[コラム]2021.2.20

ロシアのビール事情について

ロシアのビール事情について、まとめてみました。今回はネット情報を元に調べました。

ロシアでは、2011年まで、ビール(アルコール度数が10% 以下のもの)は「食品」とされ、そのように販売されていました。それは、国際法のニース協定(食品分類)が根拠でした。

2011年にメドヴェージェフ大統領が国内法でビールをアルコールに分類する法案に署名しました。アルコール依存症が国内で問題になったためです。ロシア人は、この方策が出来るずっと前から、ビールにはアルコールが含まれているのは知ってました。(ビールを含む)アルコールを飲んだ影響下で自動車を運転することはずっと違法でありまたし、妊婦はビールが身体によくないこともいつも知らされていましたし、18歳以下の少年は自由に店でビールを買うことは出来ませんでした 。この方策でロシアでのビール消費量拡大に歯止めをかけてしまいました。路上や公園でビールを飲むことが禁止され、屋台やテントでビールを売っていた個人商店は販売できなくなり、子どもが学んだり、運動する場所(学校や幼稚園など)やバスの停留所の近くでビールを販売するのは違法となり、戸外やテレビでの宣伝は制限されるようになりました。また、もっとも重大なことは、商店が夜11時から朝8時までの間にビールを売ることは出来なくなったことです。
しかし、近年のロシアの傾向として、若い世代や女性を中心に、お酒を飲むにしても、ウォッカでなくビールやワインを選ぶ人が増えています。
ちょっと古いデータですが、2014年のロシアの調査で、お酒を飲んだことがあるという回答者に、普段飲んでいるのは何ですかと複数回答で尋ねたところ、ウォッカ:31%、ビール:31%、ワイン:30%、コニャック・ウィスキー・ブランデー等:13%、という結果になりました。これは、アルコール度数の高いウォッカが平均寿命を短くしているとの報告書があるため、アルコール度数の低いビールの方か健康に良いという考えです。

2012年に最初のクラフトビールの醸造所が作られました。それが、2016年には、ロシア全土で、すでに1000以上の地ビール醸造所があるそうです。醸造所は、YouTubeの動画を見て、良質のビールを作る方法を学んだ若いロシア人たちが始めたそうです。

ロシアのクラフトビール
BOWLER BUILLIANT ALEとAUSWEIS
おつまみはカーンバラ(塩干しのひらめ)
Evgenii amosov 氏 提供

クラフトビールブームがロシアで起きた一つの理由は、クラフトビールの生産と販売に関する法律の抜け穴で、例えばビールしか出さないパブならば、酒類販売許可証なしで営業できるそうです。モスクワではほぼ毎日、新しいクラフトビールバーが開店しているそうです。又、スーパー等では、ロシアのビールの他、日本の大手やクラフトビール、ベルギービールやドイツビール等の世界各国のビールが売られています。

現在日本で購入できるロシアのビールは、バルティカの3と9の2種類のみです。これは、通販等で購入可能です。バルティカは、次の種類のビールがあり、全て番号で分けられています。

・0ノンアルコール
・2ペール
・3クラシック
・4オリジナル(エール系)
・6ポーター
・7エクスポート(輸出用)
・8小麦のビール(ホワイトビール)
・9ストロング(アルコール度数8%)

3は、クリアなゴールドで、きめ細かい泡立ちが魅力的です。ホップの苦み、麦芽の味わいがストレートに感じられ、ゴクゴク飲めるバランスがよいラガービールです。             9は、アルコール度数が8%と高めで飲みごたえのある一品です。やや濃いめの金色で、のど越しはスムーズです。

バルティカ9と3ビックカメラ札幌で購入 2015年撮影

それ以外のロシアのビールを飲むとしたら、現地に行くか旅行者に購入してもらうかしか方法がありません。

ロシアのビール事情については、ウクライナ紛争が終焉し旅行が自由になった際に現地に行って自分の目で確かめたいと思います。

 

参考

https://jp.rbth.com/lifestyle/84042-roshia-2011-nen-made-beer-softdrink-kangaerareteita-hontou-ka

All About

http://mtcjapan.ru/%E9%A3%B2%E9%A3%9F/1209.html

https://www.afpbb.com/articles/-/3086480

https://entabe.jp/news/article/3870

【楽天市場】ロシアビールの通販

協力者

Evgenii amosov (通称ジェーニャ)

ロシアビール

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

もりあき(モリテツアキ)

ビアジャーナリスト/ベルギービール・プロフェッショナル

1968年1月福島県で生まれ現在北海道余市郡に在住。ロシア人と国際結婚(妻は現在帰化)。
佛教大学卒業後社会福祉士の資格を取り地元の特別養護老人ホームの管理者を行いながら実家の事業の1つである農業を手伝っている。
ビールはベルギービールを飲むのが主で、たまに道内のクラフトビールやエビスビールを飲む。特にベルギービールは専用グラスで飲むようにしている。
現在の活動は、Facebookで北海道ベルギービール愛好会の立ち上げ、道内でベルギービールが飲める飲食店や購入できるお店や自分の飲んだビールの紹介をしている。
又、産物のハネ品(サクランボ等)からビールを作るプロジェクトを2020年立ち上げ、ハネ品(規格外、交配用、完熟、微量な傷等)を対象にビールの副原料として使い数年かけて検証していく。
今後の取り組みとして現在の活動の他、ベルギービール(道内のクラフトビールを含む)の紹介や考察を書いていきたい。
また、2022年11月23日にベルギービールのランビックビールに特化したフェイスブックを立ち上げた。これは、自身の勉強と今後1つのビールスタイルに愛着を持つ者同士のグループができるとの予測から取り組んでみたいと感じたからである。

北海道ベルギービール愛好会
https://www.facebook.com/groups/1586818794929083
ランビック愛好会
https://www.facebook.com/groups/672595961169437

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