ロシアのビール事情について(前半)
ロシアのビール事情について、まとめてみました。前半はネット情報を元に調べました。
ロシアでは、2011年まで、ビール(アルコール度数が10% 以下のもの)は「食品」とされ、そのように販売されていました。それは、国際法のニース協定(食品分類)が根拠でした。
2011年にメドヴェージェフ大統領が国内法でビールをアルコールに分類する法案に署名しました。アルコール依存症が国内で問題になったためです。ロシア人は、この方策が出来るずっと前から、ビールにはアルコールが含まれているのは知ってました。(ビールを含む)アルコールを飲んだ影響下で自動車を運転することはずっと違法でありまたし、妊婦はビールが身体によくないこともいつも知らされていましたし、18歳以下の少年は自由に店でビールを買うことは出来ませんでした 。この方策でロシアでのビール消費量拡大に歯止めをかけてしまいました。路上や公園でビールを飲むことが禁止され、屋台やテントでビールを売っていた個人商店は販売できなくなり、子どもが学んだり、運動する場所(学校や幼稚園など)やバスの停留所の近くでビールを販売するのは違法となり、戸外やテレビでの宣伝は制限されるようになりました。また、もっとも重大なことは、商店が夜11時から朝8時までの間にビールを売ることは出来なくなったことです。
しかし、近年のロシアの傾向として、若い世代や女性を中心に、お酒を飲むにしても、ウォッカでなくビールやワインを選ぶ人が増えています。
ちょっと古いデータですが、2014年のロシアの調査で、お酒を飲んだことがあるという回答者に、普段飲んでいるのは何ですかと複数回答で尋ねたところ、ウォッカ:31%、ビール:31%、ワイン:30%、コニャック・ウィスキー・ブランデー等:13%、という結果になりました。これは、アルコール度数の高いウォッカが平均寿命を短くしているとの報告書があるため、アルコール度数の低いビールの方か健康に良いという考えです。
2012年に最初のクラフトビールの醸造所が作られました。それが、2016年には、ロシア全土で、すでに1000以上の地ビール醸造所があるそうです。醸造所は、YouTubeの動画を見て、良質のビールを作る方法を学んだ若いロシア人たちが始めたそうです。
クラフトビールブームがロシアで起きた一つの理由は、クラフトビールの生産と販売に関する法律の抜け穴で、例えばビールしか出さないパブならば、酒類販売許可証なしで営業できるそうです。モスクワではほぼ毎日、新しいクラフトビールバーが開店しているそうです。又、スーパー等では、ロシアのビールの他、日本の大手やクラフトビール、ベルギービールやドイツビール等の世界各国のビールが売られています。
現在日本で購入できるロシアのビールは、バルティカの3と9の2種類のみです。これは、通販等で購入可能です。バルティカは、次の種類のビールがあり、全て番号で分けられています。
・0ノンアルコール
・2ペール
・3クラシック
・4オリジナル(エール系)
・6ポーター
・7エクスポート(輸出用)
・8小麦のビール(ホワイトビール)
・9ストロング(アルコール度数8%)
3は、クリアなゴールドで、きめ細かい泡立ちが魅力的です。ホップの苦み、麦芽の味わいがストレートに感じられ、ゴクゴク飲めるバランスがよいラガービールです。 9は、アルコール度数が8%と高めで飲みごたえのある一品です。やや濃いめの金色で、のど越しはスムーズです。
それ以外のロシアのビールを飲むとしたら、現地に行くか旅行者に購入してもらうかしか方法がありません。
後半は、コロナが終焉し旅行が自由になった際に現地に行って調べたいと思います。
参考
https://jp.rbth.com/lifestyle/84042-roshia-2011-nen-made-beer-softdrink-kangaerareteita-hontou-ka
http://mtcjapan.ru/%E9%A3%B2%E9%A3%9F/1209.html
https://www.afpbb.com/articles/-/3086480
https://entabe.jp/news/article/3870
協力者
Evgenii amosov (通称ジェーニャ)
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。