東北ホップを使用した「ホップ農家と醸造家が奏でるSESSION IPA」数量限定で販売中
2021年4月1日よりスタートしたJR東日本盛岡支社の「東北デスティネーションキャンペーン」。これに合わせて岩手県内のブルワリーと連携し、東北ホップを使用したビールの販売が始まっています。
目次
■IBUKIやリトルスター、あぶくまなどを限定使用
今回の取り組みでは、東北でホップ栽培をしている事業者のホップを使用しています。とても興味深いのは、東北のホップ農家だけではなく、大手ビールメーカーが契約栽培しているホップを一緒に使っている点です。特に大手ビールメーカーでは、岩手県遠野市で契約栽培しているキリンビール株式会社の「IBUKI」とサッポロビール株式会社の「リトルスター」が一緒に使用されています。
使用しているホップは、以下の通りです。
岩手県遠野市・秋田県横手市:IBUKI(キリンビール株式会社)
青森県田子町:リトルスター(サッポロビール株式会社)
山形県白鷹町:カスケード(株式会社ホップジャパン)
福島県田村市:あぶくま(株式会社ホップジャパン)
宮城県石巻市:カスケード(一般社団法人イシノマキファーム)
大手ビールメーカーが契約栽培しているホップは、自社以外のビールで使用されることは滅多にありません。しかも、一緒に使用される機会はかなり珍しいケースです。
今回、さらに株式会社ホップジャパンや一般社団法人イシノマキファームが加わっており、東北ホップオールスターズと言える布陣になっています。
■ホップの個性を引き出し、想像以上の出来栄えに感激
東北ホップが集結したビール。今回、醸造を担当したのは岩手県遠野市にある上閉伊酒造株式会社(ブランド名 遠野麦酒ZUMONA)です。
商品名は「ホップ農家と醸造家が奏でるSESSION IPA」。ホップ農家の思いを醸造家がビールとして表現しています。特長は甘く香る柑橘が感じられ、アルコール度数4.5%のドリンカブルなビールです。
このビールにどんな思いをもって造ったのかを醸造を担当した上閉伊酒造の坪井大亮さんに聞きました。
――:この企画を聞いた時にどんなことを思いましたか?
坪井:最初は、スタッフから「東北6県の麦芽で作ったビールとか面白いよね」というアイデアがきっかけでした。しかし、麦芽の使用は現実的に難しく、代わりに私が「東北6県のホップを使えばもっと面白い取り組みができるかもしれない」と発案しました。
――:坪井さんのアイデアがきっかけでしたか。
坪井:はい。そこから一緒に企画をしたことがあるJR盛岡支社様に相談をして、快諾いただきました。
――:2017年にオリジナルビール「TONO BEER」を企画・販売していました。今回は、他のホップ事業者の協力も必要でしたから調整は大変だったのではないでしょうか。
坪井:そうですね。ビールとしては、東北6県のホップを使用するのでJR様としては想定していたよりも壮大な企画となりました。昨年から関係各所に連絡や調整をいただいて、無事に販売を開始することができました。
――:各県のホップ事業者が育てたホップを使えることになって、どんなお気持ちになりましたか。
坪井:めちゃくちゃ嬉しかったです。
――:嬉しい反面、各ホップの個性を引き出す難しさもあったと思います。
坪井:難しかったですね。原料のホップがペレットではないものもあり、どうやって投入すれば個性を引き出せるか悩みました。
――:お話を聞いていると難しいチャレンジだったことが伝わってきます。
坪井:フレッシュホップを使用した時、うまく香りをのせることができず苦い思いをしたことがありました。その時と同じやり方では貴重なホップを台無しにしてしまう可能性がありました。
――:どのような対応をされたのでしょうか。
坪井:様々な方に相談をしました。その中でベストな方法を模索した結果、フードプロセッサー等を使用しました。手間がかかる方法で、1人ではできないのでスタッフに手伝ってもらいました。彼らの協力に感謝しています。
――:完成したビールを飲んでみていかがでしたか。
坪井:香りはもちろんですが、口に含んだ時に感じる柑橘の風味が爽やかでした。想像以上の出来栄えに感激してしまいました。
――:ご自身で醸造されたビールに感激できるって素敵です。
坪井:ありがとうございます。この経験は、フレッシュホップビールを醸造するときに活かしていきたいです。
――:今回の「ホップ農家と醸造家が奏でるSESSION IPA」を通じて、どんなことを期待されますか?
坪井:日本のホップは、世界に負けていないと思っています。これをきっかけに日本産ホップや日本の農業に目を向けてほしいです。
――:ありがとうございます。最後に地元、遠野のアピールはありますか?
坪井:遠野パドロンやホップハーブシロップなど、新しい名産品が登場しています。ビールと一緒に楽しんでください!
「ホップ農家と醸造家が奏でるSESSION IPA」は、盛岡駅をはじめとする各駅のお土産店舗及びNewDaysやのもの(上野店、秋葉原店)、JRE MALLなどで購入することができます。
★主な販売箇所はこちら
首都圏:のもの(上野店・秋葉原店)、紀ノ国屋(東京駅ほか11店舗)、NewDays(国立店・国分寺店)
岩手県:盛岡駅、新花巻駅、花巻駅、北上駅、水沢江刺駅、一ノ関駅、釜石駅の各お土産店舗及びNewDays、盛岡駅ビルフェザン
他エリア:NewDays秋田ぽぽろーど店、秋田中央口店、NewDaysミニ八戸1号、NewDaysKIOSUKU 八戸駅新幹線改札内店、ぐるっと遊八戸駅店、美味山海新青森店、NewDays新青森旬味館店、NewDaysミニ新青森幹線コンコース店
ECサイト:JRE MALL
■今後は岩手県内のブルワリーと連携し、岩手県産ホップを使用したビールを順次発売
JR東日本盛岡支社では、今後の展開として岩手県内にある11のブルワリーと連携をして岩手県産ホップを使用したビールを順次発売する予定です。
岩手県は日本一のホップの生産量を誇りますが、生産量・就農者数は年々減少しています。この取り組みによって、ホップ農家は持続的・安全な生産の確保、ブルワリーは産業振興とファン拡大、JRは販売を通じて地域活性や交流人口拡大を目指しています。
岩手県は、ここ数年で新しいブルワリーが複数誕生しています。認知度が向上することで、ビールファンが各地を訪れて飲食をしたり、過ごしたりすることで地域が活性化することが期待されています。
しかし、今はコロナ禍で気兼ねなく移動することが難しい状況です。訪問が難しい方は、ECサイトなど通じて東北のビールを飲んでみてください。そして、落ち着いたら東北にビールを飲みに行ってみてほしいと思います。
第2弾は2021年6月頃の発売予定です。ホップは岩手県遠野市のIBUKI(キリンビール株式会社)と岩手県軽米町のリトルスター(サッポロビール株式会社)の両方もしくはどちらかを使用する予定になっています。各ブルワリーが地元で育てられたホップをどのように表現するのか。今から楽しみです。
ホップ農家と醸造家が奏でるSESSION IPA商品概要
発売日:2021年4月1日(木)※店舗により発売日が変更になる場合あり
販売希望価格:660円(税込)
製造醸造所:上閉伊酒造
生産本数:8,000本限定
内容量:330ml
アルコール度数:4.5%
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。