【徹底検証!】80のビアスタイルに合うおつまみを考えてみた!!
「ビアスタイル毎に合う料理を考えてみたい!!」
そんな自身の知的好奇心から、それぞれのビールに合わせるおつまみを徹底検証してみた。基本的にコンビニエンスストア(一部スーパー)で購入できるフードで構成しているので、ぜひ自宅で試していただきたい。
目次
■国内で見受けられる約「80」のスタイルを選別
日本地ビール協会(JCBA)発行の「ビアスタイルガイドライン2004」の分類では、122のスタイルに振り分けられており、サブカテゴリーも合わせると150近い種類に分けられる。但し、実際にはすべてのスタイルが常に流通しているわけではなく、「アメリカン・IPA」などの広く流通しているものから、「グローズィスキー」など国内で見受けられないものもある。
今回は、①入手のしやすさ ②スタイル名がビール関連書籍を含め認知されている ③限定醸造としてでも国内で何度か醸造されている 等を考慮して、下記スタイルを対象としてみた。
■まずは相性の良いおつまみを味わいの傾向で捉える
特にクラフトビールのビギナーの方に対して、ビールのスタイルをまずは大きな味わいの傾向で捉えることを私は推奨している(【ビールのススメ方】ビールのソムリエとして提案手法を振り返るを参照)。フードペアリングを考える際も、この大枠にそって相性の良い食材や調理方法を思い浮かべることが可能だ。
飲食物の味わいや風味は、5つの基本味(甘味・塩味・苦味・酸味・旨味)や渋み・辛味といった刺激、食感はもちろんのこと、「香り(香気成分)」が特に特徴づける重要なファクターになっている。そのため、似ている風味を持っているもの同士は相性の良いおつまみもある程度に通ってくる。様々な種類の文献や経験をもとにまとめたのが以下である。
これだけでも目の前にあるビールに相性の良いおつまみを絞れるのだが、今回はさらに絞っていく。例えば、同じ「黒ビール」に分類しているシュバルツとスタウトを取ってみても、「濃色」で「ローストした風味」は似通っていても、酵母も違えば甘味や苦味のレベルも異なってくる。
■各スタイルにおススメのおつまみはこれだ!
各ビールの特徴に合わせて仮説・検証を行い、実際に相性の良いと感じた組み合わせがこちらである。全てにおいて「フードペアリングの4つの法則」を用いた根拠があるのだが、全てをかき出すと膨大な量になるため、今回は理由を簡潔に一言でまとめた(【明日から使える!】おつまみ選びが得意になるたった4つのペアリング法則を参照)。
(基本的にフードペアリングにおける合う、合わないはビールと料理の要素同士の比較になる。例えば、ビールの「キレ」が料理の「脂っこさ」を洗い流すといった具合だ。)
また、このご時世もあり、よりビールを飲んでほしいという願いも込めて、各地の代表的な銘柄を可能なだけスタイル毎に明記した。ぜひ参考にしていただきたい。
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【スタイル】
◎合わせるコンビニフード
→特に合う理由・根拠
▲代表的な銘柄:
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※近似した特徴のあるスタイルは一部まとめてペアリングを提案。
<淡色ラガー>
【ボヘミア・ピルスナー】
◎コンソメスープ(セブンイレブン「ベーコンとホウレン草・たまごのスープ」など)
→スパイシー・フローラル、蜜のようなビールの風味がスープの風味に奥行きを生み出す。冷たいと熱いのギャップを生かす
▲代表的な銘柄:ピルスナー・ウルケル(Pilsner Urquell)、ベイピルスナー(横浜ベイブルーイング)、ピルスナー(横浜ビール)、ピルスナー(箕面ビール)、ピルスナー(日本海倶楽部)、ピルスナー(妙高高原ビール)、ピルスナー(EBINA BEER)、こぶし花ビール ピルスナー(羽生ブルワリー)
【ジャーマン・ピルスナー】
◎焼き餃子(お酢+ブラックペッパーで食べるとなお良い)
→シャープなキレによる洗い流し効果、苦味による旨味の均衡化
▲代表的な銘柄:COEDO 瑠璃-Ruri-(コエドブルワリー)、太陽のラガー(宮崎ひでじビール)、KIRISHIMA BEER PILSNER(霧島酒造)、フレンツブルガー・ピルスナー(Flensburger)、ピルザール(Plank)、やくらいビール ピルスナー(加美町振興公社)、富士桜高原麦酒 ピルス(富士観光開発)、遠野麦酒ZUMONA ゴールデン・ピルスナー(上閉伊酒造)
【ドルトムンダー】
◎ポテトサラダ(セブンイレブン「ベーコンと粒マスタードのポテトサラダ」が特に良い)
→ビールの麦の甘味とマスタードの酸味が寄り添う、キレとコクの対比、淡色ラガーとイモの香りの相性がよい(アーシー同士)
▲代表的な銘柄:ヱビスビール(サッポロビール)、クラシック(ベアレン醸造所)、ろまんちっく村ブルワリー 麦太郎(ファーマーズ・フォレスト)
【ミュンヘナー・ヘレス】
◎おでん(特に大根)
→シンプルなビールの味わいがかつおだしの繊細な風味を生かす
▲代表的な銘柄:レーベンブロイ(Löwenbräu)、ヘレス(Plank)、箱根ピルス(箱根ビール)、修善寺ヘリテッジヘレス(ベアード ビール)、一騎ヘレス(一騎醸造)
【ウィンナラガー】
◎スパイシーチキン(フライドチキン)
→チキンの香辛料や味の濃さを受け止める麦の風味。口内の油分をカット
▲代表的な銘柄:ネグラモデロ(MODELO社)、ブルックリンラガー(BROOKLYN BREWERY)、百年麦酒(ベアレン醸造所)、ミツボシビール ウィンナスタイルラガー(盛田金しゃちビール)
【IPL】
◎砂肝の黒コショウ焼きなど(焦げ身少な目の塩味の焼いた肉全般。ホルモンなどのやや癖のある内臓系もカバー)
→ビールの苦味と肉の旨味の均衡化や、ラガーのキレによるさっぱり感。レモンを絞るイメージでビールを合わせる
