ペットボトル入りビールについての考察
はじめに
現在、コロナウィルスの影響により、飲食店のテイクアウトサービスやデリバリーサービス等が増えています。飲食店やビアパブで生樽からペットボトルや炭酸専用ポットに入れ持ち帰るケースも増えています。
その中で今回ペットボトル入りビールについて考えていきたいと思います。あくまでも個人的な私見ですのでよろしくお願いします。
世界のペットボトル入りビールについて
ペットボトル入りビールは、ドイツ、ロシア、ウクライナ等様々な国で販売されています。
ドイツでは、日本の瓶ビールと同じ様にペットボトル入りビールに補償金がかけられています。ビールを販売いているお店には大抵補償金が戻る精算機があるそうです。精算機で精算する場合、ペットボトルのラベルをはがさず、ペットボトルを潰さず、精算機に投入しなければなりません。投入後は、レシートが出ますので、レジで精算します。 アサヒビールが、日本国内大手初のペットボトル入りビールを2004年に発売すると発表しましたが、国際環境保護団体のグリンピース・ジャパンから、環境面での批判を受けたことから発売を見合わせたそうです。日本で生産されるボトルについては、2001年のPETボトルリサイクル推進協議会の自主設計ガイドラインの改定に伴って、着色ボトルを全面禁止し、全て無色透明化されたそうです。無色のペットボトルから作られた白い繊維は、衣類の原料として使用可能だそうですが、着色ペットボトルから作られた着色の繊維の需要は限られ、このルールが定められたそうです。現在、日本では、大手のキリンビールでKIRIN Home Tap(キリン ホームタップ)で1ℓのペットボトル入りビールを使用することができます。又、上記の通り飲食店やビアパブで生樽からペットボトルに入れ持ち帰るケースも増えています。ネットでもドイツビールをペットボトル入りで販売しています。
ロシアでは2012年よりビール用ペットボトル容器の使用が容認されていたそうです。2016年6月10日に2017年1月よりペットボトル入りビールの生産・卸売販売を1.5リットル以下に制限し、小売販売に関しては同7月から禁止する法案が下院第3読会を通過したそうです。制限の理由は、容器が小さければ国民の飲酒量が減るためだそうです。 ウクライナは、2ℓや3ℓのペットボトル入りビールがあるそうです。
ペットボトル入りビールが日本で普及しない理由(私見)
ペットボトル入りビールが日本で普及しない理由について下記に列挙します。
- 着色されたペットボトルが全面禁止な理由で日光を遮るようなペットボトルが作れない。
- ペットボトルは酸素が入りやすくビールの劣化の原因になる。
- 環境面で問題がある。
ペットボトル入りビールが他の(缶や瓶)の容器より優れている点について列挙します。
- 開封しても保存できる。
- 持ち運びが便利。
- どこでも飲むこととができる。
ペットボトルビールが日本で普及しない理由とペットボトルビールが他の(缶や瓶)の容器より優れている点を私の知っている部分で記載させて頂きました。
私の私見ですが、普及しない理由の内、着色ボトルが全面禁止な理由で日光を遮るようなボトルが作れないとペットボトルは酸素が入りやすくビールの劣化の原因になるについての理由は疑問を生じます。ビールとは、全く別物ですが清涼飲料水のビタミン入りドリンクはどうでしょうか。瓶も缶もペットボトルもあります。下記はビタミンの安定性について抜粋したものです。
ビタミンは酸素、光、熱によって分解されやすいものが多い。
酸化されやすいビタミンは脂溶性ビタミン、水溶性ビタミンのビタミンB2、B6,葉酸、ビタミンC。
またビタミンKとナイアシンを除いたすべてのビタミンは熱に弱い。
光 熱 空気(酸素) 酸 アルカリ ビタミンA × × × ビタミンD × ビタミンE × × × ビタミンK × × × ビタミンB1 × × × ビタミンB2 × ビタミンB6 × × × ビタミンB12 × × × × ナイアシン パントテン酸 × × × 葉酸 × × ビオチン ビタミンC × × ×
上記より、ビタミンB2、B6,葉酸、ビタミンC空気(酸素)と光に弱いのでペットボトルは不向きなのにビタミン入りドリンクは流通しています。確かに賞味期間は瓶や缶より短いですが暗室で保管し賞味期限内に消費すれば問題ないと思います。蛇足ですが、現在ビールを入れるペットボトルは普通のペットボトルに特殊な薬品をコーティングし酸素がペットボトルに入らないように加工されているそうです。
それから、環境面での問題ですが、これも疑問があります。数年前までは、コンビニではジュース・お茶類は缶でした。350㎖や250㎖の缶が主流でペットボトルはホームサイズがメインでした。現在、コンビニではほとんどペットボトルになっています。缶で残っているのは、コーヒーの190㎖と缶でも蓋付きのコーヒーあるいはエナジードリンク位です。自販機にかろうじて缶ジュース類がありますが、ほとんどペットボトルになっています。
