[コラム]2020.7.22

ボトル飲みがカッコイイ!と思えたコロナエキストラビール <1980年代前半>

◆ 新しい生活様式の今

 

ビール好きになって40年。私を含め今年還暦を迎える1960年生まれは、過渡期世代です。大学受験では共通一次試験が始まり、卒業した翌年に男女雇用均等法が施行されました。学生時代はマイコンを使い、就職すると仕事はアナログからパソコンで行うことに変わっていきました。バブルが始まり弾けるまでをフルコースで体験、そして還暦の今年もコロナの年となり、オンラインでテレワークが始まり、新しい生活様式をすることになりました。

個人的には、出版業界に身をおいていたので、手書き原稿、手書きレイアウト、凸版印刷の時代から、現在のようなDTPの時代への変遷全てを経験しました。ビールについても同様で、大手4社中心の時代から、(日本酒ブームを経て)、輸入ビールの増加、地ビールブームなど、ビール好きになってからもビールの変遷を目の当たりにしてきたのです。

というわけで、今や孫に囲まれ、ビールを楽しむおばあちゃん(元女子)世代が実体験した、地ビール解禁前、バブル時代のビールのお話を、これからビールを盛り上げていってもらう皆さんに紹介していこうと思います。60歳の誕生日直前の今回は、とりあえず「コロナの話」。

◆外国のビールがオシャレな時代

 

80年代前半、外国のビールといえば、バドワイザー、ハイネケンくらい。それでも女子には(当時一応女子だった)国産のビールよりオシャレに見えました。当時女子人気を博し始めていた「カフェバー」で、トロピカルカクテルとスイーツを楽しむ友人の横で、私はハイネケンやバドワイザーをよく飲んでいました。ジュースも含めて甘い飲み物は苦手だった私が、お酒が飲めるようになって美味しいと思ったのは、大手のラガービールでした。

そんな時代に、週に3回は通っていたアメリカンミュージックのライブハウスで出会ったのが「コロナビール」でした。

ライムをぎゅっと絞って瓶の中に入れ、柑橘の香りを楽しみながら飲むビールは衝撃的でした。ホップの苦味は弱く、ゴクゴクと飲めるすっきりとした味わいは、いろいろな料理を食べながら飲むビールとしても気に入ってました。また、音楽を聴きながら、時には立って動きながら飲むにはぴったりのボトル飲みスタイルも気に入って、もっぱらコロナビールを愛飲していました。

 

◆TEXMEX料理にコロナビール

 

当時のパブやライブハウスの常連さんは必ず、ウイスキーやバーボンのボトルをキープするのが当たり前。私も、一応入れていましたが、ほとんど知り合いが飲んでいました。当時、女子のボトルがなくなりそうになると、「ねぎちゃんのボトルがなくなりそうだけど、誰か次の入れて〜」と店のスタッフが言い、すると誰かしら常連のおじさまが入れてくれていました。(会社名で領収書を切れる、大手企業のおじさま全盛時代だったのです。)

というわけで、私は生ビール(バドワイザー)か、コロナのボトルをいつも朝まで飲んでいました。ライムだけでなく、お塩を少し入れて飲めばいくらでも飲めました。が、コロナに合わせて当時はまだ珍しかったTEXMEX料理を合わせて楽しむのも魅力でした。チリビーンズ、タコス、トルティーヤなど、私はチーズをかけて焼くエンチラーダが大好きでした。

その後、一躍有名になるグローバルダイニングが経営するレストラン、ゼスト(ZEST)の六本木店は朝まで営業していて、最先端スポットのひとつでした。そこで飲まれていたのもコロナ。ライブ営業がまだ夜中まで許されていたので、残業で遅くなった夜9時過ぎからでもライブが楽しみ、その後ZESTでゴハンを食べることができました。当時六本木にはライブハウスがたくさんあって、米軍のアメリカ人や、英語学校の先生(アイルランド人が多かった)、試合後のプロ野球選手などがきて朝まで賑わっていました。

ちなみに私のファーストフェイバリットビールは、ボトルではキリンライトビールの小瓶。生ビールは北海道旅行で行った、サッポロビール園の生ビール。

次回は、「サントリーのペンギンズバー」に関わるお話をご紹介します。

 

コロナエキストラ

メキシコのグルポモデノ社

「立って飲むのがお行儀です」がキャッチフレーズだった軽〜いビール。今回のコロナ禍では、売れなくなるどころか、売れてしまったそうですが、メキシコにある11の工場はメキシコ政府の指導に従って製造を中止し、代わりに、殺菌用アルコールジェルを製造し寄付をしたそうです。看板である透明なボトルのため、直射日光に弱いのが難点ですが、缶が発売され、こちらはコロナ本来の味が確実に楽しめます。個人的には、小瓶の「コロニータエキストラ」と言う名前が可愛らしくて気に入っています。

コロナエキストラにぴったりのおつまみ2品

「コロネーションチキン」(左)&「ラタトイユ」(右)

  • コロネーションチキン

材料

サラダチキン 1/レーズン 適量/ナッツ 適量/ヨーグルト 大さじ2/マヨネーズ 大さじ1/ケチャップ 大さじ1/カレー粉 大さじ1

作り方

サラダチキンを細切りにし、レーズン、ナッツと合わせ、調味料を混ぜたもので和える。

  • ラタトイユ

材料(作りやすい量)

トマト水煮缶 1/タマネギ 1/ニンニク 3かけ/ナス 2/パプリカピーマン 1/ズッキーニ1/オリーブ油 大さじ2/塩、胡椒

作り方

①ニンニク、タマネギはみじん切りに、他の野菜は一口サイズに切る。

②フライパンにオリーブ油をひき、タマネギ、ニンニクを炒め、他の野菜を加え油をなじませたら、トマト缶を加え、たまにかき混ぜながら、10分ほど煮て、塩、胡椒で味を調える

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

根岸 絹恵

ビアジャーナリスト/フードコーディネーター/ビアソムリエ

ビールが大好きなフードコーディネーター。おいしいビールに合わせたレシピを考えるのがライフワーク。 登山、スキー、キャンプなどアウトドアスポーツとウエストコーストミュージック&ビールが元気の素!

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