▲代表的な銘柄:グランドキリン IPL(キリンビール)、COEDO 伽羅-Kyara-(コエドブルワリー)
<淡色エール>
【クリームエール】
◎バタピー(バターピーナッツ)
→さっぱりとしたビールのテイストにナッツの歯切れの良い食感。味が濃すぎないものを
代表的な銘柄:本生(Repubrew)、クリームエール(郡上八幡麦酒こぼこぼ)、クリームエール(Brewin’Bar MONDE 主水)、Cream Ale(Nide Beer)、クリームラガー(柿田川ブリューイング)
【ケルシュ】
◎堅あげチップス(軽く山椒粉をふっても美味)
→シンプルに塩味がよい。穏やかなエステル香(リンゴ様)と山椒の風味が合う
▲代表的な銘柄:田沢湖ビール ケルシュ -Kölsch-(わらび座)、そよ風のケルシュ(銀河高原ビール)、佐倉香りの生(ロコビア)、ガッフェル・ケルシュ(Gaffel)、ツァーラ(Thornbridge)、國乃長ビール 蔵ケルシュ(壽酒造)、大阪ケルシュ(道頓堀ビール)、十字峡(宇奈月ビール)、ケルシュ(大沼ビール)、THE軽井沢ビール プレミアムエール(軽井沢高原ブルワリー)
【ゴールデンエール】
◎らっきょう
→穏やかなエステル(リンゴ様)がらっきょうの酸味に深みを付ける(リンゴ酢のような)。軽めのボディと歯切れの良さも合う。
▲代表的な銘柄:スワインレイクビール ゴールデンスワンレイクエール(天朝閣グループ)、OH!LA!HO BEER ゴールデンエール(信州東卸市振興公社)、ABASHIRI Golden Ale(網走ビール)、ビッグウェーブゴールデンエール(Cona Brewing)、ゴールデンエール(サンクトガーレン)
【イングリッシュ・ペールエール/ビター】
◎メープルナッツ
→英国ホップや麦の香ばしい香りがメープルやナッツの香りと合う。ナッツの適度な甘味がビールの苦味を受け止める。
▲代表的な銘柄:ペールエール(銀河高原ビール)、いわて蔵ビール 金色堂ゴールデンエール(世嬉の一酒造)、イングリッシュエール(那須高原ビール)、チャタンビール ペールエール(ザ・テラスホテルズ) / ロンドン プライド(Fuller’s社)、反射炉ビヤ 太郎左衛門(蔵屋鳴沢)、BBB(British Best Bitter)(TDM1874)※正確にはベストビター
【アメリカン・ペールエール】
◎オイルサーディン
→ホップの柑橘系の香りと魚介類の風味の相性がよい。苦味が魚の旨味を引き立てつつ、オイル感に負けないビールボディがある
▲代表的な銘柄:よなよなエール(ヤッホーブルーイング)、ペールエール(Sierra Nevada)、ペールエール(伊勢角屋麦酒)、ペールエール(サンクトガーレン)、リバティエール(Anchor社)、反射炉ビヤ 早雲(蔵屋鳴沢)、鬼伝説 金鬼ペールエール(わかさいも本舗)、滝川クラフトビール工房 空知エール(大雪地ビール)、アメリカンペールエール520(石見麦酒)、ペールエール(横浜ビール)、日光ブルーイング THE NIKKO MONKEYS PALE ALE(三本松茶屋)
【ベルジャン・ペールエール/ブロンドエール】
◎サラダチキン(肉を手で割いて、柚子胡椒を少し和えるとさらに良し)
→爽やかな味わいにシンプルな味のチキンを。ベルジャン酵母由来のスパイシーな風味と柚子胡椒が合う
▲代表的な銘柄:東京ブロンド(Far Yeast Brewing)、ブルッグズ・ゾット(De Halve Maan)、タラスブルバ(De la senne)、マルール6(Malheur)、ブロンド(SONGBIRD BEER)、レフ ブロンド(AB InBev)
【セゾン】
◎焼き鳥 塩味(ネギまなど)
→セゾンのスパイシーな風味、ドライな味に香味野菜の風味(ネギやタマネギ、ニンジン、セロリなど)の清涼感を合わせる。
▲代表的な銘柄:僕ビール、君ビール。(ヤッホーブルーイング)、一期一会(京都醸造)、東京ホワイト(Far Yeast Brewing)、セゾン デュポン(Dupont)、インディアサマーセゾン(志賀高原ビール)、常陸野ネストビール セゾン・ドゥ・ジャポン(木内酒造)、Peninsula Saison(Yorocco beer)、Farmhouse Ale(Izumi Brewery)、大山Gビール グランセゾン(くめざくら大山ブルワリー)
【ビエール・ド・ギャルド】
◎ハニーベーコン(缶つま「厚切りベーコンのハニーマスタード」など)
→トーストのようなモルト風味と甘味にはちみつやベーコンが合う(パンにはさむイメージであわせる)
▲代表的な銘柄:アノステーケ セゾン(ブラッスリー・デュ・ペイ・フラマン)、ジャンラン・ブロンド(Brasserie Duyck)、ビエール・ド・ギャルド(Brewin’Bar MONDE 主水) ※スポット商品や限定銘柄が多い
【イングリッシュ・IPA】
◎芋けんぴ
→英国ホップの香り(茶葉など)やエステル(リンゴ香)、麦の香ばしさがイモの土っぽい香りや糖蜜のような香りに奥行きを付ける。強い甘味も苦味が抑制する
▲代表的な銘柄:フラーズ IPA(Fuller’s社)、こぶし花ビール IPA(羽生ブルワリー)、いわて蔵ビール IPA(世嬉の一酒造)、ドランクン セイラ―(CREW Republic)、インディアペールエール(大沼ビール)
【アメリカン・IPA】
◎にんにくホルモン炒め(セブンイレブン「牛塩ホルモン炒め」など)
→強いホップ香と苦味がホルモンの強い味わいにも負けない。アメリカンホップの香りとニンニクの香りの相性がよい
▲代表的な銘柄:インドの青鬼(ヤッホーブルーイング)、IPA(Stone Brewing)、IPA(志賀高原ビール)、バイカモIPA(柿田川ブリューイング)、ブレイクアウェイIPA(Octagon Brewing)、ボーディザファIPA(Georgetown Brewing)、ユニオン ジャック(Firestone Walker)、ファット タグ IPA(Driftwood)、ビッグスウェル アイピーエー(Maui)、IPA(Lagunitas)