アサヒビールが、日本国内大手初のペットボトル入りビールを2004年に発売すると発表しましたが、国際環境保護団体のグリンピース・ジャパンから、環境面での批判を受けた以降の事で矛盾を生じます。
以上により、ペットボトル入りビールが日本で普及しない理由には、実はあまり説得力がないと感じてしまいます。私はむしろ、ペットボトル入りビールが他の(缶や瓶)の容器より優れている点が事故発生要因のリスクが高いため、普及しづらいと推測しました。
例えば、家で飲む場合や宴会で出される瓶ビール等は余ったら破棄するか料理に使うかが主流です。もちろん、瓶ビールについては専用の保存キャップがあります。缶ビールもラップで包み輪ゴムをかけて保存できるそうです。その保存するビールはすぐに冷蔵庫で保管し、すぐに消費すれば事故は起きないと思います。ペットボトル入りビールは保存は容易にできるし、持ち運びが簡単で、何時でも飲める事は良いのですが、開栓して飲んで保存して持ち運んでまた開封して飲んでと繰り返し行い長期常温の場所にある状態、例えば清涼飲料水の感覚で飲む事は事故が起きる可能性があると考えます。つまり、開栓して飲む量にもよりますが、経験上半分以上飲むと保存しても空気の量が多く、二酸化炭素が逃げてしまい気が抜けた状態になります。また、ペットボトルそのものが密閉されることで容器内の温度が上がりやすい事、つまり温室の状態になりやすい事が考えられます。それから、ペットボトルを持ち歩くことは、炭酸に刺激を与えて吹き出しの原因になると思います。まして、ビールですので泡が噴き出す可能性が高いと思います。そして、重大な事故が起きる要因はどこでも飲める事です。家で飲めば、ビールは冷蔵庫で保存できますが、外では保存が極めて困難です。缶ビールや瓶ビールは外で飲んで飲みきれない分は破棄処分しますが、ペットボトル入りビールは好きな時に開栓して飲んでキャップを閉めれれば持ち運べます。何が問題かと言いますと口をつけて飲むことです。それは、口腔内の細菌です。口腔内には、500から700種類の細菌が少ない人でも1,000億以上生息しているそうです。それが、長期持ち歩きの為に人体と同じ37度になったら、細菌の繁殖が活発になり、ビールが腐敗する可能性があります。つまり、ビールに含まれている麦芽糖は二糖類で細菌の餌になります。ジュース類は酸化防止剤が入っていますので腐敗し難くなっています。
ペットボトル入りビールが日本で普及しないのは、手軽さを重視するあまり、事故発生のリスクがあるため実は販売を控えているのではと推測しました。
ペットボトル入りビールの飲み方(結論及び考察)
ペットボトル入りビールを飲む場合、出来るだけ口をつけずにグラスに等の容器の注いで飲む事、そして外に持ち運ぶ場合、ビールの温度が上がらない工夫を(例えば保冷剤の使用や氷のケースにあるいは保冷効果があるバックに入れて持ち運ぶ等)する事、また持ち運んだ後すぐに開栓せずに数分安定した場所に置いてから開栓する事がペットボトル入りのビールの美味しい飲み方だと私は思います。万が一、ビールの残量が少なく、気が抜けたとしても、料理に使えると思います。
ペットボトル入りのビールは、樽から直接注入の場合の賞味期限は約1月しかありませんでした。もし、タンクから直接注入した場合ビタミン入りジュースと同じ約6ヶ月は保存可能と思われます。いずれにしても購入したらなるべく速く消費する必要があります。
さて、アメリカのドラマでは、小瓶サイズのビールをバーや家で飲むときグラスを使用せずに直接飲んでいるシーンが多々ありました。缶ビールも500㎖より350㎖の方が店頭に多くあります。瓶ビールも缶ビールも350㎖前後が飲み残しが少ないと思われます。その様な意味からすれば、もし、ペットボトル入りのビールが今後流通するのであれば350㎖位のサイズになれば、利便性からしてもペットボトル入りのビールが瓶や缶の売り上げが伸びると同時にペットボトル入りのビールの賞味期限の理解が認知され早期の消費に繋がるなるのではないかと思います。
さいごに
この記事を書きたいと思ったのは、一般の飲食店ペットボトルに入れてもらったビールの賞味期限について不明だったので調べ、ネットでペットボトル入りビールを正規販売店で購入しました。また、ペットボトルについて調べている最中に疑問が生じたため自分なりの解釈をし、まとめてみました。 いろいろご意見があると思いますがご容赦願います。最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考文献
地球の歩き
アサヒグループホールディングス
日本企業グローバルビジネスサポートLAPITA
ビタミン
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。