【簡単&応用OK!】おつまみ選びが楽しくなる4つのビール×ペアリング法則
せっかく美味しいお酒を飲むのなら、食事にもこだわってみたい、、、。多彩なクラフトビール含め、様々なお酒を楽しむ機会が増えている今だからこそ、「おつまみ選び」にもこだわってみませんか?
誰でも明日から実践できる、「4つのフードペアリング法則」をご紹介いたします!
目次
■ペアリングがなくてもビールは楽しめる?されど「感動」もある
最初に正直に申し上げますと、日本でフードペアリングを意識してビールを楽しんでいる方はまだまだ少ないと思います。理由としては、下記が挙げられます。
- ビールは他のお酒と比較して、普段飲みのお酒としてのウェイトが高いこと(新ジャンルや大手ラガーを中心に、カジュアル・日常酒な飲料としての位置づけ)
- クリーンなのどごしを特徴とした大手ラガービールが寡占市場であったため、多様な食と合わせるバリエーションが少なかったこと(食中酒や仕事で疲れた体や喉を潤すことに向いているだけでなく、日本の気候や繊細な和食文化に合っていたため、他のスタイルへのニーズが少なかったともいえる)
- いわゆるクラフトビールや欧州を中心とした伝統的なスタイルの個性的な味わいは、それ単体でも十分な満足感を得られること
さらに言えば、「個人の味覚」や体調、気分、環境要因など様々なファクターが絡んでくるため、満場一致で誰もが「美味しい!!」と思う組み合わせは存在しないことがペアリングを難解にします。一度に口に含む量でももちろん変わります。同じ組み合わせでも「前ほど感動しないぞ?」「こんなに美味しかったっけ!?」と感じ方が変化することは十分にあり得ます。
それでも、私が「フードペアリング」を推奨しているのは、料理とお酒を合わせることでしか味わえない【感動】があるのも事実だから。本当に美味しいペアリングを味わった時には、素晴らしい映画に感化されたような余韻に満たされます。多くの方が美味しいと感じる「法則性」は存在します。様々な理論や考え方がありますが、フードぺアリングに詳しくない方でも簡単に実践できるよう、私は「4つの法則」を提唱しています。
■その1「一緒の法則」:同じ要素を見つける
「香り」「味」「口当たり」など、料理とビールの中で一緒の部分を合わせます。「同調させる」「重ね合わせる」とも表現しますね。同じ要素同士が違和感なく交わりあう、フードペアリングの基本法則です。
柑橘系のフルーティなホップ香が特徴的な「アメリカンIPA」には、同じくフルーツを使った「フルーツケーキ」が、ほろ苦い「スタウト」に代表されるような濃色ビールには、甘味や苦味をもつ「ビターチョコ」が合うといった具合です。面白いのは「色合い(焙煎の具合)」も合わせる要素になるということ。ビールの色合いは主に使用する麦芽の焙煎具合で黄金色→琥珀色→黒色と変化していきます。料理も加熱調理時のメイラード反応やカラメル化によって同様に色が黒くなり、ローストした風味が付いてくるので、その度合いを合わせてあげるということですね。
■その2「置換の法則」:普段の美味しい!がヒント
「レモンティー」って、美味しいですよね?ではレモンと紅茶の風味は心地よい組み合わせといえるのでは?この考え方を応用した法則です。
上記でいえば、柑橘の風味をもつ「アメリカンペールエール」と紅茶のクッキーは相性がよさそう!と考えることができるんですね。逆に、茶葉のような風味のホップを用いた「イングリッシュIPA」に、レモンケーキを!でもよいわけです。分解した片方の要素をビールの持つ要素に置き換えてみるので置換の法則と呼んでいます。
他にも、「スモークナッツ → 燻製とナッツ」「カルパッチョ → 白身の生魚とハーブの香り」「酢味噌 → 酸味と味噌」など、ヒントは日常にたくさん転がっています。
■その3「味変の法則」:味同士の組み合わせを生かす
コーヒーを飲むとき砂糖を入れると?甘味で苦味が緩和されますよね。この「味」同士の関係性を利用します。ヒトが感じられる基本味(五原味とも)には「甘味・塩味・苦味・酸味・旨味」があります。加えて渋みや辛味などの刺激、油分による口当たり、ビールの場合は炭酸ガスやアルコールを含めてそれぞれ他方を強調したり、弱めたり、まとまりあうといった関係性が存在します(最近では「脂肪味」という味も研究されているようですよ)。
ビールは甘味・苦味・酸味(サワービールなど)の要素が主に含まれるため、フードペアリングで多用されるのは下記の組み合わせです。こちらも日常の「美味しい!」をイメージすると考えやすいですよ。
- 甘味と苦味:「甘苦い」コーヒーとスイーツの関係
- 甘味と塩味:「甘しょっぱい」みたらし団子の関係
- 酸味と甘味:「甘ずっぱい」レモンの蜂蜜漬けの関係
- 苦味と酸味:レモンなどの「柑橘」の関係
- 苦味と旨味:貝の酒蒸しや「出汁類」などの関係
他にもたくさんありますが、これらを覚えておくだけでも大きな手助けになりますよ。
■その4「対比の法則」:ふり幅を付ける
「ギャップ」って皆さん好きですよね?。組み合わせの中にわざとそれをつくるのがこの法則です。分かりやすいのが「温度差」。熱々の餃子を食べた後に、キンキンに冷えたビールを飲みたくなるのは同レベルの逆の要素同士(冷と熱)で釣り合いを取るためです。この行ったり来たりの刺激が心地よく、何度も口に運んでしまう人も多いのではないでしょうか?他にもキレのあるビールにから揚げのような脂こてこてのものといった「食感の差」や、すごく苦いビールにすごく甘いスイーツといった「味わい」の差を利用することもできます。
但し、この法則は前述の①-③の法則と同時に使用しないと単純にかけ離れたペアリングになるので注意が必要です。
いかがでしたでしょうか?今回はビールに関して例を挙げていますが、レモンサワーやハイボール、ワインや日本酒など、他のお酒や飲み物、はたまた料理にも応用することができます。
まずは「一緒」「置換」の法則あたりから使っていき、慣れてきたら「味変」や「対比」なども絡めて使っていくとより感動するようなペアリングに出会うことができます。合わせるビールの香りや味わいを身近なものに例えると意外と簡単に組み合わせを見つけられますよ。
ぜひ、明日からのおつまみ選びに活かしていただければ嬉しい限りです!
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。