発泡酒と新ジャンルの違い。実は多くの人が間違えているかも?
それは本当に発泡酒?
ビールをよく飲むみなさまへ。
いきなりですが、問題です!
Q.よくTVCMが流れている次の商品の中で、発泡酒はいくつあるでしょうか。
①本麒麟②サッポロ黒ラベル③淡麗グリーンラベル④アサヒスーパードライ
ファイナルアンサー!?
正解は
1つ!淡麗グリーンラベルだけです。
本麒麟もそうだと思った方、いませんか。
本麒麟は発泡酒ではなく、新ジャンル(第3のビール)というカテゴリになります。(以下新ジャンルと呼びます。)
今間違っていても安心してください。
「ビール以外は発泡酒じゃないの?」って方。非常に多いです。
よく見ると発泡酒は缶にしっかり書いてあるのに対して、新ジャンルはリキュール(発泡性)と書いてあります。ややこしいですね。
ちなみに大手ビールメーカーのCMでよく見かける
「のどごし生」、「金麦」(糖質75%オフ、ザ・ラガー含む)、「麦とホップ」、「クリアアサヒ」、「ザ・リッチ」、「ゴールドスター」
はぜーんぶ新ジャンルです。
実際、これらの商品をSNSやYouTubeでも多くの人が、
「本麒麟、発泡酒なのにうまい!」
といった投稿で写真をあげいてる人がとても多いのです。
知っている人からすると、「それ発泡酒じゃないのにな…」と思われているかもしれません。
新ジャンルと発泡酒を見分ける秘策
ビール・発泡酒・新ジャンルの違いは、簡単に言うと、原料である麦芽の比率と副原料と言われる添加物の種類で区別されており、ビール>発泡酒>新ジャンルの順で課せられる酒税が低く、その分、値段も安くなっています。
それぞれの詳しい定義は酒税法に書かれており、ネットでも出てきますが、どうしても長く難しい説明になってしまうので今日はしません。
詳しく説明している記事はこちら↓
今回は正攻法ではありませんが、発泡酒と新ジャンルを見分ける(間違えない)ための秘策をお伝えします。
この秘策はクラフトビール・海外ビールを除く、大手ビール会社の商品限定の話ですが、ビール4社合計の市場シェアは99%なのでスーパーにある商品の大半には通用します。
その方法はシンプルで、発泡酒の種類を覚えること。
市場にある大手の発泡酒は、ビールと新ジャンルに比べると圧倒的に種類が少ないので、そこを認識してしまえばその商品以外はビールか新ジャンルと判断できるのです。
■大手ビール会社の発泡酒。
左からスタイルフリー〈生〉、北海道生搾り、極ゼロ、淡麗グリーンラベル、淡麗プラチナダブル、淡麗極上〈生〉
北海道生搾りは全国発売商品ですが、北海道エリアが中心のため、全国的には北海道生搾り以外の5種類を覚えたらスーパーで買えるほとんどの発泡酒は網羅したことになります。みなさーん、ほとんどの発泡酒は写真の中の5種類ですよ。
他にはアサヒビールの①スタイルフリーパーフェクト②本生ドラフト③本生アクアブルー④レッドアイの4種類で、こちらはお酒専門店などにいくと置いてあります。大手ビール会社から通年で発売している国産発泡酒は以上10種類です。
あと、ここで衝撃の事実を一つお伝えします。
サントリーは現在、発泡酒を作っておりません。
最近、「サントリー金麦は発泡酒なのに美味しいね!」
とか言った方はいませんか?
発泡酒は一時期はビールテイスト全体の約40%までシェアを伸ばしたが、さらに価格の安い新ジャンルが発売して徐々に数量と種類も減っていき、ここ1・2年では大手ビール会社から発泡酒の新商品はありません。
また、海外では発泡酒や新ジャンルといった区別はありませんが、輸入された商品の中には酒税法によって現地ではビールでも発泡酒に分類されるものがあります。なぜ日本だけ発泡酒や新ジャンルが誕生したのかという話も長くなるので、また次の機会にします。
今回は最初に発売した発泡酒と新ジャンルだけ紹介します。
■日本で最初の発泡酒「サントリーホップス」(1994年発売)
・1994年の発売当初、ビールよりも1缶約45円ほど安いこの商品は大人気となりました。40代以上の方では覚えてる方も多いのではないでしょうか?
■日本で最初の新ジャンル「ドラフトワン」(2004年全国発売)
出典:2004年ドラフトワンの成功|歴史・沿革|サッポロビール
・麦芽に変わる「エンドウたんぱく」を原料に使用し、すっきりした味わいで大ヒット。現在でもファンから愛されるロングセラー商品です。
今後の酒税改定で起こること
昨年(2020年)の10月に酒税改定がされ、ビールの値段が下がって新ジャンルの値段が上がりましたね。
そして、次の2023年の酒税改定では発泡酒のカテゴリに新ジャンルが組み込まれます。そうなると今の多くの方の誤解が誤解ではなくなります。つまり、この記事の有効期限はあと2年ですね。
また、100年以上前から酒税が変われば順位が変わると言われるくらい、ビール会社の売上に大きな影響を与えます。今後、2023年、2026年と酒税が変わることが決まっており、2026年にはビール、発泡酒、新ジャンルの酒税が一本化されます。
それぞれの価格が大きく変わる5年後、一体ビール業界はどうなっているんでしょうか。
私の願望ですが、今よりも多くの人が日常の中でおいしいビールを飲める世界になったら素敵だと思っています。
毎日の晩酌を発泡酒や新ジャンルを飲んでいた人が、ビールの価格が下がることで日常でもビールを飲めるようになった時、きっと今より癒しが増えて気持ちが豊かな日々を送ることができると思うからです。
そんな世界に向かう酒税改定なら大歓迎です。おいしいビールは日常の喜びや癒しのためにあります。そんな世の中になることを祈りつつ、一緒に見守りましょう!
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。