【W-IPA / トリプルIPA】
◎チーズタルト(マーマレードジャムを塗ると尚よし)
→強烈なホップキャラクター(香りや苦味)や麦の甘味には、チーズの濃厚な口当たりや味わいで釣り合いが取れる
▲代表的な銘柄:箕面ビール W-IPA(エイ.ジェイ.アイ.ビア)、スルガベイ インペリアルIPA(ベアード ビール)、其の十(志賀高原ビール)、クーク ダブルIPA(Pizza Port)、トルピードIPA(Sierra Nevada)、ダブルオーバーヘッド ダブルIPA(Maui)、ルプリンリバー インペリアルIPA(Knee Deep) / 三十苦(うしとらブルワリー)、シムトラ(Knee Deep)
【セッションIPA】
◎サバオリーブ缶(コンビニなど)
→ビールの苦味とサバの旨味が均等化。ビールののどごしが油分をカット。華やかな香りによるマスキング効果もある
▲代表的な銘柄:COEDO 毬花-Marihana-(コエドブルワリー)、常陸野ネストビール セッションIPA(木内酒造)、ゴールデンドラゴン(伊勢角屋麦酒)、グレープフルーツ エフォートレス IPA(Captain Lawrence)、猿島ビール(横須賀ビール)
【ヘイジーIPA】
◎マンゴープリン
→強烈なホップアロマに負けないプリンの風味の濃さ。甘味と苦味の均衡化。同じフルーティーでの同調。
▲代表的な銘柄:J-CRAFT HOPPING ジューシーIPA(販売:三菱食品/製造:DHCビール)、NEKO NIHIKI(伊勢角屋麦酒)、ソーシャル ファーメンテーション(Revison Brewing)、宇宙IPA(うちゅうブルーイング)、Lupulin Nectar ルプリンネクター (Y.MARKET BREWING)、メイク アメリカ ジューシー アゲイン(Heretic)、横浜家系IPA(REVO BREWING)、 ドリームライク IIPA(Hardywood)、ヘイジージェーン(Brew Dog)
【ブリュットIPA】
◎たこわさび
→ビールのキレの良さ、華やかな香りがわさびの清涼感をより演出する(しょうがや大葉などとも相性が良い)
▲代表的な銘柄:流星クライマー(ヤッホーブルーイング)、ブリュタル ドライPA (Evolution Craft) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
【ベルジャンIPA】
◎オリーブマリネ(かんつま)
→スパイシー、グラッシーなビールの香りがオリーブの独特な風味と合う(タイムやローズマリーといった香草とも相性は良い)
▲代表的な銘柄:一意専心(京都醸造)、スワンレイクビール #B-IPA(天朝閣グループ)、デュベル トリプルホップ(Duvel Moortgat社)、フブロン・シュフ(Brasserie d’Achouffe)、トルバドゥールマグマ(Brouwerij the Musketeers)、デルタIPA(Brussels Beer Project)
<フルーツビール>
【フルーツビール】
◎朝食りんごヨーグルト(軽くシナモンも振るのも良い)× ニュートン(Lefebvre:リンゴのビール)
→同じフルーツの風味を重ねるのが間違いがない。リンゴとヨーグルトやシナモンの相性がよい
◎赤身(マグロなど)の刺身・寿司 × SVB JAZZBERRY(Spring Valley Brewery:ラズベリーのビール)
→ベリーが魚の鉄っぽさをマスキング。酢飯の香りを華やかにする
▲代表的な銘柄:湘南ゴールド(サンクトガーレン)、箕面ビール 桃ヴァイツェン(エイ.ジェイ.アイ.ビア)、レモンラードラー(ベアレン醸造所)、桃のラガー(福島路ビール)、ニュートン(Lefebvre)、haskap-ハシカプ(忽布古丹醸造)、鳴子の風 山ぶどう(鳴子温泉ブルワリー)、九州CRAFT 日向夏(宮崎ひでじビール)、ブルーライチ(ヴェルゴビール)、ビーチ マンダリン&レモン(Strathcona Beer Company)
【フルーツ・ランビック】
◎クリームチーズ、フルーツタルト × リンデマンス ペシェリーゼ(Lindemans)
→ジャムを塗って食べるイメージで合わせる。ビール自体を煮詰めてソースにしても美味。
◎チョコミントアイス × ブーン・クリーク(Boon)
→ミントの清涼感がランビックの独特な風味をマスキング。チョコとフルーツの風味の相性がよい
▲代表的な銘柄:シャポー・バナナ(De Troch)、オード クエッチ・ティルカン・ア ランシエンヌ(Tulquin)、リンデマンス・ファロ(Lindemans)、柚子ランビック(欧和醸造所)
【柚子ビール】
◎しめ鯖
→しめ鯖の甘じょっぱい味わいやお酢の風味に柚子の華やかさがプラスされる
▲代表的な銘柄:箕面ビール ゆずホ和イト(エイ.ジェイ.アイ.ビア)、Yellow Sky Pale Ale イエロースカイペールエール(Y.MARKET BREWING)、軽井沢 香りのクラフト 柚子(THE 軽井沢ビール)、常陸野ネストビール 柚子ラガー(木内酒造)、初陣 柚子ブロンド(リオ・ブリューイング)、湯桶ゆずエール(Oriental Brewing), J-CRAFT 柚子ホワイト(販売:三菱食品/製造:DHCビール)
<個性的ビール>
【酒イーストビール】
◎甘酒(ヨーグルトやアイスにかけてもよい)や珍味系(塩辛など)
→吟醸香に同じ酒の風味を重ねる(キノコや木樽の風味も相性が良い)。吟醸香の強い銘柄は日本酒同様に珍味の独特な香りを緩和してくれる
▲代表的な銘柄:あきた吟醸ビール(あくらビール)、ビアへるん どぶろくビール おろち(松江地ビール)、反射炉ビヤ 大吟醸政子(蔵屋鳴沢)、吟醸シリーズ”EK-7″ (DD4D)、Azure Wind(BLACK TIDE BREWING)、八郷(くめさくら大山ブルワリー)※酒米「山田錦」を使用し、日本酒らしい味わいを付加
