[ビアバー,ブルワー,新商品情報]2021.4.22

“ジューシーなホップ”って何?! SVB京都 限定醸造品「Juicy Hop」の謎に迫る

「スプリングバレーブルワリー京都」(以下、SVB京都)にて、数量限定で提供中の「Juicy Hop」。ホップ由来のトロピカルフルーツやシトラスフルーツの豊かな香り、そしてスムースな口当たりが特長のビールです。もとはSVB京都開業3周年記念として昨年12月に発売され、「ジャパン・グレートビア・アワーズ2021」で金賞を受賞した「Kyoto 3rd Anniversary ver.2 ~IPA type~」をブラッシュアップしたものだそう。

それが、どうして名前を変えたのか? そもそも「Juicy Hop」=「ジューシーなホップ」って一体どういうこと?…気になったので、その謎を追うことにしました。

Juicy Hop(画像提供:キリンホールディングス㈱)

実は、最初は違う名前だった

まず気になったがそのネーミングです。前作のブラッシュアップ、であればver.3になるのでは?よくよく考えてみるJuicy Hopって、なんだかとてもシンプルだけど“ジューシーなホップ”って何だろう??

「もともとは、SVB京都の3周年の感謝を込めて“Kyoto 3rd Anniversary”という商品名でした」(スプリングバレーブルワリー京都:ブリュワー辻 峻太郎さん)

何と!発売前は違う名前を想定していたのですね。では、なぜJuicy Hopとなったのでしょうか。

「この商品自体、より多くの人にクラフトビールの豊かな味わいや魅力を楽しんでもらいたいと考えて醸造した商品でしたが、クラフトビールやスプリングバレーブルワリー初心者の方に好評だったポイント“フルーティでジューシーなホップ感がドリンカブルに味わえる”というコアのコンセプトをシンプルに名称としたほうが、より伝わりやすいかなと考えました。また「ホップ=苦味」の特徴はすでに多くの方に知られているので、それ以外のホップの魅力も伝えたいという意味も込めています」(辻さん)

既定のビアスタイルに捉われないビール造りを

更に気になるのは、そのビアスタイル。名前から想像するに、スタイルは「IPA」なのか、「Juicy IPA」なのか、「Hazy IPA」なのか。

「スプリングバレーブルワリーのビールづくりは、ビアスタイルに捉われない自由な発想をもとに生み出されており、既定のビアスタイルで表すのは正直難しいところです。液種としては高評価をいただいている『 Hazy or Juicy Strong Pale Ale』、『 Hazy or Juicy India Pale Ale』がベースです」(辻さん)

ホップ×ジューシー、その魅力を引き出すために

前作のブラッシュアップ、と一言で記すのは簡単ですが、すでに出来上がっているものをさらに磨くには、何か理由があったはず。なぜブラッシュアップに挑戦しようと思ったのでしょうか。そして、そもそもJuicyとはどのような香りや味わいを想定したのでしょうか。

「前回の第2弾の商品はお客様にも大変好評で、かつジャパン・グレートビア・アワーズ2021では金賞も受賞しました。そこで『さらなるおいしさを追求し、お客様にもっとビールやホップの魅力を体験していただきたい』と考えて、第3弾となる商品を開発、醸造しています。今回は原材料先行ではなく、まずコンセプトや飲んでいただくお客様、シーンを思い浮かべながらビールレシピを設計しました。

“ジューシー”で想起するのは、みずみずしい果実のイメージだと思います。これはホップの豊かな香りだけでは不十分で、酵母の醸す香りとの調和やスムースな味わいとともに感じられると考えています。そしてドリンカブルなバランスを考慮し、ホップのレシピを検討しました」(辻さん)

ホップといえばやはり苦味・渋味がつきものです。スムースな味わいとのバランスを探るのは難しかったのでは…。

「“ジューシーなホップ”の味わいを引き出すために大量のホップを使用しながらも、できる限り渋味や苦味をおさえることに一番苦労しました。それぞれのホップの品種や加工形態、分析値や添加タイミングなどの理論的な部分と過去の知見、経験を掛け合わせました」(辻さん)

聞けば聞くほど、今までにないホップの魅力がつまったJuicy Hop。なんと今現在も、さらにおいしいビールになるようホップの配合が続けられているそうです! どんなホップが使われているのか気になりましたが、さらなる進化を目指しているため、使用しているホップは非公開とのことでした。

クラフトビールビギナーの方たちにも楽しんでもらいたい

より多くのお客様にビールやホップの魅力を知っていただきたい、クラフトビール初心者の方たちにも「ホップは苦いだけじゃない、渋いだけじゃない」「こんなビールがあるんだよ」と知ってほしい。そんな願いのもとにホップの“未体験の魅力”を体験できるビールと
して誕生した「Juicy Hop」。

コロナ禍のこのような状況ではありますが、SVB京都で、ぜひその「ジューシーなホップ」という新たな魅力への扉を開けてみて下さい。

 

(画像提供:キリンホールディングス㈱)

【商品概要】
1.商品名:「Juicy Hop」
2.原材料: 大麦麦芽、小麦麦芽、ホップ、オーツ麦、米麹
3.発売日: 2021年4月9日(金)
4.提供場所:スプリングバレーブルワリー京都
5.住所 京都府京都市中京区富小路通錦小路上る高宮町587-2
6.容量:360ml
7.価格:1杯980円(税込)
8.アルコール分:6.5%
9. 酒税法上の区分:発泡酒
10.ブリュワー:辻 峻太郎
111. ハッシュタグ#springvalleybrewery #スプリングバレーブルワリー

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

ササオマドカ

ビアジャーナリスト

西村京太郎とクラフトビールを愛する呑み鉄ベイファン。乳がんサバイバー。
若い頃は同氏の作品を携帯し青春18きっぷで舞台となった路線巡り。
今は少〜しだけ身体に気を遣ってノンアル・低アルビールを探索中。

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