醸造所がパワーアップしていてビックリ! Far Yeast Brewing「オンライン醸造所見学会」レポート
2020年7月21日よりナチュラルローソンで「Far Yeast」シリーズの缶ビール3種「東京ホワイト」「東京ブロンド」「東京アイピーエー」の発売をスタートさせたFar Yeast Brewing(以下、FYB)。それを記念して7月31日にFar Yeast缶を手に参加者全員で乾杯する「オンライン醸造所見学会」が開催されました。
今回は、都合がつかなくて参加できなかった方のために、その様子をレポートします!
※画像ですが、通信状態などにより粗くなってしまっています。申し訳ありません。
目次
■もっと身近な存在に感じられるようになった自己紹介と商品紹介
FYBの醸造所があるのは、山梨県北都留郡小菅村。東京の西側、奥多摩を抜けたところにある人口700人ちょっとの村です(令和2年4月1日現在)。小菅村は多摩川の源流部に位置しており、醸造所名の「源流醸造所」はここから名付けられています。
当日は40名を超える人たちが参加。醸造所の案内は、代表取締役の山田司朗さん、プロダクション部門長の栁井拓哉さん、事業推進部門長 兼 Off Trailプロジェクトリーダーのリチャード・レグリスさんの3人が担当してくれました。
今回の内容は、主にナチュラルローソンで販売される缶商品3種類の紹介、オンライン醸造所見学、今後の展望と質問コーナーの3つに分かれていました。
イベントは予定通り19時からスタート。先ずは「Far Yeast」シリーズで乾杯です!
乾杯の後はFYBの歴史を振り返り。FYBの創業は2011年。当時は日本クラフトビール株式会社という社名で、醸造所をもたないコントラクト・ブルーイングとしてスタートしました。現在の社名になったのは2015年からで、源流醸造所は2017年5月から稼働が始まりました。
歴史を振り返ると、改めて会社の成長を感じました。
一通り会社の歴史を振り返った後は、3人の自己紹介とナチュラルローソンで発売されることになった缶ビールの紹介が行われました。
山田さんは、大学卒業後に多くの企業に関わり、2011年に同社を設立。極東の地である日本からオリジナリティ溢れるビールを世界中に発信し、誰もがワクワクするような新しい価値を創造していくことをビジョンに世界20カ国以上に展開しています。
栁井さんは、日本国内の他のブルワリーで醸造経験を積んだ後、FYBに入社。現在は「Far Yeast」シリーズを中心に醸造チームのまとめ役を担っています。キノコ狩りが趣味で休日は近くの山へ探索に行かれています。
リチャードさんはアメリカのブルワリーで働いていたときに来日。源流醸造所の見学をしに来たときに山田さんがバレルエイジドビールづくりの経験があったリチャードさんを口説かれて入社することに。現在は、「Off Trail」シリーズの責任者として活躍しています。
栁井さんは、「缶ビールをつくる日が来るとは思っていなかった」といい、山田さんも「自分たちのビールが大手コンビニエンスストアで販売される日がくるとは思わなかった」と感想を話していたのが印象的でした。
■広々としていた醸造所に設備が増えていてビックリ!
商品の説明を終えると、皆さんお待ちかねの醸造所見学のため、事務所のある2階から1階へ移動。筆者は2017年10月に取材で醸造所を訪れていますが、そのとき事務所は1階でしたので「移動したんだ」と思って見ていましたら、「寒くてオフィス機器が動かなくなってしまうから」という話が。どのくらい寒いのか調べてみると、冬の気温は氷点下まで下がる寒い地域ということがわかって驚きました。
醸造所見学は、醸造工程に沿いながら進行。
FYBでは1回に3000Lを仕込める醸造設備があります。最近は、もっと小規模の醸造設備で仕込む醸造所も多いので、小規模醸造所の中では大きい規模でつくっています。
その分、1回の仕込みに使う原料の量も多くなります。つくるビールにもよりますが、麦芽は1度に500kg使うそうです。麦芽を破砕するだけでも時間がかかるので、醸造作業を行う日よりも前に準備をしています。
醸造設備は、醸造所の方針で様々な機器を導入しているので、他の醸造所を見たことがある人でも見応えがあったのではないでしょうか。
今回、オンライン醸造所見学会に参加させてもらって1番驚いたのが、醸造所内に設備がいっぱいになっていたことです。3年前の取材時は発酵・貯酒タンクの数も少なく空いているスペースがたくさんありました。現在は12本の発酵・貯酒タンクと2本の充填用タンクが入り、醸造量が順調に伸びてきたことがうかがえました。
見学の最後は、二次発酵室の様子。ここには瓶や缶のほかに昨年からスタートした「Off Trail」シリーズの木樽も置かれています。
「Off Trail」は、イノベイティブなビールづくりに挑戦することをテーマに「しっかりと舗装された道」から一線を画し「舗装されていない道“Off Trail”」を突き進むことをコンセプトにした「Far Yeast」「馨和 KAGUA」に続く第3のブランドです。
FYBはベルギービールに影響を受けており、会社設立当時からベルギーでつくられているランビックやバレルエイジドビールに注目。クラフトビールの奥行きを表現することを考え、辿り着いたのが微生物を生かしたビールです。リチャードさんからは「個性的、主張が強いもの、一度きりしかつくれないもの」を目指しているという話がありました。
二次発酵室も以前はスペースに余裕がありましたが、現在は木樽で熟成されているビールでいっぱいになっていました。木樽が増えて瓶や缶、ステンレス樽を置くスペースがなくなってきてしまっているため、栁井さんからは「木樽を増やすのを止めています」と内情が明かされました。ファンとしても色々なビールが飲みたいので、部屋に空きがないのは悩ましいですね。
これで醸造所見学は終了。見学中も設備の大きさや製品の完成までの期間など多くの質問が寄せられていて、醸造に対する注目が高いことを知ることができました。説明を受けながら疑問に思ったことをチャットで質問をして、すぐに回答してもらえたので実際に工場見学をしているのと変わらない体験ができて楽しかったです。
最後は、これからの展望やファンからの要望を聞いて90分の「オンライン醸造所見学会」は終了となりました。
■遠方に住んでいる人とも交流が可能。オンラインによる新たなファン獲得の可能性を感じた
以前は定期的に工場見学会やBBQが開催されていたので、その頃から知っているファンの方にとっても設備が増えた現在の醸造所内を見られたのは楽しかったと思いますし、遠方のファンにとっても実際につくっているところを説明してもらいながら見ることができたのは良い体験になったと思います。
距離が近くお互いの存在を感じられるのがクラフトビールの魅力だと思っています。オンラインで遠く離れた人とも交流機会をつくれるようになったのはブルワリー側にとっても得るものは大きいとイベントに参加して感じました。
都合が合わず参加できなかった人たちもいるでしょうから今後も需要はあると思います。今回のように新展開や新商品が発売されるときにつくり手から直接話を聞けることはファンとの距離を縮める絶好の機会になると思います。
とても楽しい「オンライン醸造所見学会」でした。次も期待しています。
Far Yeast Brewingのウェブサイトでは、「東京ホワイト」「東京ブロンド」「東京アイピーエー」に合うおつまみも公開しています。飲むときの参考にしてください。
★ナチュラルローソンで買える!Far Yeast缶に合うおすすめおつまみ
◆Far Yeast Brewing Data
住所:<本社>〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-6-8 5階 <源流醸造所>〒409-0211 山梨県北都留郡小菅村4341
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。