【ラオホ / スモークビール】
◎味付けたまごの燻製
→燻製風味が共通。醤油や卵の香気成分が燻製の成分と相性が良い
▲代表的な銘柄:シュレンケルラ メルツェン(Heller社)、富士桜高原麦酒 ラオホ(富士観光開発)、田沢湖ビール ラオホ -Rauch-(わらび座)、Pharaoh(所沢ビール)、なまちゃんのラオホ(スモークビアファクトリー NAMACHAん Brewing)、Rauch/ラオホ(猪苗代地ビール)
【フランダース・レッド】
◎バターチキンカレー
→ビールの酸味とカレーの辛味が中和。スパイス、バター、乳酸菌の風味などが複雑に絡み合う
▲代表的な銘柄:ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ(Verhaeghe)、ローデンバッハ・クラシック(Rodenbach)、クー・デ・シャルル・ブラウン(Verhaeghe)、ラヴ アマング ザ ルインズ(Thornbridge)、ヴァンデルギンスト・アウトブライン(Omer Vander Ghinste)
【アウトブライン】
◎豚の角煮
→ビールの酸味やボディが豚の油分をカット。熟成の風味やモルトフレーバーが中華料理に使用される香辛料(八角やクローヴ・シナモンなど)と相性が良い
▲代表的な銘柄:リーフマンス グーデンバンド(Liefmans) ※国内で入手可能な銘柄はかなり少ない
【ベルリナー・ヴァイセ】
◎レモンピール(砂糖漬け・蜂蜜レモンなど)
→ビールの酸味を穏やかにする甘味。乳酸菌の酸味とレモンの清涼感は相性が良い
▲代表的な銘柄:シュネーオイレ イルムガルド(Schneeeule)、サワー スージー(LERVIG) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
【ゴーゼ】
◎カリカリ梅
→原料の塩からくるミネラル風味から連想させる食材。梅の甘じょっぱさが引き立つ
▲代表的な銘柄:リッターグーツ ゴーゼ(Doellnitzer – Ritterguts)、浜梨ゴーゼ(TDM1874 brewery)、経口補酔液(うしとらブルワリー)、塩熊ゴーゼ(秩父麦酒) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
【グーズ・ランビック:カンティヨン・グーズ(Cantillon)】
◎サワークリーム+クラッカー(ライ麦や全粒粉のものだとなお良し)
→独特の風味とチーズの風味の強さがバランスを取る。舌に感じる収斂味やねばりはチーズの口当たりがマスキング。酸味や生麦のような風味はライ麦など風味の強いパンの風味と一体化する。
▲代表的な銘柄:オード グーズ・ティルカン・ア ランシエンヌ(Tulquin)、ドゥリー・フォンティネン・オード・グーズ(3fonteinen)、ジラルダン・グーズ 1882 ブラック・ラベル(Girardin)
【その他サワービール】
◎おつまみ梅こんぶ(茎ワカメでも)× 常陸野ネストビール 塩梅エール(木内酒造)(青梅を使用)
→梅やフルーツといった風味は酸味や甘味に奥行きを生む。今回は同じ梅風味を合わせたが、ビールの特徴は各銘柄に多岐にわたる
▲代表的な銘柄:「Apricot Ale」など(Cascade Brewing)、「Spontan」シリーズ(Mikkeller)、アベイ ドゥ サン ボンシェン(BFM)、Halo Milkshake BW(Brewski) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
【フレッシュホップ・ビール】
◎カツオのたたきなど
→ホップの青々しい風味を生かすのがポイント。生の大葉や生姜、にんにくやミントなど。ホップの香りが強ければ魚介類などの生臭さなどのマスキングとしても活用できる。ベーススタイルなどで合わせ方は様々。
▲代表的な銘柄:遠野麦酒ZUMONA 遠野の華(上閉伊酒造)、FRESH HOP IPA(サンクトガーレン)、ヨコハマIPA(横浜ビール)、ポペリングス・ホメルビール フレッシュハーヴェスト(Leroy)、志賀高原ペールエール Harvest Brew(志賀高原ビール) ※基本的に季節限定醸造
【フィールドビール・スパイスビール・スペシャルビールなどAnd more】
◎スイートポテトCOEDO 紅赤-Beniaka-(コエドブルワリー)(フィールドビール)
→同じ副原料や、その副原料に合う食材を連想して合わせる。想像力が腕の見せ所。紅赤-Beniaka-のローストを伴ったサツマイモの風味に、同様の風味をあわせる。高めのアルコールによるボディも、スイートポテトのねっとりとしたコクが均衡する
▲代表的な銘柄:アップルシナモンエール(サンクトガーレン)※焼きリンゴとスパイス、京都麦酒 抹茶(黄桜)※抹茶、いわて蔵ビール ジャパニーズハーブエール山椒(世嬉の一酒造)※山椒の実、名古屋赤味噌ラガー(盛田金しゃちビール)※赤味噌、EARL GREY アールグレイ(城端麦酒)、赤い彗星(十条すいけんブルワリー)※ピンクペッパー入り、和轍(わだち)(籠屋ブルワリー)※木桶仕込み、横須賀フォレストジンジャー(横須賀ビール)※しょうが、ハニーラガー(SUNMAI)※はちみつ、デウス(Bosteels)※シャンパンビール、バルバール(Lefebvre)※蜂蜜風味のビール、カステロ福山ロゼ(クラフトハートブルワリー)※バラ、BAYALE(ベイエール)(六甲ビール)※兵庫県産山田錦、黒い弛緩(東海道BEER川崎宿工場)※クローヴ入り
<小麦ビール>
【アメリカン・ウィート】
◎バジルマリネ、ジェノベーゼ(セブンイレブン「たこのバジルマリネ」など)
→バジルなどのフレッシュハーブの香りを生かす穏やかなホップ香とエステル香、苦味のレベル
