居酒屋の生と缶とビン。中のビールは同じ?違う?
中のビールは同じなの?違うの?
このタイトルを読んだ方、どう思いますか?
そして、まわりにこんな方はいませんか。
「缶ビールは缶臭くて好きじゃない。昔から家ではビンビールだね。」
「居酒屋の生ビールと缶ビールはビールの中身が違うから、店でしか飲まないよ。」
と力説する、飲んだ量なら誰にも負けない貫禄たっぷりのおじさま。
ビンからグラスにトクトク注ぐ!
居酒屋で仲間とジョッキで乾杯!。
確かに、缶から直接飲む時と味わいが違う様な気がする。お気持ちはすごく分かります。
しかし!
結論から言うと、同じ銘柄のビールであれば容器が違っても中身は同じ、生ビールなのです。
製造工程を想像してみると、各ビールメーカーの工場で醸造された巨大なビールタンクから、その後の工程で樽(飲食店用)・缶・ビンのそれぞれ容器に分けられるため、中に入っているビールは同じものとイメージしやすいかと思います。
缶ビールの缶臭いというご意見は、缶の内側にコーティングが施されているので、金属臭は液体に付着しないことが証明されています。
とはいえ、味覚は非常に繊細で個人差もあるため、容器から直接飲むか、グラスに注ぐか、さらに注ぎ方や泡の量、グラスの形状や温度でも感じ方が異なります。
ですので、ビンビールが一番おいしい、居酒屋の生ビールが一番おいしい、と感じているのなら間違いではないのです。
ビールには種類によっておいしい温度がある
ビールをご自宅で飲む際は、綺麗なグラスで適正温度を意識すると一番おいしく味わえます。
のどごしを楽しむラガービールはしっかり冷蔵庫で冷やして、香りを楽しむエールビールは冷蔵庫から出してやや時間を置くと香りが立ちます。
ラガー?エール?って何?今日は難しい説明は置いといて。
スーパーで買える大手メーカーの缶ビールの代表商品を一部載せているので、是非参考にしてみてください。
【適正温度】
◆ラガー(ピルスナー)の飲み頃温度は夏場「4~6℃」、冬場「6~8℃」
【大手ビール銘柄】
(写真左から)サッポロ生ビール黒ラベル、アサヒスーパードライ、キリン一番搾り、ヱビスビール、ザ・プレミアムモルツ
◆エールの飲み頃温度は「8~13℃」
【大手ビール銘柄】
(写真左6番目から)ヱビスプレミアムエール、ザ・プレミアムモルツ〈香るエール〉、SORACHI1984
プロが語る飲食店の生ビールとは
「樽・缶・ビン・の中身が全部一緒なら、飲食店の生ビールは割高なんじゃないの?」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
飲食店の生とスーパーで買う缶やビンの違いを、広島の繁盛店である「ビールスタンド重富」のオーナー重富寛さんはこう語っております。
写真:重富さん提供
缶ビール・ビンビールはスーパーの「お刺身パック」
飲食店の樽生ビールは海鮮居酒屋の「活き造り」
「お刺身のパック」と海鮮居酒屋の「活き造り」の値段が違っても、日本人なら割高とは思いませんよね。
パック刺身は、全部食せますが、活き造りは、鱗、皮、骨、内臓を切り取ります。
その固い鱗の部分が、美味しいお刺身を守っています。
魚1匹購入と、樽1本購入は同じ。
美味しい部分のみを、プロの技で切り出す作業が不可欠です。
パックの魚も活け造りの魚も、海の中にいる時は同じ。ビールもタンクの中までは同じです。
それをプロが目の前のあなたのために生み出すのが、樽生ビールです。
そして、そんな樽生ビールを日本の普通のビールにしたいです。
いかがでしたでしょうか。
今夜の1杯は冷蔵庫で適温に冷やしたビールを楽しむのも良し、
飲食店のプロの技で注がれるビールを堪能するのも十分に楽しい時間となります。
みなさんの日常がおいしいビールを通して、少しでも楽しく幸せなものになりますように。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。