 4月4日(土)以降
・提供場所 : イサナブルーイング ブルワリー&ロースタリー / 飲食店向けにケグでの外販も可
※提供時期や提供場所は変更の可能性がありますので、事前にイサナブルーイングのFacebookなどをご確認ください。
イサナブルーイングより、下記のメッセージをいただいております。
ビールの醸造を始めてまだ1年半。まさかこんなにも早く日本酒蔵と一緒に仕事をさせていただけるとは思いもしませんでした。責任重大な仕事ですが、杜氏さん目線での醸造の話も伺え、とても楽しく忘れられないコラボビールとなることは間違いありません。このような貴重な経験をさせていただけ、田村酒造場の方々には大変感謝しております。ありがとうございます!
日本酒好き、ビール好きの双方の方々に味わってもらい楽しい時間を過ごせていただければと思っています。現在はまだ発酵中。麹の酵素が多糖類を分解して単糖類にし、単糖類をビール酵母が食べてアルコール発酵をしている真最中です。まさに並行複発酵。いい香りがしてきています。仕上がりがとても楽しみです。
田村酒造場(嘉泉蔵元)より、下記のメッセージをいただいております。
弊社で製造した「麹」をビールの仕込みに使いたいと聞いた時は驚きましたが、面白い企画なので是非とも協力させて頂きたいと思いました。日本酒の仕込みでも「1に麹、2に酒母、3に造り」という言葉があるくらい、麹造りは清酒の仕込みには大事な作業の1つです。
200年近い歴史の中で麹を蔵外に持ち出す事は初めての事ですが、大事に造った麹が、ビール造りの中でどのように活躍してくれるのか楽しみです。
また、田村酒造場(嘉泉蔵元)にて、醸造した日本酒との飲み比べやハーフ&ハーフを楽しむイベントを企画中。具体的な日付は、イサナブルーイングのFacebookなどで公開される予定です。
「吟醸ヴァイツェン -吟ぎんが-」を飲もう!
ブルワリーと蔵元のコラボによって生まれたビール「吟醸ヴァイツェン -吟ぎんが-」。イサナブルーイングにて4月4日(土)以降に提供予定です。是非、イサナブルーイングのブルワリー&ロースタリーを訪れ、味わってみてはいかがでしょうか。
この記事が素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。
■イサナブルーイング(ISANA BREWING)
WEBサイト:https://www.isana-brewing.com/
FACEBOOK:https://www.facebook.com/isanabrewing/
■田村酒造場(嘉泉蔵元)
WEBサイト:http://www.seishu-kasen.com/
FACEBOOK:https://www.facebook.com/kasen.sake/
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。