▲代表的な銘柄:312 アーバンウィートエール(GOOSE ISLAND)、僕ビール、君ビール。 よりみち(ヤッホーブルーイング)、アメリカンウィート(ナギサビール)、瀬谷の小麦ビール(横浜ビール)、信州浪漫ビール ウィートエール(麗人酒造)
【ベルジャン・ホワイト】
◎スモークサーモン (クラムチャウダーなど淡白な味わいの魚介類)
→不確定なスパイス香が魚の中臭さをマスキング。穏やかな燻製香とも強化しあう。ベシャメルソースは白コショウ(ナツメグやシナモンなどを使用しているものはそれら)のスパイシーさが引き立つ
▲代表的な銘柄:ヒューガルデン・ホワイト(Hoegaarden)、水曜日のネコ(ヤッホーブルーイング)、常陸野ネストビール ホワイトエール(木内酒造)、こぶし花ビール ベルギーホワイト(羽生ブルワリー)、梅錦ビール ブロンシュ(梅錦山川)、セント ベルナルデュス ホワイト(St. Bernardus)、カールヴァーン・ベルジャンホワイト(CARVAAN ブルワリー)、ヒメホワイト(伊勢角屋麦酒)、花のホワイトヴァイス(宮崎ひでじビール)
【ヘーフェ・ヴァイツェン】
◎刺身全般(セブンイレブン「おつまみホタテ」など)
→香味野菜や魚介、スパイス・ハーブ類や燻製など強い香りに負けないビールの香り(醬油やフルーツ、乳製品との相性もよく、広くカバーできる)。抹茶をあわせるとバナナ香に青々しいフレッシュな風味が加わる
▲代表的な銘柄:銀河高原ビール ヴァイツェン、富士桜高原麦酒 ヴァイツェン(富士観光開発)、門司港地ビール工房 ヴァイツェン(門司港レトロビール)、ヴァイエンシュテファン ヘフヴァイス(Weihenstephaner)、松江ビアへるん ヴァイツェン(島根地ビール)、大山Gビール ヴァイツェン(くめざくら大山ブルワリー)、雑穀ヴァイツェン(麦雑穀工房マイクロブルワリー)、ヴァイツェン(横浜ビール)
【その他のヴァイツェン(クリスタル・ヴァイツェン / デュンケル・ヴァイツェン / ヴァイツェン・ボック)】
◎寿司(特にイカ・海老など甲殻類) × ヱビス -華みやび-(サッポロビール)
→強すぎないヴァイツェン特有の香りが、魚介類へのマスキング作用や醤油との相乗作用を残しながら寿司の味わいを邪魔しない
◎オールレーズンサンド × 富士桜高原麦酒 シュバルツヴァイツェン(富士観光開発)
→バナナ香とレーズン、フルーツ同士の香りの相性と、強すぎないローストの味わいがクッキー生地の軽さに合う
▲代表的な銘柄:ヴァイエンシュテファン クリスタルヴァイスビア(Weihenstephaner)、デュンケルヴァイツェン(南信州ビール)、ヘラー ヴァイツェン ボック(Plank)、ヴァイツェンボック(御殿場高原ビール)、ヴァイツェンボック(銀河高原ビール)
<琥珀色ビール>
【マイルドエール】
◎キャラメルポップコーン
→穏やかなモルト風味のレベルとバランスを取るポップコーンの軽い食感や甘味、カラメル感。
▲代表的な銘柄:マイルドエール(COOPERS)、OldDays MildAle(備後福山 ブルーイングカレッジ)、ダークマイルド(くめざくら大山ブルワリー) ※スポット商品や限定銘柄が多い
【ミュンヘナー・デュンケル / ダークラガー】
◎炭火焼き鳥
→たれやロースト風味が合う。鶏肉の淡白さがライト~中程度のボディでも負けない味わいの強さ
▲代表的な銘柄:地ビール 独歩 デュンケル(宮下酒造)、八ヶ岳ビール タッチダウン デュンケル(萌木の村)、松島ビール デュンケル(サンケーヘルス)、ホタルの里の黒ビール(月夜野クラフトビール)、奥入瀬ビール ダークラガー(十和田湖ふるさと活性化公社)、妙高高原ビール ダークラガー(荒井アンドアソシエイツ)、長島地ビール デュンケル(長島観光開発)、小樽ビール ドンケル(アレフ)
【メルツェン】
◎柿の種(プレッツェルやナッツ類など軽く塩味のあるものなど)
→おつまみの塩味を穏やかにするモルトの甘味。ボディの軽やかさと共にカジュアルに楽しむ
▲代表的な銘柄:こぶし花ビール メルツェン(羽生ブルワリー)、富士桜高原麦酒 メルツェン(富士観光開発)、TOYODA BEER(石川酒造)、ろまんちっく村ブルワリー 餃子浪漫(ファーマーズ・フォレスト)
【カリフォルニア・コモンビール】
◎スパイシーナチョス・ビーフジャーキー(「ドンタコス チリタコス味」など)
→旨味を受け止めるビールの苦味。ボディの軽やかさがナチョスやジャーキーの食感や味わいを邪魔しない
▲代表的な銘柄:スチームビール(Anchor社)、佐倉芳醇麦酒(ロコビア) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
【アルト】
◎チーズバーガー・ホットドッグ
→ビスケットやクロワッサンのような香ばしいモルトアロマがパン類と合う。油分の洗い流し効果や、苦味強めのアルトは旨味ともリンクする
▲代表的な銘柄:アルト(ベアレン醸造所)、京都麦酒 アルト(黄桜)、田沢湖ビール アルト(わらび座)、猿倉山ビール ライディーン アルト(八海醸造)、ユーリゲ アルト(ZUM UERIGE)、アルト(横浜ビール)、月(アルトタイプ)(鎌倉ビール)、胎内高原ビール アルト(新潟ビール醸造)、OKINAWA SANGO BEER アルト(南都酒造)、アルト(大沼ビール)
【ブラウンエール / ダークエール】
◎わらび餅(きなこやくろみつ)
→きな粉や黒糖の奥行きのある甘味がブラウンエールの優しいモルト風味や甘味を増幅する
▲代表的な銘柄:京都麦酒 ブラウンエール(黄桜)、ハーヴェスト・ムーン ブラウンエール(舞浜地ビール工房 イクスピアリ)、アンバーエール(T.Y.HARBOR Brewery)、ダークエール(飛騨高山麦酒)、アングリーボーイ ブラウンエール(ベアード ビール)、ナットブラウンエール(Alesmith)、ナットブラウンエール(Samuel Smith’s)
【スコティッシュ・エール】
