ホロデェーツとベルギービールのペアリング
ロシアの家庭料理とベルギービールのペアリング第5回は、ホロデェーツとベルギービールのペアリングを紹介します。
ホロデェーツは、鶏肉又は豚肉のゼラチンで作ったゼリー状の中に肉を細かく刻み、刻んだ野菜を入れた冷たい肉料理です。今回、鶏肉で行います。今回も時間はかかりますが、簡単にできますのでお試しください。
ホロデェーツのレシピ
まず、鶏肉の手羽先、足、モモ肉を流水で1時間ほどつけ置きし血を抜きます。
その後、たっぷりの水で最初は強火で沸騰したらアクを救いながら4時間中火で煮込みます。
中火で2時間経過した時点で、タマネギとニンジンは、皮のまま入れさらに塩とスパイスを入れて更に2時間煮込みます。
4時間煮込んだら、スープと宇材を分けます。ロシアでは、この時点でニンジンとタマネギとローリエと黒コショウは捨て、新しいニンジンを使用しますが、食材ロスを少なくすることから、ニンジンはそのまま使用し、タマネギは、おつまみとして食べました。ローリエと黒コショウを取り除きました。
次に鶏肉を皮及び油と骨と肉に分け、肉を細かく裂きます。バットやゼリーカップ等に取り出したニンジンをスライスして並べ、その上に肉を平らになるように敷いてその上からスープをかけ、15分ほど粗熱を取ってから冷蔵庫で約1時間冷やして完成です。
ペアリング
ホロデェーツとのペアリングをするベルギービールは、リーヴ、 パーテル リーヴェン・ブラウン 、マルール12の3本です。 ホロデェーツは、ほのかな塩味と鶏肉のうまみと鳥の油のコク、そして、ニンジン等の優しい甘味、黒コショウの辛味が感じられる料理です。鶏肉のパサパサ感もありません。
リーヴ
リーヴの色は、白くにごりのあるイエローです。香りは、オレンジ、レモンのような柑橘系の香り、青りんごのようなフルーティーな香り、干し草のような香りもあります。味は、レモンやりんごのフレーバーをともなったさわやかですっきりとした酸味はやがてしっかりとした苦味に変化していきます。
この組み合わせは、ビールによるホップの苦味が鶏肉のうまみを増強しよりおいしく感じます。また、ビールの酸味が、ホロデェーツの塩味やニンジン等の甘味を丸くします。
パーテル リーヴェン・ブラウン
パーテル リーヴェン・ブラウン の色は、赤みがかった濃いダークブラウンです。香りは、ブラックベリー、赤ぶどう、レーズン、りんご、プラム、いちじくのようなフルーティーな香り、黒糖のような甘い香り、ナッツのような香ばしい香りもあります。味は、口に含むとナッツやコーヒー、チョコレートのようなフレーバーを伴った、甘みと酸味主体の味わい。後味にはやわらかな酸味が広がり、やがて苦味に変わっていきます。やわらかでスパイシーさも感じるミディアムボディです。
この組み合わせは、ビールの甘味がホロデェーツの塩味により、ビールが一瞬甘く感じますが、ビールの酸味により甘味に丸みが付きバランスの良い味になりました。
マルール12
マルール12の色は、 赤みがかったダークブラウンです。香りは、黒砂糖、チョコレート、干しぶどう、ブラックチェリーなど、濃厚な香りがあります。また、麦芽からのやや焦げたような香りもあります。味は、甘味が豊かで、アルコールとのバランスも絶妙。ボリュームたっぷりで旨味もあり、飲み応えは十分です。
この組み合わせは、一番良かったです。ホロデェーツの塩味がマルール12のうまみと甘味をより強くしてとても良い組み合わせでした。
まとめ
ホロデェーツは、元々はパーティー料理です。家庭ではメイン料理あるいはビール等のお酒のおつまみ用として食べられています。時間はかかりますが、簡単に作れますので是非お試しください。
ロシアの家庭料理とベルギービールのペアリング第6回は、ゴルブツィー(ロールキャベツの様な物)とのペアリングを予定しています。
ビール購入店及び参考文献
ベルギービールJapan
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。