[ビアバー,新商品情報]2021.4.19

麦酒処ぬとり【川口】×RIOT BEER【世田谷】 コラボのシークァーサーセゾンが今週開栓!

麦酒処ぬとり(以下ぬとり・埼玉県川口市)がRIOT BEER(東京都世田谷区)とコラボして、沖縄県産のシークァーサーを使ったセゾン「Dee Dee シークァーサーズ」を醸造! 今週開栓します。

ぬとり自社工場で造る初のコラボビール

ぬとりのオーナーでヘッドブルワーの山田泰一さん。

ぬとりのオーナー兼ヘッドブルワーの山田泰一(たいち)さんは“ビールおじさん”の愛称で知られるブルワー。現在は奥様の小葉(こば)さんとともに同店を営んでいますが、それ以前はいくつかのブルーパブで、ヘッドブルワーや醸造支援をしていました。

そういった横のつながりもあって、ぬとりでは今年の2月に自社工場での初醸造ビールをリリースする以前は、他のブルーパブの醸造設備を借りてコラボビールを造ってきました。今回は、以前に山田さんが醸造支援をしていた東京・世田谷のRIOT BEERとのコラボ! これが、ぬとりの自社工場で醸造する初のコラボビールとなります。

きっかけは沖縄のシークァーサー

宮里農園(沖縄県名護市)の宮里百合子さん(左)とRIOT BEERの上地さん。

発端は、山田さんがRIOT BEERのオーナーの1人である上地風吾さんから、「シークァーサーを使ったビールを造ろう」と持ち掛けられたことでした。上地さんが郷里である沖縄県の宮里農園(名護市)から、ビール用のシークァーサーを大量に仕入れたのです。

宮里農園の宮里百合子さんは上地さんのお母さんの親友で、古くから親交があり、「ぜひビールに使って」と快くシークァーサーを提供してくれました。収穫の際には、豊見城市でビアバーfunny’s craft beerを営む上地さんの友人一家も駆けつけ、発送までを手伝ってくれたそうです。

山田:そういった経緯があって、ぬとりとRIOT BEERでコラボビールを造ることになりました。発酵タンクの設備が異なる2つの醸造所ですが、コニカルタンクを使っているうちのほうがフルーツの風味は出しやすいと思われるので、醸造はうちの工場でやることになりました。

昨年末、ぬとり店舗にてシークァーサーの皮むき作業が行われた。【写真提供】RIOT BEER

皮は天日干しの後に冷蔵。果汁は冷凍保管する。

沖縄からダンボール入りのシークァーサーが届くと、ぬとりの店舗を訪れたビール仲間の手を借りて、人海戦術を駆使した皮むき作業が行われました。皮は天日で1週間くらい干した後に冷蔵庫で保管。果肉を絞った果汁は冷凍保管にします。

山田:干すことのメリットは、何より嵩が減ることと保存のしやすさにあります。柑橘類の皮は干せば水分が抜けて腐らなくなるので、冷蔵保管でも日持ちするんですよ。で、その皮を麦汁煮沸の段階で投入すると、煮沸の間に水分を含んで戻ります。干しシイタケみたいなイメージで、天日干しすることによって旨味も凝縮されると思うので、これは風味を出すには結構“アリ”だなと思ってます。

限られたスペースを有効的に使うためのひと工夫で、結果的に素材の旨味も引き出せるなんて、まさに一石二鳥ですね!

セゾン酵母を使って、キレの良いビールに仕上げる

こうして下準備を終えたシークァーサー。レモンやすだちほど酸味は強くなく、ビールの副原料としてはもちろん焼酎の割り材としてもよく使われる、わりとポピュラーなフルーツですが、どんな味わいに仕上げられるのでしょうか?

山田:実は、あまりシークァーサー感を前面に出しすぎないようなレシピにしています。もし思い切り前面に出すのなら、ビールに果汁を加えてビアカクテルにしたほうがいいかなと個人的には思うので。

モルトは麦汁が淡色になるような配合。

モルトはベースモルト(ペールモルト):ビエナ:カラピルス(デキストリン)が、8:1:1くらいの割合で配合されています。

山田:3種とも麦汁の色は濃くならず、酵母が食べない糖を残してくれるタイプのモルトです。

糖化の際にシークァーサーの搾りかすを投入し、麦汁煮沸の際には天日干ししていたシークァーサーの皮を投入。ホップはカスケードの中でも苦味が出にくいタイプのクライオカスケードをベースに、ハースブルッカーというハラタウのホップを少々加えています。そして酵母はセゾン酵母を使用。

山田:ガブガブ飲んでもらおうと思って、セゾン酵母を使用してキレを良くする方向にもっていきました。

モルトの優しい甘味と、シークァーサーとアロマホップによるフルーティーさがバランスした、ドリンカビリティの高いビールになりそうですね。

【写真提供】RIOT BEER

こうしてできあがったコラボビール「Dee Dee シークァーサーズ」が、ぬとりとRIOT BEER、さらに前述のfunny’s craft beerで、今週開栓します! Dee(でぃー)とは、沖縄の方言で「なんちゃって」の意味。響きが何とも可愛らしいですよね。ご時世的になかなか旅行をしにくい状況ですが、このビールを飲みながら沖縄に思いを馳せましょう。

店舗データ
※詳しい開栓日やお店の営業日・営業時間は、各店舗のSNSにてチェックしてください。
■麦酒処ぬとり
埼玉県川口市川口6-9-5
https://nu10rin.com/
https://www.facebook.com/nu10rin
https://www.instagram.com/nu10rin

■RIOT BEER
東京都世田谷区砧5-11−10
http://www.riotbeer.biz/
https://www.facebook.com/riotbeerbrewing/
https://www.instagram.com/riotbeerbrewing/

■funny’s craft beer
沖縄県豊見城市豊崎
https://www.facebook.com/profile.php?id=100057302445879

funny’s craft beerRIOT BEERぬとりブルーイング麦酒処ぬとり

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

くまざわ ななこ

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビールとカレーと小田急線をこよなく愛するライター/エディター。数多くのインタビュー経験を活かして、ビールに携わる人たちの思いを伝えようと邁進中。最近、健康のために始めた「ランニング&ビール」イベントにはまっている。

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