◎カボチャサラダ
→甘やかなカラメル風味はスイーツに使用するような火を入れたカボチャやサツマイモ、林檎、香辛料と相性よし(コンポートや焼き菓子を連想)
▲代表的な銘柄:スコティッシュエール(那須高原ビール)、スコティッシュエール(Belhaven) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
【アイリッシュ・レッドエール】
◎焼き鳥缶 たれ / タピオカミルクティー
→カラメル風味がたれのような甘じょっぱい味わいに奥行きをプラスする。紅茶などキャラメルが合う風味を持つものとも相性が良い
▲代表的な銘柄:レッドエール(エチゴビール)、鬼伝説 赤鬼レッドエール(わかさいも本舗)、いわて蔵ビール レッドエール(世嬉の一酒造)、レッドエール(Kilkenny)、天使のレッドエール(ヘリオス酒造)、風の谷のビール レッドエール(酪農王国オラッチェ)、アイリッシュ レッドエール(O’hara’s)
【アメリカン・アンバーエール】
◎豚肉リエット
→ホップの香りが清涼感を与える。苦味が旨味と均衡化。ソーセージなどハーブや香辛料を使った豚肉加工品との相性が良い。
▲代表的な銘柄:スワンレイクビール アンバースワンエール(天朝閣グループ)、KIRISHIMA BEER AMBER(霧島酒造)、平和クラフト レッドエール(平和酒造)、ファットタイヤ(New Belgium)、代々木アンバーエール (Y.Y.G BREWING)、セイバートゥースド スクオロル(Smog City)、OH!LA!HO BEER アンバーエール(信州東卸市振興公社)、アンバーエール(サンクトガーレン)
【インペリアル・レッドエール】
◎チョリソー(八つ橋なども合う)
→強い甘味が辛味のある料理やスイーツに、強い苦味も旨味のあるものや奥行きを出す風味(ハッカなど)を合わせると強さのバランスを取れる
▲代表的な銘柄:ホフヘヴン インペリアルレッド(Avery)、スワンレイクビール ビッグダディインペリアルレッドエール(天朝閣グループ)、インペリアルレッドエール(伊勢角屋麦酒) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
<黒ビール>
【シュバルツ】
◎ティラミス
→ココアの風味とロースト感を。スポンジ生地の軽やかな食感がラガーの後味のキレを損なわない
▲代表的な銘柄:ハーヴェスト・ムーン シュバルツ(舞浜地ビール工房 イクスピアリ)、湘南ビール シュバルツ(熊澤酒造)、COEDO 漆黒-Shikkoku-(コエドブルワリー)、ケェツトリツァー シュバルツビア(Köstritzer社)、シュバルツ(ベアレン醸造所)、田沢湖ビール ダークラガー(わらび座)、キリン一番搾り<黒生>(キリンビール)
【ベルジャン・ダブル】
◎チョコバナナチップ
→酵母由来の香りにバナナの風味が加わりより複雑化。チョコの味わいをロースト風味と合わせる。
▲代表的な銘柄:シメイ・レッド(CHIMAY)、ウェストマール ダブル(Onze-Lieve-Vrouw van het Heilig Hart)、セント ベルナルデュス ペリオール(St. Bernardus)、ブルッグズ・ゾット ダブル(De Halve Maan)、サン フーヤン ブリューン(St. Feuillien)
【ブラウン・ポーター】
◎あんみつ(黒蜜をかけるとなお良い)
→あんこの味わいとロースト感の相性が良い。あんみつの寒天の食感の軽さ、あんこの口当たりがポーターの喉ごしレベルとマッチする
▲代表的な銘柄:反射炉ビヤ 頼朝(蔵屋鳴沢)、ポーター(ブリマーブルーイング)、ブラウンポーター(サンクトガーレン)
※商品情報としては「ポーター」の記載だが、「星空のポーター(ヘリオス酒造)」「ロンドンポーター(Fuller’s社)」なども入手可。
【ロブスト・ポーター】
◎タピオカココナッツミルク(プリンなどでも合う)
→ロースト風味がココナッツやバニラの甘い味わいにお湯茎や味の締まりを与える。ブラウン・ポーターより味わいの濃い料理にも対応できる
▲代表的な銘柄:スワンレイクビール ポーター(天朝閣グループ)、黒船ポーター(ベアード ビール)、仙南クラフトビール スタウト(仙南シンケンファクトリー)、東京ブラック(ヤッホーブルーイング)
【アイリッシュ・ドライスタウト】
◎牡蠣のオイル漬け
→魚介類の風味やミネラル感をロースト風味が程よく抑制する。軽めのボディが油分の口当たりをカットする
▲代表的な銘柄:ドラフトギネス(Guinness社)、KIRISHIMA BEER STOUT(霧島酒造)、島国スタウト(ベアード ビール)、信州浪漫ビール くろゆり(麗人酒造)、スタウト(箕面ビール)、スタウト(道後ビール)
【アメリカン・スタウト】
◎カレーパン
→香辛料や黒ゴマなど、強めの風味ともロースト香がバランスを取り深みを生み出す。黒ビールは料理の甘味・塩味・辛味を中心に、強い味も広く受け止める。派生としてコーヒーやチョコなどを加えロースト感を増したものなども多い
▲代表的な銘柄:常陸野ネストビール エスプレッソスタウト(木内酒造)、スイートバニラスタウト(サンクトガーレン)、ノースアイランドビール コリアンダーブラック(SOCブルーイング)、THE BREWMASTER あまおうオートミールブラック(ケイズブルーイングカンパニー)、松江ビアへるん ショコラNo.7(島根地ビール)、アンデスカカオスタウト(CARVAAN ブルワリー)
【オイスター・スタウト】
◎サバの味噌煮
→牡蠣も合わせて味噌煮にしたような深いコクが生まれる。
▲代表的な銘柄:いわて蔵ビール 広田湾産三陸牡蠣のスタウト(世嬉の一酒造)、浦村牡蠣スタウト(伊勢角屋麦酒)、ロウオブザタン(Sailors Grave)
【バルチック・ポーター】
◎ガトーショコラ
