『泥酔懺悔』を読んで、酔う楽しさと恐ろしさを再認識
『泥酔懺悔』(筑摩書房、2016年)は、12人の女性作家による、飲酒をテーマとしたエッセイのアンソロジーです。中身以前に、インパクトのある書名を見て「ドキッ」としてしまう方も多いのではないでしょうか?
懺悔するのは作家だけではなく……
強烈な書名からは、各作家の武勇伝が並んでいるのかと想像してしまいますが、意外なことに、下戸の作家による話や、おとなしく飲む話も多く収載されています。
「無理」朝倉かすみ
「下戸の悩み」中島たい子
「初めての飲み会」瀧波ユカリ
「十八の夜の話」平松洋子
「ザル女という噂」室井滋
「酒瓶にも警告ラベルを!?」中野翠
「名女優」西加奈子
「ひとりでお酒を飲む理由」山崎ナオコーラ
「下戸一族VS飲酒派」三浦しをん
「白に白に白」大道珠貴
「損だけど」角田光代
「好きでもきらいでもない」藤野可織
しかし、油断は禁物。下戸の作家によるエッセイを読んでいると、むしろ読者である私たちのほうが「懺悔」したくなってきたりします。
例えば、中島たい子氏の「下戸の悩み」には、普通に話していた相手が、急に前後不覚になる瞬間が再現されています。
「まあ、自分でも苦労して書いた小説なんで、思い入れがあって」
「読んだよ。なかなか良かったよ。ちょっと驚いたけど、新境地だね。次回作もこっちの方向で行くの?」
「自身も悩んでるところで。ぜひ、忌憚のないご意見を聞かせていただければ」
「とてちれちん」
とてちれ? と、鈍い下戸は相手の顔をまじまじと見ることになる。そしてこの人は酔っているのだ、とようやく気づいて、真剣に話していた自分に赤面するのだ。
うわぁ、これは……。
こんな事態を冷静に記録されてしまっていると、もはや懺悔するしかありませんね……。
実は、JBJAChannelにもチラッと登場
ところで「どこかで最近、この本の表紙を見たような気がする」という方はいらっしゃいませんか?
実はこの本、2020年9月6日まで開催されていた高輪ゲートウェイフェストの「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」内にあったセレクトショップでも販売されていました。
JBJAのYouTubeチャンネル「JBJAChannel」の、このラウンジを紹介した動画にも、ちょっとだけ映り込んでいますよ。まだご覧になっていない方や、記憶にないとおっしゃる方は、ぜひ、以下の記事をご確認ください。
関連記事:「J-WAVE NIHONMONO LOUNGEで飲むエビスビールがおいしすぎる!2020年9月6日(日)まで!」
『泥酔懺悔』。酔う楽しさと恐ろしさを再認識できる一冊です。
秋の夜長に、ビール片手に読んでみてはいかがでしょうか。
<書籍概要> 『泥酔懺悔』 著者:朝倉かすみ、中島たい子、瀧波ユカリ、平松洋子、室井滋、中野翠、西加奈子、山崎ナオコーラ、三浦しをん、大道珠貴、角田光代、藤野可織 発売日:2016年9月7日 価格:本体640円+税 判型・ページ数:文庫判・208ページ 出版社:筑摩書房 Amazon商品ページ |
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