伊勢市・津市のビールを楽しむ!【旅とビールと】
伊勢に来るのはこれで3回目。
前回も前々回も、ビールを目的に来た旅ではありませでした。
今回はビールをメインに伊勢神宮の参拝。神様に祈りを捧げたあと、ビールが飲めるなんて、
ほんとに贅沢です。
この旅で利用したのは、近鉄が販売している「伊勢・鳥羽・志摩スーパーパスポート まわりゃんせ」
名古屋方面から行き帰りの往復特急券と、松阪から賢島のフリー乗車券、バス乗車券や乗船券もついています。さらに鳥羽水族館を始め、伊勢志摩の様々な施設に入館する事が出来る切符です。観光での移動は、このパスポートが大活躍しました。
伊勢角屋麦酒
伊勢市のビールといえば「伊勢角屋麦酒」
こちらは1575年に創業し、もともとは伊勢神宮の参拝客を迎える茶屋として餅を作り、味噌・醤油も作っていたお店です。
21代当主である鈴木さんが味噌・醤油の醸造技術を活かし、1997年からビールの醸造を開始しました。2000年には日本ビアカップで金賞を受賞し、その後も次々と国内外のビールコンテストで受賞している、実績のあるブルワリーです。
「伊勢のビールとして世の中に届ける以上、誰がみても恥ずかしくないもの、出来る事なら
世界最高峰のビールをという想いが出発点です」と鈴木社長。(伊勢角屋麦酒HPより)
伊勢市では取り扱いしている飲食店が多く、市内の様々な場所で食事と伊勢角ビールを楽しむ事が出来ます。地域に根付いているまさに「地ビール」という印象です。
ボトル売りなら直営店の二軒茶屋店「びあぐら」です。以前はタップルームを併設していたようですが、現在はこちらで飲む事は出来ません。
樽生ビールが飲めるのは、伊勢神宮の内宮と外宮の2店舗。
今回「まわりゃんせ」の特典があり、お得に飲み比べをすることが出来ました。
外宮店内で1000円以上のお買い物をすると、飲み比べセット2種類のおまけが付いています。私は、「XPA」と「神道麦酒」を注文。さらに「ピルスナー」を追加購入し、3種飲み比べを1杯分のお値段で、ビールを満喫しました。
火の谷温泉ビール
さらに翌日は、地ビールを求めて隣の市まで。三重県津市にある「火の谷温泉ビール」です。
ホテル経営を行う美杉リゾートがビールを造り、ホテル内で販売しています。こちらではビール醸造の他、パン造りや、森林に囲まれた環境を利用し、森林セラピーなども行っています。
その昔、美杉町は伊勢の国司(今の県庁所在地)だったそうです。今は人口減少のため、東海圏で初めて森林セラピー基地に認定された豊かな自然を活かし、観光客を呼びこんでいます。この地域の綺麗な水も、ビール造りに大いに役立っています。
そもそもビール造りのきっかけは、オーナーが飲んだアメリカのビールだったそうです。
「こんなビールをまた飲みたい」オーナーのこんな強い思いからビール造りを始めました。
アメリカの醸造設備を購入したというところからも、強いこだわりが感じられます。
ホテルの売店で販売してるビールは、3種類。その中の「火の谷ラガー」のみ、レストランで提供されています。これはこの地域で栽培されている米を使用したビールです。
こちらはHPをみるとホテルの宿泊プランとして、「ビール部屋」と称し、ビールが客室で飲み放題のプランもあります。
どんなにビールを前面に出しているホテルだろうかと、期待して伺いましたが、実際にレストラン内で飲めるのは、火の谷ラガー1種類。メニューにクラフトビールの記載はなく、こちらから尋ねてやっと、注文が出来ました。
尋ねてみると売店で購入すれば、ボトルビールはロビーで飲めるとのことでした。
まだまだ知名度が低いこのブルワリー。交通の便も悪く、人里離れたこの土地でビールを広めていくには、もう少し販売方法やアピールの仕方も考えていく必要があるにではないかと、感じました。
今回の旅で感じたこと
同じ三重県内のクラフトビール。
観光地といってもそれぞれの場所の特徴に、大きな違いがあります。クラフトビールの地域に根差した形も、今回訪ねた2箇所で大きく違うと感じました。流通量や製造量が多い事だけがクラフトビールの成功の形ではないと思いますが、その土地の人が自信とプライドを持って訪れた人にビールを提供出来る。それはとても大切な事だと思います。
「これがこの土地の自分たちのビールだ!」と伊勢ではそんなプライドのようなものを伊勢角屋ビールに感じました。これからクラフトビールをさらに地域で盛り上げていくために、何が必要か。今回の旅はそんな事を考えさせられる旅になりました。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。