→濃厚なチョコのロースト香や甘味に負けないほどの力強い味わいの強さ。多様な発酵由来の香りも香ばし風味に奥行きを付ける。
▲代表的な銘柄:カーネギー ポーター(Carlsberg Sverige AB)、オオ(Pohjala) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
【エクスポート・スタウト】
◎ブルーチーズ(ハチミツを添えるとなお良し)
→ロースト香がブルーチーズの独特の風味に焼いたニュアンスを加える。ブルーチーズの強い塩味には強い甘味で均衡化が取れる
▲代表的な銘柄:ライオンスタウト(Lion)、スタウト(飛騨高山麦酒)、いわて蔵ビール スタウト(世嬉の一酒造)、チャタンビール スタウト(ザ・テラスホテルズ)
【インペリアル・スタウト】
◎フロランタン(アーモンドやマカダミアクッキーでも)
→カラメルやナッツの風味とロースト感の相性が良い。クッキー生地の食感の軽さがビールの重厚な後味を軽減する
▲代表的な銘柄:インペリアルスタウト(箕面ビール)、スピードウェイ・スタウト(Alesmith)、オールドラスプーチン ロシアン インペリアル スタウト(North Coast)、インペリアルスタウト(T.Y.HARBOR Brewery)、インぺリアルスタウト(箕面ビール)、ファウンダース CBS(Founders)、黒(Mikkeller)、3 ビーンズ スタウト(LERVIG)、ノア ピーカン マッドケーキ インペリアルスタウト(Omnipollo)
【オートミールスタウト】
◎黒糖かりんとう / どら焼き
→オートミール由来のマウスフィールが、かりんとうやあんこなど、口に残る口当たりの食材でもうまく交わる。ロースト感や甘味との相性もよい
▲代表的な銘柄:ブレックファースト スタウト(Founders) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
【スイートスタウト】
◎フランボワーズやイチゴ味のクッキー
→ロースト香とベリー系の香りの相性、優しいビールの甘味を抑制するベリーの酸味。クッキーの食感を滑らかに溶かしていくビールの口当たり
▲代表的な銘柄:常陸野ネストビール スウィートスタウト、松江ビアへるん 縁結麦酒スタウト(松江地ビール)、ラテスタウト(伊豆の国ビール)、ミルクスタウト・ナイトロ(Left Hand)
<長熟・高比重ビール>
【ベルジャン・ペール・ストロングエール】
◎春雨サラダ(スイートチリソースとの相性も良い)
→酵母由来の爽やかな香りが酸味に華やかに。強めの炭酸が後味を邪魔しない。アルコールの熱感や甘味が中華やエスニックの甘辛い味わいと重なり相性がよい
▲代表的な銘柄:デュベル(Duvel Moortgat社)、デリリウム・トレメンス(Huyghe)、ギロチン(Huyghe)、Swoon(Barbaric Works)、常陸野ネストビール ニッポニア(木内酒造)、ラ・シュフ(Brasserie d’Achouffe)、マルール10(Malheur)
【ベルジャン・ダーク・ストロングエール】
◎エビチリ
→ エビチリの酸味・辛味・甘味にそれぞれ作用する酵母由来の爽やかな香りや、シャンパンのような強めの炭酸、アルコールの甘味。同じ中華やエスニック料理でも、ロースト感があるので煮込みや焼き目のついたものを。
▲代表的な銘柄:エキストラハイ(木内酒造)、馨和 ルージュ(Far Yeast Brewing)、アベイデロック ブリューン(Abbaye des Rocs)、マルール12(Malheur)
【ベルジャン・トリプル:シメイ・ホワイト(CHIMAY)】
◎(滑らか系の)杏仁豆腐・紅茶クッキー
→フルーティ、スパイシー、フローラルなど華やかな香りはジャスミンやアニス、メープルなどの甘く香り高い原材料との相性が良い
▲代表的な銘柄:トリプル・カルメリート(Bosteels)、サンフーヤン トリプル(St. Feuillien)、グーデンカロルス トリプル(Het Anker)、セント ベルナルデュス トリプル(St. Bernardus)、ウェストマール トリプル(Onze-Lieve-Vrouw van het Heilig Hart)、ドランク・マンク・トリプル(Outsider Brewing)、こぶし花ビール・グランクリュ(羽生ブルワリー)、アヘル・ブロンド(Achel)、トリプル・レフォール(Omer Vander Ghinste)
【クアドルペル】
◎ドライフルーツ(いちじく)
→熟したレーズン、イチジク、ナツメヤシ、グレープ、カラメルなどの重層的な香りや甘味と同じ味わいを重ねる。又はそれらをアクセントにする
▲代表的な銘柄:シメイ・ブルー(CHIMAY)、ストラッフェ ヘンドリック クアドルペル(De Halve Maan)、ラ・トラップ クアドルペル(De Koningshoeven)、ロシュフォール10(Abbaye de Notre-Dame de St.Remy)、セント ベルナルデュス アブト(St. Bernardus)
※ロシュフォール10とキャラメルアイスも素晴らしいペアリングを見せます。
【イングリッシュ・バーレーワイン】
◎レーズンサンド
→カラメルやタフィーキャンデーの風味を伴う強い甘味が、洋酒や紅茶(渋みも緩和される)の味わいと相性が良い。
▲代表的な銘柄:ハレの日仙人(ヤッホーブルーイング)、頑固おやじのバーレーワイン(ベアードビール)、ハーヴェスト・ムーン バーリーワイン(舞浜地ビール工房 イクスピアリ) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
※「長期熟成ビール」として「ナインテイルドフォックス(那須高原ビール)」も有名である。
【アメリカン・バーレーワイン】
◎アップルパイ(セブンイレブン「一口アップルパイ」など)
→タフィー、カラメルのような風味、甘味+熟した果実のようなアロマにあわせて、煮詰めたコンポートやジャムなど果実感が合う。強烈な苦味とも拮抗。
