特別な時間を共にするビール【ビール誕生秘話12本目 ヱビス マイスター ザ・ロイヤルリーフ編】
サッポロビール株式会社のプレミアムビール「ヱビスビール」。その上位に位置付けられているのが、ブリューマスター2名が監修し、全工場と本社の技術者総勢52名で品評を重ねた最高級の「ヱビス マイスター(以下、マイスター)」である。その特徴は、より新鮮な香味成分を付けることができるロイヤルリーフホップを一部使用していることと、通常の「ヱビスビール」よりもホップの香りと酵母が醸し出す香りを高めたふくらみのある味わいだ。
2017年には極上のヱビスと言われる「マイスター」から「ヱビス マイスター ザ・ロイヤルリーフ(以下、ロイヤルリーフ)」が出来上がり、2018年からは数量限定で販売を開始。2020年も11月4日から販売を始めている。
今までのビールのイメージとは異なる「ロイヤルリーフ」は、どのような思いから生まれたのだろうか。マーケティング本部の沖井尊子さんに話を聞いた。
目次
■ロイヤルリーフホップ100%使用とシャンパンボトルで特別な時間を演出するビール
「『ロイヤルリーフ』の特長は2つあります。1つがビール醸造で一般的に使用するペレットホップではなく、収穫後に乾燥・粉砕して真空保存したロイヤルリーフホップという形態のホップを使用しています。「マイスター」でも一部使用していますが、『ロイヤルリーフ』では100%使用しています」
ペレットホップよりも新鮮な香味成分を付与することができると言われているロイヤルリーフホップを100%使用することで、一層華やかな香りを楽しめるビールだと沖井さんは言う。
使用するホップは、草や花、フルーツを想起させるハラタウトラディションのシングルホップで造られている。
「もう1つは、シャンパンのようなボトルを採用していることです。ワンランク上のシーンで大切な人と過ごす時間に、ビールをシェアして飲んでいただきたい考えからシャンパンのようなボトルを取り入れました」
ヱビスブランド最高峰のビールという中味だけではなく、高級感のあるシャンパンのようなボトルをテーブルに添える。そうすることで大切な人と共に過ごす時間を特別にしてほしいという願いが込められている。
■特別な時間を過ごす機会の多い飲食店での提供
ヱビスブランド最高峰「ロイヤルリーフ」。このビールは、どのような経緯で生まれたのだろうか。
「ビールの本質的な価値の1つである“分かち合う幸せ”を、今の時代ならではの新しい提案で感じてもらいたいと思い、あえて大きな瓶で企画した商品です。ヱビスの最高峰を追求したスペシャルなビールを注ぎ合い、その特別感をみんなで分かち合ってもらえるようにと、それに相応しい存在感のあるボトルを選びました。」
様々な角度からビールの楽しみを広げられる特別な時間を議論。「お客様が特別な体験をする場として飲食店を選ぶことが多い」という考えから大切な人と過ごす機会が多くなるクリスマスから年末年始の時期に飲食店とオンラインショップ(現在は行っていない)で販売を始めた。
「ヱビスビール」のワンランク上として開発された「マイスター」。大切な人たちと特別なシーンで飲むビールということで、「ロイヤルリーフ」が完成するまで多くの苦労があったという。
「これまでシャンパンのようなボトルは取り扱ったことがありませんでした。そのため、高級感があって製造実現なボトルデザインに決まるまで多くの時間を費やしました。また、『ロイヤルリーフ』は、現在製造量も限定されているので、どのようにお客様にお届けしていくべきか、販売方法は常に考えを巡らせています」
高級感があってヱビスブランドを象徴するボトルデザインを実現するため、何度も試作を繰り返した。そして、高級なイメージがあり、特別な気分を高まる漆黒のシャンパンのようなボトルに決定した。
中味では、どのような苦労があったのだろうか。商品・技術イノベーション部の成瀬史子さんが教えてくれた。
「『ロイヤルリーフ』は、シャンパンのような特別な容器、数量限定、高価格という最高級なので中味もそれに相応しいことが絶対条件でした。どうしたらこの課題をクリアできるのか。悩んだ末、研究結果で明らかになっていたペレットホップよりも華やかな香気成分が含まれているロイヤルリーフホップを100%使用して醸造してみることにしました」
成瀬さんは、その思いをブリューマスターに相談。「ロイヤルリーフホップを麦汁煮沸工程の初めと終わりの2回に分けて投入してみたらどうか」と助言を受けて試験醸造を始めた。
試験醸造でハラタウトラディションの香味の特徴を最大限引き出すタイミングや量を探り、「6度目で理想とする香味を引きだすことに成功しました」と成瀬さん。
さらに特別な時間に相応しい中味を実現するため、アルコール度数を7%まで上げて、一層華やかな香りと美しく研ぎ澄まされたコクを備えたビールに仕上げた。
■個人で楽しみたい場合は、ヱビスビール記念館で購入や飲むことが可能
飲食店で提供される「ロイヤルリーフ」。実は個人でも購入することが可能だ。ヱビスビール記念館に限られてしまうが販売をしている。外食が難しい方は利用してみてはいかがだろうか。なお、数に限りがあるので購入を考える方は早めに購入することをお勧めする。
自宅で楽しむ場合、どんな料理と合わせるのが良いのだろうか。
「ホップの香りが豊かなので、ローズマリー等、ハーブのような香りが付いたお料理と相性が良いと思います。この時期ですので、チキン料理との相性がいいかもしれません」
他にはボディもしっかりとしているので、味の濃いおせち料理と合わせても面白そうだ。
最後に沖井さんからメッセージをいただいた。
「いつもと違った雰囲気で楽しめるビールです。大切な人との特別な時間を、いつものビール瓶とは違う高級感のあるボトルから注がれる『ロイヤルリーフ』をシェアしながら食事を楽しんでください」
特別な時間を過ごすための生まれたビール「ロイヤルリーフ」。この年末年始もたくさんの人を笑顔にしてくれるだろう。
ヱビス マイスター ザ・ロイヤルリーフ Data
原料:麦芽(外国製造または国内製造(5%未満))、ホップ
アルコール度数:7%
内容量:750ml
提供店舗はこちらから
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