全国工場夜景サミットイメージビール発売!黒に浮かぶ 東海道BEER川崎宿工場
ビールに愛された皆さまへ!
2021年2月3日、東海道BEER川崎宿工場から新作ビールが発表されました。新しいビール「黒に浮かぶ」について、醸造技師の田上達史(たのうえさとし)氏にお話を伺いました。(文中青文字は田上氏)
川崎工場夜景イメージビール 黒に浮かぶ(コーヒースタウト)
こちらは、2021年2月3日に開催された第11回全国工場夜景サミットin川崎というイベントに合わせ、川崎市の観光プロモーションでも公認で推しているビールです!
工場夜景をイメージした初のビール
これまでに聞いた事がない、「工場夜景をイメージした」というビール。工場夜景観光の魅力を伝えるために2011年に川崎で第1回が開催された工場夜景サミットは、今や11回目を迎え、全国の大工業地帯12都市が参加しています。
今回はNHKの「#見上げてごらんキャンペーン」、東京カメラ部とのタイアップで全国工場夜景フォトコンテストの結果発表などもあり、オンラインで開催されYOUTUBEにて生配信されました。
毎年、参加都市の持ち回りで開催される工場夜景サミット。川崎発で「工場夜景イメージビール」を始めた東海道BEER川崎宿工場から、今後広がりが見られたらうれしいですね。
IPAで表現されるような華やかで輝かしいコンテンツではなく、落ち着いた中に静かな興奮があるような、黒の中に光があって美しいと思える情景。コーヒースタウト「黒に浮かぶ」でそれを表現しています。
12都市、それぞれの街の地ビールがさまざまな工場夜景をビールで表現していき、「工場夜景ビール」が毎年のサミットでの恒例行事になっても面白いなと思います。全国の工場夜景都市の代表者にアピールしたいですね。そして、心に響いてくれたら。
さまざまなスタイルの工場夜景ビールが出てくると思いますが、我々と全然違うコーヒースタウトでぶつけて来られても嬉しいです。コーヒースタウトは、本当にさまざまな表現方法がありますから。
インスピレーションはコピ・ルアックから
今回の「黒に浮かぶ」は、真っ黒なコーヒースタウト。田上氏がコーヒースタウトを醸造するのは今回が初めてということです。
原材料として上げられているのは、麦芽・ホップ・酵母・コーヒー・マンゴー/カラギナンとなっています。
マンゴーを入れたのは、コーヒーに異物感・臭さのようなものを含ませることで、ある種の色気を感じさせるようにしたかったのです。果物としてのマンゴーの甘味と独特の臭みともいえる香りには魅力があり、臭みがあることで上質さを感じさせます。とはいっても、このビールでのマンゴーの役割は隠し味なので、言われなければ気づかない程度でしょう。
コーヒースタウトはよく見られるスタイルですが、苦くてロースト感を出せばよい、というようなアイスコーヒーと変わらない物が多い。ビールで表現するコーヒースタウトなのだから、そこには発酵からくる香りや、ビールで表現することによる魅力が詰め込めると考えました。
10年ほど前に、初めてコピ・ルアックというジャコウネコの体内で発酵されたコーヒーを飲んだ時、衝撃を受けました。値段が高いだけあるな、と。
コーヒー業界というのは、味についてはあまり細かい分析をしておらず、その味わいの表現も「独特な、」とか抽象的な表現になりがちなのですが、私はコピ・ルアックの味わいの中にマンゴーの香気を感じました。
抽象的な言い方をすると、それが「色気」であり、上質さを感じられる「臭さ」です。普通のコーヒーにマンゴーを混ぜても不味いだけですが、コピ・ルアックの中に感じられるマンゴーは、うまく乗っていて「自然が生む奇跡」と言っていいでしょう。
ずっと、自分がコーヒービールを造る機会があれば、コピ・ルアックで感じたようなものを表現したいと思い続けていました。コピ・ルアックからインスピレーションを得たのが、今回のコーヒースタウトです。
コーヒースタウトというビールを造る
実際に黒に浮かぶを試飲させていただきました。まず、グラスから立ち上るコーヒーの香りが素晴らしい。そして、深煎りのコーヒーを感じさせる舌に沈み込むローストの苦味。そして、黒い空に煌めく工場夜景の光を思わせるのは、鮮やかな酸味。5%というアルコール度数ということもあり思った以上に飲みやすく、するするとのどを通り、一度口をつけたらグラスの1/4ぐらい減っていました。ちょっと危険なビールですね?
コーヒー自体が、麻薬的なおいしさがありますね。いろいろなコーヒースタウトを飲んできましたが、その中でも強めにコーヒーの香りがついたな、と自分でも笑みが出てしまったほどです。
コーヒーショップとコラボしてコーヒースタウトを作る、といった商品も多く出ていますが、ビールに使うコーヒーは、そんなに値段や品質が高いものでなくてもいいと考えています。なので、どこの何のコーヒーを使ったのかは非公開です。高級なコーヒー豆使ったのかな、と夢見ていて下さい(笑)。
僕たちビール職人は、水質の調整(pH値・ミネラル分)からいじることができる。コーヒー屋さんはそこまで水質にはこだわらないと思うので、コーヒーそのもので勝負するしかない。ビールはといえば、水を磨き、麦芽やホップなどを決めて、その上でコーヒーを足すので、基礎から設計できる。欠点や味わいを補完できるので、コーヒーだけでなくビールも含めて勝負することが出来る。僕はそこにこだわりました。
原料のホップで一番効かせているのはネルソン・ソーヴィンです。白ワインのような香りが特徴ですが、今回はコーヒーの香りがあるのでそんなに細かく嗅ぎ分けられないかもしれません。
苦さやロースト感だけではなく、こだわりたかったのはコーヒーの持つ酸味です。これが一番難しいと思っていて、こだわりたかった点でした。
着地点を探して、その一番重要に思っていたところは成功したと思っています。
魅力あふれるコーヒースタウト、オンラインショップで購入してお家でも飲める「黒に浮かぶ」、ぜひ楽しんでください!
ウェブショップURL https://tokaido.beer/
そして、緊急事態宣言発令中のため、店舗の営業時間などは変更になることもあります。公式サイトで最新の情報をチェックしてくださいね。
店舗URL https://store.shopping.yahoo.co.jp/tokaido-beer/
以前、東海道BEER川崎宿工場をご紹介させていただいた記事です。よろしければこちらもどうぞ!
https://www.jbja.jp/archives/24141
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。