▲代表的な銘柄:ビッグフット(Sierra Nevada)、麦のワイン【el Diablo】(サンクトガーレン)、フレッドの寝酒ビール(えぞ麦酒)、クラフトエールスター(ウェラワン) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
【スコッチエール】
◎サバ竜田の甘酢あんかけ(セブンイレブンなど)
→エステル香により魚介の臭みがマスキングされる。かつ、甘酸っぱいあんかけが麦芽のカラメル風味と合う
▲代表的な銘柄:90/ウィー・ヘヴィー(Belhaven)、スコッチエール(BLACK ISLE)、やばいやばいストロングスコッチエール(ベアード ビール) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
【トラディッショナル・ボック】
◎カステラやパウンドケーキ(バナナ風味のものは特に合う)
→モルトの風味や甘味がスポンジ生地の甘味に同調。ラガーのキレもスポンジの歯切れの良さと合う。フルーツ入りものも相性が良く、バナナを使用したものはヴァイツェンボックのような味わいに
▲代表的な銘柄:カモシカ(宇奈月ビール)、八ヶ岳ビール タッチダウン プレミアムロックボック(萌木の村)、はままつビール ボック(浜松アクトビール コーポレーション マイン・シュロス)、梅錦ビール ボック(梅錦山川)
【マイボック】
◎生姜焼き(購入箇所の例)
→しょうがやタマネギの辛味がボックの甘味を緩和、味わいの中のアクセントとして作用する
▲代表的な銘柄:マイボック(ベアレン醸造所)、マイ・ウア・ボック(Einbecher)、デッドガイエール(ROGUE) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
【ダブルボック】
◎甘酢肉団子(タケノコ入り黒酢黒酢肉団子がおススメ)
→黒酢の香りにボックの香りがなじみ深みが生まれる。ボックの甘味が酸味で緩和され、肉の旨味とのバランス取れる(経験上ボックには魚より肉が良い。臭みが出る)
▲代表的な銘柄:富士桜高原麦酒 サクラボック(富士観光開発)、サルヴァトール(Paulaner)、田沢湖ビール W CHOCOLATE BOCK(ダブル チョコレートボック)(わらび座) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
【アイスボック】
◎野菜スティック(梅味噌味)
→味噌の熟成風味がボックの熟した風味と同調。梅のフルーティさがボックの果実香と同調。ビールの甘味と均衡をとる味噌の塩味や梅の酸味。野菜の瑞々しさがビールの重いボディをさっぱりさせる
▲代表的な銘柄:アヴェンティヌス アイスボック(Aventinus) ※国内で入手可能な銘柄は少ない
【ウィートワイン】
◎メープルビスケット(ハニービスケット)
→ブレッディ・ウィート、ハニーの風味を伴う強い甘味がビスケットやハチミツ、メープルなどの同系統の風味と相性が特に良い
▲代表的な銘柄:小麦のワイン【un Angel】(サンクトガーレン)、ウエストコースト・ウィートワイン(ベアード ビール)、大山Gビール ウィートワイン(くめざくら大山ブルワリー) ※国内ではスポット商品や限定銘柄が多い
<おまけ:各社大手ビールとのペアリング>
【アサヒスーパードライ】
◎はちみつ黒酢ダイエット
→キレのあるテイストのため、液体や飲料とのペアリングも良い。アップルジュースと割っても美味
【キリン一番搾り】
◎卯の花
→コクや苦味があるため、ある程度味の濃い料理とも合わせることができる。おからの食感や甘めの出汁の味わいとも口内でうまく交わる
【サッポロ生黒ラベル】
◎ひじき煮
→キレ良くホップの苦味も感じやすい。食感を含めた豆の味わいや、素材に沁みた出汁の旨味と均衡化する
【ザ・プレミアム・モルツ】
◎タケノコ土佐煮
→麦の甘味や香ばしい風味が他銘柄に比べ強め。根菜などしっかり味の染みた和食の旨味や塩味・甘味にも負けない
【オリオンビール】
◎ゴーヤ・チャンプルー
→ゴーヤの苦味とビールの苦味を合わせ、キレの良さを一層楽しむ。ビールはビタミンBは含むがビタミンA・C・E少ない。栄養価的にもゴーヤチャンプルーは補うことができる理想のおつまみ。
【日本産ホップ:SORACHI1984】
◎アロエヨーグルト
→「ソラチエース」ホップのウッディやグリーン、フローラルな香りがアロエのグリーンな香りやヨーグルトの乳製品の香りと同系統。
【節税型発泡酒:本麒麟】
◎切干大根、アサリの酒蒸し・ホタテ貝柱など
→麦芽スピリッツ由来の風味や甘味をどう生かすかがポイント。酒やみりんを使った料理や、ひれ酒のイメージで貝柱などと合わせても甘みが旨味を均衡化する
【微アルコール:BEERY(ビアリー)】
◎ジャイアントコーン(無塩ナッツなど)
→口に食感や味が残りすぎない、歯切れの良いものがよい。ラガーとナッツは比較的相性がよい。
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もちろん、人によって合う・合わないはあるのだが、それでも多くの方にご納得いただける提案になっていると思う。また、同じカテゴリー内(特徴が様々な「フルーツビール」や「個性的ビール」は除く)のフードやビアスタイルは前述のとおりある程度互換性があるので、同じ「白ビール」カテゴリーの「ベルジャン・ホワイト」に相性の良い「スモークサーモン」を「ヘーフェ・ヴァイツェン」に合わせる、という楽しみ方もできる。
ぜひ、自宅やビールパブ・レストランでの楽しいひと時のご参考にしてほしい。そして、少しでもビールの世界に目を向ける方が増え、ビールがより多くの方に楽しまれることを願っている。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。