「Hop-Up Beer ハレバレゴールデン」を飲めば京都与謝野町ホップの凄さがわかる【京都与謝野酒造 藤原ヒロユキ代表インタビュー】
これまで3回に渡り紹介してきた京都与謝野酒造の「Hop-Up Beer ハレバレゴールデン(以下、ハレバレゴールデン)」。すでに購入して飲まれた方は、「ホップ爆弾」の威力を感じてもらえたのではないでしょうか。
今回、最終4番手として、「ハレバレゴールデン」を紹介することになりました。情報が公開されている中、どんな視点でこのビールの魅力を伝えるかを考えた結果、私の取材信念である「醸造家や生産者の思いを飲み手に伝える」ことにしました。
ということで、日本ビアジャーナリスト協会代表であり、京都与謝野酒造の代表社員でもある藤原ヒロユキさん(以下、藤原代表)に「ハレバレゴールデン」への思いを聞きました。
目次
■京都与謝野町への思いを込めたフレッシュホップビール
「与謝野で育ったホップがビールにどんなキャラクターを生み出してくれるのか?という思い。もうひとつは、京都与謝野町が世界的に『ホップの町、ビールの町』と認識されることです」と開発動機について話す藤原代表。
ビールに香りと苦味を付けるホップは、「ビールの魂」と言われるくらい重要な役割をもっています。現在、日本で栽培されているホップは海外で開発されたものが多いですが、日本の風土の中で育つことで、成分の変化が生じる可能性があります。これについて藤原代表も「日本の風土が海外品種のホップにどんな影響を与えるのか興味がある」とテロワールへの関心を示します。
同じ銘柄でも日本独自の個性をもつことができれば、オリジナルホップへの期待が高まります。また、日本固有という点では「IBUKI」「MURAKAMI SEVEN」 などのホップにも「期待している」と話します。
もう1つの目的である京都与謝野町を世界的に「ホップの町、ビールの町」にすることについては、長い時間が必要になるため「その土台づくりをしたい」と言い、京都与謝野町への思いを「ハレバレゴールデン」に込めています。
■ホップの香りと苦味をこれでもかと味わえるビール
京都与謝野酒造は、醸造免許がないため、今回、醸造を委託したのは茨城県にある常陸野ネストビールのブランド名で知られる木内酒造です。「ハレバレゴールデン」には、2019年に収穫したフレッシュホップを、直ぐに真空パックして冷凍したものを約100kg(醸造量3000L)使用しています。
ビアスタイルは、「フレッシュホップ・ヘイジーゴールデンIPA」というオリジナルスタイル。「フレッシュホップの魅力を伝えるため、ホップを大量に使ったら濁った色になりました」と、Hazy IPAを意識したビールではないとのこと。
飲んだ感想も聞いてみると「これだけ生ホップの香りを出して思い切って攻めてくれたにも関わらず、えぐみを感じさせない木内酒造さんの技術力に脱帽しました」と想像以上の完成度に満足した様子でした。
ホップの鮮烈な香りが特徴の1つである「ハレバレゴールデン」。その魅力を最大限に感じるならどんな飲み方が良いのかを聞きました。
「グラスは、USパイントが意外と(笑)良かったです。ワイングラスだったらリースリングなど卵形のシルエットが、このビールの特徴を引きだしてくれます」
「ハレバレゴールデン」の最大の魅力である香り。すでにご自宅にある方も、これから購入する方も、ぜひ推奨するグラスで香りを体験してみてください。
藤原代表は料理も得意なので、ペアリングについても聞いてみました。
「ビールだけで楽しむのも良いと思いますが、料理とのペアリングの守備範囲はかなり広いです。魚介もパスタも肉料理も相性良いですし、フルーツ系のスイーツも良いです。レアチーズケーキは抜群に合いますよ!」
筆者は柑橘類の皮を思わせる苦味がしっかりとしていたので、柑橘が乗っているケーキやタルトと合わせてみたいと思いました。
■自然を大事にした持続可能な社会を目指すため、環境を意識したアルミ缶を採用
「ハレバレゴールデン」は、アルミ缶を採用しています。これはサステナブルを意識したものです。
「缶にこだわったのは、なによりも『アウトドアで瓶が割れて放置されてしまうと、その破片で森や海の生物がケガをしてしまう』ことを防ぎたかったからです。アルミ缶は瓶よりも軽く、輸送や冷やすためエネルギーの節約になりますし、リサイクル率が良いことも理由にあげられます」
環境面や自然動物への配慮から、京都与謝野酒造ではオフィシャルグラスとして割れない透明グラスの製作を検討しています。
自然の中で育つホップだからこそ、飲むとき、飲んだ後のことまで考えて持続可能な社会を築いていく姿勢は大事だと思いました。
■「もっと先まで考えているよ」すでに第2弾以降も動き出している?
2015年から本格的にホップ栽培をスタートさせた京都与謝野町。寒冷地の農作物と言われているホップを、この地で栽培することに「不安もあった」と言います。しかし、初年度から約100㎏の収穫を実現。2020年には約1,800㎏まで増やしています。
そうなると気になるのは次のビールの構想。藤原代表の頭の中にはイメージがあるのでしょうか。
「次のビールの構想? 次どころか次の次の次の作品までネーミングとラベルも考えてあるよ(笑)」
こちらの想像を超える先まで、フレッシュホップビールの構想ができあがっているようです。
最後にビールファンにメッセージをもらいました。
「ホップ畑でフレッシュホップの香りを体験したことのある方には『ハレバレゴールデン』 であの感動を思い出してください。いまだ体験していない人には『これが摘みたての生ホップの香りなんだ』と、感じてほしいですね。兎にも角にも『フレッシュホップビールってどんなビール?』の答えがこのビールです」
まだ飲んでいない人がいましたら、ホップ爆弾が放つ鮮烈な香りを1度は感じてほしいと思います。フレッシュホップがビールに与えてくれる力を感じてもらえるはずです。
「ハレバレゴールデン」に興味をもたれた方はお早めに!
★購入はこちらから
◆京都与謝野酒造 Hop-Up Beer ハレバレゴールデン
ビアスタイル:フレッシュホップ・ヘイジーゴールデンIPA(既存のスタイルガイドラインにはない独自のスタイル)
アルコール度数:5%
IBU:50
使用麦芽:大麦麦芽、小麦麦芽
使用されている与謝野産ホップ:コロンバス、ナゲット、マグナム
内容量:350ml
保存方法:常温でも可能ですが、冷暗所での保管をお勧めします
◆京都与謝野酒造合同会社
住所:〒629-2423 京都府与謝郡与謝野町与謝855
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。